敷地のあらゆる場所に監禁、緑色の水を飲む犬たち
救出
北米ノースカロライナ州の「子犬工場」の敷地から、犬の救出です。
動物愛護団体 The Humane Society of the United States (HSUS) は、敷地内で、監禁された犬全てを救出します。
壁に親族の写真がかかり冷蔵庫が置かれた、リビング・ダイニングキッチンにも、あらゆる場所に犬が入ったケージが置かれていました。
屋外では金網の囲いに監禁されています。
皮膚病で脱毛したこの犬は、炎症を起こしたピンク色の皮膚がひどくかゆいのでしょう。感染症を起こしている他の犬も皆、放置です。
物置のように見えた小屋の中も、この通り。ケージが積みあがっています。
踏み込んだ途端に、悪臭に圧倒されました。給水機の水は緑色です。
ビリー
そして、これが「ビリー」です。
さび付いたケージの扉をこじ開けなければなりませんでした。長期間ずっとここに監禁されていた証拠です。
ビリーは外に出られる予感に喜んでいる様子。
抱き上げて、下の歯茎を半分失っていることがわかりました。
長毛に隠れていますが、触ってみると、ガリガリにやせています。
医師は、ビリーの健康状態を、医学的なスコアで「最悪」と認定しました。
劣悪な環境に置かれていた犬は、防衛反応として犬らしい感情を押し殺す場合もあります。でもビリーは救出後、体はボロボロですが、健康な精神状態をすぐに取り戻し、遊び好きな個性を見せてくれました。
そんなビリーを愛してやまないHSUSスタッフのアダムが、個人的に里親になる決心をしました!
ビリーは愛され、安全で自由に動ける場所で生活できるようになりました。
アダムはカメラをまっすぐ見据えて言います。「こうした動物たちを助ける活動をどうか支援してください。」
思い出と、残されたメッセージ
最後に、悲しいお知らせです。アダムに引き取られ、先住犬とも仲良くなって、愛され、愛を与えた数カ月の後、ビリーは亡くなったそうです。
過酷な状況に長く置かれて発症した病気の合併症に、その小さな体は耐えられなくなっていたのでしょう。ビリーに思い入れの強かったアダムにとってもショックは大きかったよう。
それでも、彼は別の動画でこう語っています。
「今でも、毎日ビリーのことを思っては、楽しかった思い出が私を笑わせてくれます。ビリーは身をもって、子犬工場での虐待の事実を多くの人に伝えてくれました。動画でビリーに心を寄せ、そしてビリーの物語をシェアしてくれて、嬉しいです。ありがとう。」
動画を見ることは保護活動支援につながります。
※こちらの記事は動画の制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
動画制作者:The Humane Society of the United States
掲載YouTubeチャンネル:The Humane Society of the United States