近所の人たちと即席の保護チーム結成
通報・発見
コンクリートの大きな水路の中に犬がいると保護依頼を受けて、保護団体HOPE FOR PAWS が現場に駆け付けました。近所の人々が、救助に応じてくれる団体を探している間の数週間、犬に食べ物を与えていたそうです。こうした水路は、普段はほとんど水が流れていないものの、台風などの際に急激に水位が上がり濁流となることがあります。そうなったら犬はひとたまりもありません。
水路に降りて行く階段やはしごさえ、何キロにもわたって見当たりません。そして保護対象は大きなシェパード。クレーンなど、この状況に対応できる大型の機材などありません。
近所の人々が手に入る物資を貸してくれました。それはつまり、ガレージに置いてある、ちょっと壊れたはしごなど…。短くて水路の底にとどかないはしごは、2本つないで即席の長いはしごにしました。つなぐのにつかったのは、持参していた布リードです。ぐらぐらするそのはしごで、6m下の水路の底に団体リーダーが1人で降りていきました。
接近・保護
近づいてきた人を見て、犬は慌てるでも興味を示すでもなく、ゆっくりと立ち去ろうとします。その後ろ姿は、人に対して何も期待もしていないと言っているようです。
「ビッギー」を刺激しないように座って呼び止め、食べ物を投げてみると、ビッギーは近づいて食べ始めました。
しかし布リードを準備し始めると、犬はそれを見てすっと離れてしまいました。リードの意味を知っていて、つかまるのを恐れているのでしょう。
リーダーがビッギーと「交渉」している間に、もう1人のメンバーは、近所の人たちと即席のチームを結成、大きなケージをロープで水路におろしました。
再び食べ物に近づいたビッギーは手から直接受け取り、その後、頭やのどを触らせてくれました。心理的な距離がぐっと近づいたのを感じます。
するとビッギーは、みずからその場に伏せ、すっかりリラックス!「Good boy!(いい子だね)」と声をかけながら、なでなでなで。人に期待せず、よそよそしかったビッギーに、感情が戻ってきたようです。
先ほど布リードを見て怖がったので、ビッギーの目をてのひらでおおい隠し、見ないようにして少しずつリードを首の周りにつなぎました。
ビッギーもわかっているみたいで、耐えています。
それからビッギーはすっかり嬉しそう。もう、わかちゃったんです、これは強制収容じゃない、「おうちに帰るんだ」って。リーダーもビッギーの信頼表現に「サンキュー」と言います。
あぁー心が温まる~。
「さあ行くよ。大丈夫、できるよ」と言い聞かせて(笑)、 ビッギーをケージに入れ、即席チームがよいしょ、よいしょと引き上げました。「絶対、落とさないで!」
フェンスを越える時ケージはビッギーもろともゴロンと横に一回転!ビッギーよく頑張りました。
ケージが無事に着地すると、見守っていた子供たちから歓声があがります。
ケア
病院で体を洗う時も大人しいビッギー。
それから
里親さんとの素晴らしい出会いが叶うまで、ビッギーは一時預かり施設で暮らします。こんなに穏やかで愛らしく我慢強いシェパードは、家族に迎えたい人が大勢いたのではないでしょうか?
愛情が感じられる動画をご覧ください。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
Hope for Paws
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