劣悪な環境にいたトイプードルとうつ病の私。同時進行で癒しあう日々

劣悪な環境にいたトイプードルとうつ病の私。同時進行で癒しあう日々

うつ病を抱えていた私が、過酷な環境で生まれ育った保護犬を迎え入れました。そして私たちはお互いが必要になりました。

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ひどい鬱のなか足を踏み入れた『保護犬カフェ』

伏せするトイプードル

何度か目にしていた保護犬カフェ。初めて店内に入った時、私の心は重く疲れ果てていました。

当時、私はひどい鬱に悩まされており、「考える」という力すらなく、まるで暗い深海をさまよっているような毎日でした。保護犬カフェに足を踏み入れたのは、犬を抱きたいという気持ちがふと浮かんできたからです。

チワワ、ダックスフント、マルチーズ、ミックスが尻尾を振りながら私に近づいてきた時、長い間、その存在すら忘れていた「笑み」を浮かべている自分がいました。鬱になって以来、人との関わりが苦痛になっていたため、スタッフと目を合わすこともできず、私はしゃがんで、足元に来たダックスフントを昔飼っていた犬を思い出しながら撫でました。

ふと、店内の奥を見ると、沢山のケージが並び、中には様々な種類の犬がいました。「この子達は、臆病だとか、病気を抱えていて、カフェには出せないのですよ。」ケージに近づいていくと、スタッフが私に告げた。保護犬達の中で一匹のトイプードルに私の目は釘付けになりました。臆病な目をしてケージの隅で小さくなっていたそのプードルに。

抱いた瞬間決まった気持ち

ソファに座るトイプードル

「この子は悪質なブリーダーから引きとらたのですよ。酷い環境で生まれ育って、うるさいからと声帯もカットされて。人間どころか他の犬も怖がるしとにかく臆病でいつも震えて。震えが止まることがないのですよ。本当に可愛そう。」スタッフは怒りと哀れみを含んだ口調で言った。
「抱っこしていいですか?」私は思い切って尋ねました。

「もちろん。出しますね。名前はダンです」スタッフは明るい声で言うと、ケージを開けて、ひどく震えるダンを抱えた。ダンを胸に抱いた時、心に温かい何かが流れ込んでくるのを知りました。「大丈夫よ。大丈夫だからね」

しばらく声をかけながら抱いていると、ダンの震えが治まったのです。その時には既に私の気持ちは固まっていました。「この子を譲って貰えますか?」

手続きを終えて、お店を出る時、スタッフは言いました。「ダンは、今までブリーダーの倉庫のような小屋の中のケージに産まれてからずっと閉じ込められていて、外に出るのは生まれて初めてなのですよ」

ダンは2年半も暗いケージに閉じ込められていたのです。そのせいか、関節が弱いようでした。犬を飼うつもりはなかったので、当然、家にはドッググッズがありません。私はダンを抱いたまま、ホームセンターで必要品を揃えました。

初めて『外』に出たダンの様子に涙

首をかしげるトイプードル

その日は9月中旬で良い天気の土曜日でした。「散歩に行こうね。」私はダンが怖がっては駄目だと、公園までドックキャリーに入れ、公園の人がいない場所でダンを出しました。
初めての散歩で、ダンがまずしたことに今でも思い出すと涙が出ます。

ダンは、しばらくの間空を見ていました。空飛ぶ鳥の姿を目で追い、そして木を見つめ、落ち葉の匂いを嗅ぎました。そして初めて自由になったことを知り感動で身震いするかのように尻尾をふりだしたのです。ダンは私を見上げました。

ダンは関節が弱かったものの、一番好きな遊びは低い階段からジャンプすることでした。何度も何度もこの遊びを繰り返しました。今まで遊んだことがなかったので、ぬいぐるみやボールを投げても、不思議そうな顔をして私を見るだけです。最初の間は、ドッグフードも、私が見ていると食べませんでした。

さいごに

「うつ病」になると、周りの世界が映らなくなります。怖ろしい脱力感と「生きている」ことに対する辛さ。ダンはそのような状態にいた私を少しづつ変えていきました。

私が家に帰ると全身で喜びを表現するダン。安心しきったようにお腹をみせぐるぐると布団の上で回り、どこにでもついてきました。

犬は人間の心の動きに敏感です。私が辛そうにしているとダンまで巻き込んでしまうので避けなければいけない、という気持ちが生まれ、ダンの嬉しそうに尻尾をふる姿を見ることで、日々に楽しみができました。楽しみができると私は私を囲んでいた殻から少しづつ出ていくことができました。

毎日少しづつ心を開いていったダンと同時進行で、私の心の病も癒されていったのです。

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