屋外のリスクのひとつ、キノコ
秋が近づいて気温が下がってくると、夏よりも犬と屋外で過ごす機会も増えてきます。この時期、キノコ中毒は犬にとっては意外と一般的な危険です。
山や森に出かけなくても、公園や自宅に生えてきたキノコを口にした犬が中毒になってしまう例も多く油断はできません。リスク管理の一環としての、犬とキノコについての一般的な注意事項をご紹介します。
犬のキノコ中毒
犬のキノコ中毒は、犬が有毒なキノコを食べてしまうと起こります。毒キノコの代表的なテングタケなど比較的見分けやすいものだけでなく、シメジやシイタケなど食用のシイタケによく似た毒キノコもたくさんあるので、地面から生えているキノコは犬には一切食べさせないよう注意することが必要です。
中毒の重症度や症状は、どんな毒を持っているキノコを食べたのか、どのくらい食べたのかによって異なります。
次に挙げるのは、キノコ中毒に関連する一般的な症状の一部です。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 衰弱、無気力
- 皮膚や白目の黄変
- バランスを失い運動失調
- 過度のよだれ
- ひきつけ発作
- 昏睡
犬がキノコを食べてしまったら
キノコの種類によって、食後30分〜数時間で嘔吐や下痢などの症状が現れるもの、食後3〜4日してから症状が現れるものと、潜伏期間は様々です。もしも犬がキノコを食べてしまった場合には、たとえ症状が出ていなくても一刻も早く病院に連れて行くことが重要です。処置が遅れれば遅れるほど、症状も重くなり予後も不良となります。
病院には事前に連絡して緊急であることを告げ、診察時には食べてしまったキノコをサンプルとして持参します。カエンタケなど触るだけでも炎症を起こすような猛毒のキノコもあるので、取り扱いにはくれぐれも注意します。催吐処置や胃洗浄を行なった後にも、多くの検査や処置が必要となるので、ほとんどの場合入院が必要です。日頃から夜間診療や救急医療の連絡先やアクセスを確認しておくことも大切です。
毒キノコについての注意喚起は厚生労働省のサイトでも写真付きで詳しく解説されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/index.html
知識のない人は野生のキノコには一切触れないことが一番で、愛犬もキノコには近寄らせないことですね。庭にキノコが生えているのを見つけた時にはすぐに抜いて捨てるようにしましょう。もしも犬がキノコを口にしているのを見つけたら、慌てて取り上げようとすると犬は取られまいとして飲み込んでしまう場合も多いので、落ち着いてトリーツなどを見せて交換するように促しましょう。
まとめ
暑い夏が過ぎ雨が降る季節になるとニョキニョキ生えて来る野生のキノコ、犬とキノコ中毒について知っておきたいことをご紹介しました。キノコ中毒は迅速に適切な処置をしないと命に関わる重大な危険です。危険の度合いを知っておくことで、いざという時の対応にも差が出ます。リスク管理として知識や情報を整理して、安全に楽しく季節を楽しみたいですね。
《参考URL》 https://www.petmd.com/dog/conditions/digestive/c_dg_mushroom_poisoning