獣医師の資格を取るには

獣医師の資格を取るには

誰よりも動物と深く接して、大切な命を預かる獣医師ですが、その資格を収得するのに必要な時間や知識に資格を持った後の主な就職先や就職状況、そして獣医師に必要な適性は何かを紹介させていただきます。

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動物のお医者になりたいと思ったら

医師の写真

キッカケは、有名なあの漫画

私が初めて獣医師の存在に興味を持ったのは、10年以上前にドラマ化して大人気を呼んだとある漫画を読んだ時です。

主人公が特殊な人間に囲まれて、コミカルなストーリーの中にも様々な苦労を重ねながら獣医師を目指していくという内容に、“獣医師になるのって本当に大変なんだな”と衝撃を受けました。

そこで今回は、動物にとって切っても切り離せない存在である、獣医師になる為の資格の取り方等について紹介させていただきます。

獣医師って、どうすればとれる資格?

資格から獣医師と名乗れるまでの流れ

獣医師の資格を収得するのには、まずは最初に大学で6年間ほど獣医学の勉強をして卒業をする事、それに加えて「獣医師国家試験」を受験して、合格するのが大前提です。

そこで合格した時点で獣医師になれるのかと言うとそうではなく、
そこから更に農林水産省に獣医師免許の申請をして、獣医師名簿に登録してもらってから初めて「獣医師」と名乗ることができるんです。

資格が取れる大学は?

大学の写真

外国の獣医学校を卒業して、一定の要件を満たすという条件を除いて、獣医師の資格をとる為の学校は、日本国内においての学校教育法に基づく獣医学科等を設置している16校の大学のみです。

その一覧を挙げていきますと、

北海道

  • 北海道大学
  • 帯広畜産大学
  • 酪農学園大学

東北地方

  • 岩手大学

関東地方

  • 北里大学
  • 日本大学
  • 日本獣医畜産大学
  • 麻布大学
  • 東京大学
  • 東京農工大学

中部地方

  • 岐阜大学

関西地方

  • 大阪府立大学

中国地方

  • 鳥取大学
  • 山口大学

九州地方

  • 宮崎大学
  • 鹿児島大学

となります。比較的、関東地方と北海道に集中している等と偏りがあるので住んでいる地方によっては自宅から通うのが大変な場合もありますね。

試験内容や勉強期間は?

試験はどんな内容なのか

獣医師の資格試験こと「獣医師国家試験」は、飼育動物の診療上に必要な獣医学、そして獣医師としての必要な公衆衛生に関する知識から出題されます。
合格率は85%くらいです。

出題は主にマークシート方式の試験で行われます。必須問題に関する試験は獣医学全般等の50問、学説に関する試験160問、実地に関する試験の120問の合計で330問出題されるんです。

そして出題基準を挙げると、

  • 獣医療の基本的事項
  • 獣医学の基本的事項
  • 衛生学に関する事項
  • 獣医学の臨床的事項

これを内訳にしてみますと、獣医療の基本的な問題が3割で、残りが7割となっていて、更にその中から獣医師としての必須事項や、動物及び公衆衛生学に対する重要な問題を中心に出題されます。

勉強期間はどのくらい必要か

辞書を開いてる写真、勉強のイメージ

獣医師国家試験を受験するには、何と20種類以上という膨大な量の教科があり、その1つ1つを解けるようにならなければいけないので、最低でも半年以上は勉強をしなければいけない必要があります。

そして半年程度の期間で勉強するとしたら、1日5~6時間以上は勉強時間が必要です。
なので、勉強をする際は1教科に対して予習や復習にどれくらい時間を使うかなど、キチンと自分でペース配分を考えながらスケジュールを組んで勉強する事をお勧めします。

獣医師の資格を収得できた次のステップは?

動物のお医者さんになるかの分岐点

獣医師の資格を収得する人の中には、動物の治療をする以外にも、それぞれの動物に関する研究に携わる人、私達が口に入れる食肉の安全性を検査する人などと動物を扱う仕事に就く方も多くいます。

中には獣医師になるべく勉強をしている内に研究者等といった違う分野に興味が出て来て資格取得後は研究者になるというパターンもあるんです。

獣医師の資格を活かせる職業は?

ここで獣医師の資格を活かせる主な職業をあげていきますね。

  • 獣医師として動物病院の勤務

基本的に就職先として最も多くて全体の半分を占めるのが、ワンコやニャンコを始めとするペットの診療を行う動物病院です。

  • 農協に務める

地域によっては、ペットよりも家畜を専門に診察する獣医師さんもいます。
こういう方達は、農協で畜産牧場の牛や豚などの診療や管理を行います。

  • 動物園の勤務

動物園のキリン

みんなが大好きな動物園の獣医師となって日頃から動物の健康管理を行います。
まさに動物園においての縁の下の力持ちなんです。

  • 製薬会社、食品会社

試験管の写真

研究者として薬や食品の研究開発を行う上で必要な実験動物の管理を行ったり、その品質の管理をしていきます。

  • 検疫所の勤務

空港や海港などにおいての検疫所で、海外から輸出入される動物が伝染病や感染症にかかっていないかという検査をします。

就職状況は?

現在、獣医師国家試験に合格した人ならば比較的仕事にあぶれる事もなく、というよりも希望する殆んどの獣医学生は就職先を見つける事ができます。

ただし、水族館や動物園、中央競馬協会などは非常に人気が高いので、教授の推薦が必要になると言われています。

獣医師になる適性とは?

だっこされる動物達

もちろん獣医師になる為には資格を取る事が大前提ですが、命を預かる重大な責任を背負う職業なので、自分が本当に獣医師としての適性能力があるのかを知っておく必要があります。

愛情と冷静さをバランス良く使い分けられるか

当然ですが、まず獣医師の資格を取りたい方の殆んどの方が種類を問わずに動物が好きであり、その動物を救ってあげたいと思うでしょう。

でも時として生命の危機に面している動物を前にして感情を抑えて冷静な判断をする必要があります。
だからといって常に感情を表に出さないと逆に怖いイメージを持たれてしまったりもするので、上手く使い分けれるかが大切です。

向上心、勉強が好きであるか

基本的に獣医師になる為には大学で6年間獣医学を学びますが、日々医療は進歩していくので常に何かを学ぶという熱心さが必要となります。

実は我が家の愛犬ことプシュケが目の持病で苦労していた時期に、掛かり付けの獣医師さんは、学会に行った際に他の先生や眼病を専門とした教授に意見を聞いて下さったばかりか、わざわざ自分の病院に呼んで一緒に診てくれました。そのお陰様で数年経った今でも症状は落ち着いています。

このように勉強や研究を怠らない方が獣医師として大切にされる要素だと思います。

体力があるか

職業柄、いくら休診日や休診時間を設けていても急患が舞い込んでくる可能性が非常に高いし、またワクチンの時期には大変多くの患者さんが殺到するので、知力のみではなく激務をこなせる体力も必要となります。

コミニュケーション能力があるか

基本的に相手にするのは物を言えない動物ですが、あくまでも連れてくるのは人間なので、症状を分かりやすく説明したり、どんな質問に対してもシッカリと受け答えできるようにしたり、飼い主さんに不快な印象を持たれない為に適度にコミニュケーションをとれるのも大切ですね。

番外編

獣医師として動物病院を開業するには?

ではここで、もし獣医師の資格を取って将来的に自分の動物病院を開業したいと考えた時に、どのようなステップで進んで行くのかを簡単に説明していきます。

①開業の目標設定

まずは自分がどんな目的として、例えばワンコとニャンコのみの診療にするか、あるいは小動物や爬虫類を専門とするか、一定の病気の分野を中心に診察するか等を決めていきます。

②場所選定、資金計画の立案

住み慣れた地元または自宅と兼用で開業するか、地元からは離れているが、動物病院の少ない地域といった競争率の低いで所で開業するか等を決めて、資金の調達(ローンを組む場合は返済の目処を立てる)を決めていきます。

③診療圏調査

本当に開業すると決めた場所が適するかどうかを改めて判断していきます。そしてこの調査には、後にトラブルにならないように専門家の方にお願いするパターンが多いと言われいます。

④家畜保健衛生所等への届出

開業する場所や資金が固まったら、各種の届出が必要です。
またこの届け出も、多くの開業医は行政書士等の専門の業者にお願いするそうです。

最後に

獣医師の資格を取るまでは決して楽な道のりではありませんが、その分やりがいや達成感に加えて、求められる仕事も多く、女性の方は結婚や出産をしても職場復帰しやすい資格です。

そして今まで以上に動物を大好きになれる筈ですよ♪

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 ろちゃん

    いのちを扱うと言う仕事の性質上、当然と言えば当然ですが、やはり、獣医になるのはそうとう大変なのですね。まず、感じたのは、勉強できる大学が思ったより少ないこと。資格試験以前に、大学にはいること自体が狭き門ですね。獣医として開業する以外にも、色々な職場があることもよく知りませんでした。多くの困難を経て、獣医になった後も、日々、勉強の毎日。これから獣医を目指す方にも、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
  • 投稿者

    30代 女性 みなみ

    かかりつけ医の先生は少し変わっている人でした(笑)。でも凄く動物を愛しているのが伝わりました!獣医師になるには、凄く大変なのですね〜。ドラムステックさんの記事を読んで、先生はここまで来るのに様々な努力をしたんだろうなーと思いました。大病をした愛犬にベストを尽くしてくれた先生…。抗ガン剤、手術と良いタイミングで治療を進め、悪性の癌でも寝たきりの末期症状が来るその日まで愛犬は元気でした。本当に感謝です。
  • 投稿者

    30代 女性 cosmo

    もちろん獣医師もお医者様なので優秀な方ではないとなれないと思ってはいましたが、今回この記事を読んでみて獣医師の資格を取るための過程を知ってみると改めて大変で長い道のりだなと感じました。大学6年と国家資格取得、その後さらに申請してなどど今優しく我が家の愛犬を診てくださっている先生方はとても努力家で素晴らしい方々なんだと次回病院へ行った際にいつもと違う目で見てしまいそうです。
  • 投稿者

    20代 女性 紗菜

    普段愛犬がお世話になる獣医さんですが、その職業になるには本当に様々なステップを経て皆さん夢を叶えていらっしゃるのですね。命を預かる仕事ゆえに、ただ動物が好きなだけではなれないし、時に厳しい選択もしなくてはならない場面もありますよね。でも獣医師の資格はとても貴重なものだと感じました。
  • 投稿者

    20代 女性 メル

    資格と言っても、色々ありますが獣医師の資格は相当の覚悟と努力が必要だと思います。なろうと思ってもなれるものでは無いです。病院に行く事が多い愛犬を毎回丁寧に診て頂き先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
  • 投稿者

    30代 女性 joe

    獣医学部は少ないため私が若い頃もそこそこ倍率の高い人気学部でしたが、現在はもっと人気があり難しくなっていると聞きました。どうやら昨今の資格至上主義的な考えからでしょうか、理系学部で資格の取れるところが人気のようです。
    獣医学部は6年間ですが、その後の研修含め、やはり経験を積んだ先生に診てもらうのが安心です。若い先生だとちょっと心配になってしまうことがあります。
    うちの犬はこれまで大きな病気や怪我をしたことがないため、有名な動物病院でも、特定の疾患や手術は有名な先生が行うけど他の診療は若い研修医ということが多くあって、なかなかホームドクターを決められずにいます。愛犬が老犬になる前に、信頼できる獣医師を見つけたいと思っています。
  • 投稿者

    20代 女性 まる

    家族に獣医師がいますが大学時代はバイトやサークルもしていましたが基本的にはずっと勉強、勉強で大変そうでしたね。また医者のくくりなので6年生で長い間、大学に通っていました。獣医師になる為に色んな実習があるようで、動物をあえて骨折させなければならなかったり、解剖しなくてはならなかったりと葛藤する場面も多いようです。確かに動物を助ける為に動物を犠牲にしているというのは辛いことだと思います。よく大学の教授からも講義で『動物病院は年々増えていて経営は難しいからやめておけ』なんて言われてきていました。大学も世界では日本は多い様で、海外に行くと獣医師になれる大学へ行く学生はエリート中のエリートという見方をされるそうです!日本はそういう点では海外よりも、なりやすいのかもしれないですね。
  • 投稿者

    女性 MAHE

    私が小さい時、獣医さんという職業は友人の中でもダントツトップで人気がありま
    した。しかし、実際はかなりいばらの道ですよね。お金や相当勉強する気がないと
    獣医さんになるのは難しいと思いました。今でも憧れです!
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