ぽん太と出会うまで
私は子供の頃からとにかく犬が大好きでした。犬の主な飼い方が雑種で外犬だった頃です。それでも私にとって犬はかけがえのない存在でした。
大人になり自分の家庭を持ってから初めて飼った犬も、子犬の頃に捨てられていた雑種の中型犬でした。本当に自分の分身のように溺愛していましたが、その子は、突然の病気で治療の甲斐もなく亡くなってしまいました。
保護施設でボランティア
愛犬を亡くした悲しい気持ちの頃、動物保護団体にボランティアで手伝いに行くようになりました。その施設では、飼い主に飼育放棄された犬や、元野良犬、捨て犬などを保護していて、そのほとんどは雑種の中型犬でした。
前の犬にどことなく似ている犬もいましたが、どうしても前の犬と比べてしまう自分がいました。外見が似ていても、やはりあの子ではないというやるせない気持ち。
次に犬をまた飼いたいという気持ちもありましたが、ふんぎりがつかずにいました。周りからも、同じような中型犬を飼って前の子と比べてしまうのは可哀そうだと言われ、体力的にも衰えを感じていたこともあり、今まで飼ったことのない小型犬を飼ってみようか…と思っていました。
そんな時、施設長さんから、ポメラニアンのを保護をして里親募集をするという話を聞かされたのです。
ブリーダー放棄のポメラニアンとの出会い
小型犬を飼ってみようかと思いだした頃、ペットショップにも足を運びましたが、ショーケースに商品として陳列されている高額な小型犬を見て、自分自身「何か違うな」と違和感を持ったものです。
そんな高額な値段で売買される純血種のポメラニアンが保護犬?と、不思議な気持ちになりましたが、施設長さんのすすめもあり、とりあえずその子に会ってみることにしました。
そのポメラニアンは7ヵ月の男の子で、ブリーダーの元で2匹の女の子と同腹で生まれてきたそうです。成長過程で男の子はパテラという病気と尻尾が少し曲がっていることで、女の子2匹は足をそれぞれ骨折しているということで動物病院に持ち込まれたらしいです。でも病院で、病気や怪我を知ったブリーダーは売り物にならないということで、権利を放棄したとのこと。
その動物病院の医師がその子たちを不憫に思い、手術して動物保護施設に託したという経緯でした。女の子2匹は動物病院のスタッフが引き取ることになり、男の子だけが保護施設にやって来ました。
初めて施設で会った時、そのポメラニアンの男の子はとても細くて、手術後の足を折り曲げ痛々しそうでした。私に抱っこされると、少し怖そうに震えていました。そしてとても臭くて、ペットショップで売っているポメラニアンとは比べ物にならないほど貧弱に見えました。
でも、その子は前飼っていた雑種の子と同じ色合いでした。そのことも私の気持ちを動かしましたが、腕の中で震えている小さなその子がとても愛おしく感じました。その日のうちに、施設長さんにはその子の飼い主になると返事しました。
うちの子になったブリーダー放棄犬のぽん太
何日か後、施設長さんに連れられて我が家にやってきたその子を、ぽん太と名付けました。
最初の頃は散歩の途中で術後の足を引きずることも多く、痛々しくガリガリで弱々しい感じでした。でも、月日が経つうちに足もすっかり良くなり、ボール遊びも大好きになりました。今では細かった体も、まるまるしすぎなほどに。走るのも大好きです。
動物は商品でも、おもちゃでもない
私がボランティアしている施設では、最近では純血種の保護犬も増えてきています。安易に子供にせがまれるままお金を出して手に入れたけど、世話をするのが面倒になった。病気になり、治療費がかかるので手放した。引っ越し先が犬が飼えない場所だからなど、理由は色々。すべて人間の勝手な都合です。商売道具にならないからと、ぽん太のようにブリーダーから飼育放棄される子もいます。
命には最後まで責任を持ってほしいと改めて考えさせられます。その子の一生を預かるという覚悟のない人は、動物を飼う資格はないと思います。動物は商品でも、おもちゃでもありません。大切な命なのです。
そして、ペットショップに行く前に、そんな犬達の里親となることも視野に入れてくれる人が増えてくれたらと願います。一度は人間に裏切られても、ずっとのお家と飼い主さんを待っている犬はたくさんいるのですから。
今のぽん太はとっても元気で、どんな犬ともすぐに友達になる明るい子です。ちょっと曲がった尻尾も可愛いですよ。なにより、ぽん太のおかげでペットロスから立ち直ることができ、今では良い思い出として前の犬の事を思い出せるようになりました。ありがとう、ぽん太。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
・言われるがまま、床までリフォームしたのに断られた人
・県外の保護団体施設まで何度も足を運び、最終段階で無理難題(頑丈な檻が必要)を言われ、諦めた人←お迎えしたかった子は、小型犬
・お迎えした場合、犬が亡くなるまで月1回の報告、終生トライアルだと言われた人
ごく一部ですが、度を越してるとも言えるかと_。
では、そんな人達は、何処からお迎えするのでしょうか。
ペットショップもしくはブリーダーからとなります。