犬の「飼いやすい」の基準って?
犬種の紹介や犬の飼い方など、様々な書籍や記事を読んでいると、「飼いやすい」といった言葉を目にすることがあります。
しかし、具体的にはどのような基準で「飼いやすい」と判断されているのでしょうか。
ここでは「飼いやすい」の基準についてお話しします。
「しつけ」がしやすいか
まず、「飼いやすい」の基準において大きな要素となるうちの1つが「しつけ」です。
人間と犬が共同生活をする上で、ある程度人間の生活環境に慣れてもらうため、しつけをする必要があることは皆さんもご存じでしょう。
しかし、犬種によって、元々持っている遺伝子的習性や傾向の強い性格などが少々異なるため、しつけを受け入れてくれる傾向の強い犬種と、そうではない犬種が存在します。
一方は何度か失敗を叱ったり、あるいは成功を褒めたりしていると、それを素早く学習し、しつけがしやすい傾向が強い…。
しかし、こちらの犬種はなかなかその違いを覚えることができなかったり、頑固な性格ゆえに反抗的な態度をとったりすることが多い傾向があったりします。
後者の場合、もちろん根気強くしつけをしたり、あるいはトレーニングスクールに通わせたりすることで、しつけを完了させることは可能ですが、初心者にとっては難しいと感じることが多いです。そのため、「飼いやすい」基準からは外れることがあるのです。
「気候」が適しているか
意外と「飼いやすい」基準として考えられることが少ない項目に「気候」が関係してきます。
この気候というのは、日本全体、あるいはその地域が比較的暑いか寒いかなどによって、「飼いやすい」基準が変わってきます。
例を挙げるならば、一昔人気の高かったハスキー犬は元々寒い地方原産の犬種です。
そのため、実際は日本の高温多湿の気候があまり合わないと言われています。
もちろん、夏場はしっかり冷房を強めに付け、様々な熱中症対策をすることで飼うことは可能ですが、現実問題として散歩の時間帯や経済的な面を考えると、飼うことが難しい、つまり「飼いやすい」という基準から外れることがほとんどです。
「大きさ」をカバーできるか
さらに日本では、「大きさ」も重要視される傾向があります。
これは「小さいから可愛い!」といった基準ではなく、他の国(欧米など)に比べると家の広さが圧倒的に狭いため、自分の家の大きさに合った大きさを持つ犬種を選ぶべき、という理由からこの基準が重要視されます。
犬は家の中であっても歩き回ったり、おもちゃで遊んだりと、やんちゃな行動をすることが多々あります。
そんなとき、比較的狭い家で大型犬を飼ってしまうと、犬も窮屈な思いをすることで、ストレスが溜まる可能性がありますし、そのストレスから破壊行為などの問題行動が見られる恐れもあります。
したがって、日本ではマンションや他の国に比べて狭い面積の一軒家であっても飼いやすい、小型犬に分類される、小さめの犬や中型犬に分類される犬種が人気なのです。
もちろん、大型犬を飼うことは不可能ではありません。
日本国内であっても大型犬は人気ですし、飼っているご家庭も数多く存在します。
しかし、それにはしっかりとしつけをし、散歩も多めに行き、一緒に遊ぶ時間を多く作り、ストレス発散をさせてあげる必要があるでしょう。
どんな犬種でもしっかり育てれば最高のパートナーに!
今回、一般的に「飼いやすい」の基準要素として、「しつけ」「気候(環境)」「大きさ」が挙げられるという話をしましたが、これはあくまで一般的な基準です。
ご家族の構成や家の大きさ、住んでいる場所や犬を迎えた経験の有無などによって、飼いやすさや相性の良さは異なります。
また、ここでは犬種によって傾向が異なるという話をして参りましたが、これも皆さんがご存じのとおり一概には言えません。
同じ犬種だからといって、すべての犬のしつけのしやすさ、性格が同じということはまずありません。
犬も人間と同じように、同じ犬種内であっても様々な性格が存在します。
明るい性格、臆病な性格、頑固な性格、甘えんぼうな性格…個性豊かな私たちのパートナーです。今回ご紹介した「飼いやすい」の基準については、あくまで基準として受け入れてください。
犬を迎える際に最も大切なことは、自分たち家族の仲間入りをするに当たって、その「犬」自身と相性が良いか、そして最期のときまで私たちが愛犬となるその子を幸せにすることができるかどうかという点です。
一般的に「飼いやすい」と言われている犬種であっても「飼いにくい」と言われている犬種であっても、飼い主さんが愛情を込めてしつけやお世話、スキンシップなど接することで、最高のパートナーになり得ます。
反対もまた然りです。犬を迎える際には、この点を忘れないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「飼いやすい」の基準は様々ですが、1番大切なことはどんな犬であっても家族として迎えた以上は責任を持って、愛情を注いであげるということです。
ぜひ自分の最高のパートナーになり得る犬を大切にしてあげてくださいね!