世界でたった1匹!「考古学犬」
犬の嗅覚がとても優れていることは、みなさん重々承知のことと思います。その優れた嗅覚を考古学に生かそうと、オーストラリアのドッグトレーニング協会に所属するゲイリー・ジャクソン氏は、数百年前の人骨を嗅ぎ分け見つけることができる「考古学犬」を育成しました。
名前は、ラブラドール・レトリバーのミガルー。世界でたった1匹の考古学犬です。
ゲイリー・ジャクソン氏の願いは、「考古学犬が増えること」。数百年前の人骨を見つけることによって、考古学における新たな発見や研究をすることができたり、戦争の犠牲者を遺族が埋葬することができたり、迷宮入りの事件を解決することができるかもしれません。
意外な組み合わせ!?「チーターの親友」
アメリカのメトロリッチモンド動物園で生まれた3匹のチーター。しかしお母さんの母乳の出が悪く、3匹全員を育てられないことが判明したため、3匹のうちとくに体が小さかった1匹クンバリを人工飼育に切り替えることにしました。
しかし、人工飼育であるためクンバリはいつも一人ぼっちであること、いつか野生に戻るためには野生の友達が必要であること、社会性や落ち着きを身に着けてほしいこと…そう考えた飼育職員は、ラブラドールのミックス犬のケーゴを迎い入れました。ケーゴは動物保護施設にいた子犬で、とても優しい性格の持ち主でした。
2匹の初対面の日、クンバリはケーゴに対して猫パンチを数発浴びせたそうです(笑)
しかし2匹はあっという間に打ち解け、一緒に遊ぶようになりました。
生後3週齢のクンバリと生後10週齢のケーゴ、この年齢の近さも仲良くなる要因として考えられます。
この事例のように、ワンちゃんは人間だけでなく、種族を超えた動物へのセラピー犬としても活躍しているのです。
実は、チーターと犬を共生させる取り組みを行っている動物園は、少なくないそうです。チーターはもともと興奮しやすい性格なので、優しく落ち着いた性格の犬は波長が合うのでしょう。
とくにチーターの友達として選ばれるのは、優しく落ち着いた性格のゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーが多いといわれています。
犯罪者の心に寄りそう「プリズンドッグ」
アメリカの刑務所で導入されている「プリズンドッグ・プログラム」をご存じですか?受刑者が犬と触れ合い、お世話をすることで、社会復帰を目指す更生プログラムです。
プリズンドッグとして刑務所に来るワンちゃんは、実は飼育放棄や虐待を受け保護されたワンちゃんです。そのため人間に対して心を閉ざしているワンちゃんが多く、受刑者は犬ときちんと向き合ってお世話をしなければなりません。受刑者はプリズンドッグ・プログラムを通して、他者への思いやりや命の尊さ、達成感などを学びます。
アメリカでは150以上の刑務所で行われており、プリズンドッグ・プログラムを受けた受刑者の再犯率が激減したそうです。ある青少年刑務所では、再犯率ゼロという功績を残しています。
日本では、2か所の刑務所が似たようなプログラムを行っているそうです。
まとめ
人の生活に決して欠かすことのできない職業犬。人間以外にも、種族を超えた動物たちにまでセラピーを行っていることに驚きました。どれだけ人間や動物に尽くしてくれるのか、感服してしまいます。ワンちゃんたちのはるかに優れた能力で、今後さらにさまざまな職業犬の登場が楽しみです。