①動物愛護センター
各都道府県に設けられた動物愛護センターは、動物保護や動物愛護を中心としたさまざまな活動を行っている公的施設。犬の保護というと「保健所」と思う人もいると思いますし、さらにそのイメージは暗いものである場合が多いと思います。しかし動物愛護センターは動物取扱業に関する事業や保護動物の収容だけでなく、動物愛護に関する普及事業にも力を入れており、そのイメージを払拭してより市民に身近な施設であるために努力をしています。その努力は犬や猫の殺処分数を減らすため、飼育放棄され保護される動物を減らすためのものに行われているもので実際この10年で3分の1に減少していると言われています。
動物愛護センターでは保護されている譲渡対象の動物の里親を探すためや、子供への情操教育のため週末などにさまざまなイベントを行っていることもあります。その中心として犬猫や小動物とのふれあいイベントや譲渡会があり、一般の人も気軽に遊びに行くことができる機会が増えています。もちろん簡単に譲渡してもらえるわけではなく、色々な条件が求められしつけ教室などへの参加が義務付けられていることもありますが、きちんとした知識を持って適切な飼育を行うためには必要なことだと思います。また、施設自体の印象も一昔前とは大きく変わり、明るくウェルカムな雰囲気をアピールしている施設も数多くあります。興味のある方は一度自治体のホームページなどでチェックしてみてはいかがでしょうか?
②里親譲渡会
動物愛護センターでは保護されている犬猫の譲渡を行っていますが、施設自体への印象などからなかなか足を運んでもらえないということもありその数はまだまだ多くはありません。そこで保護犬の譲渡数を増やし殺処分数を減らすため、地域で動物愛護活動しているNPO法人やボランティアと連携を取り譲渡活動を依頼していることも少なくありません。
そういった団体による譲渡会は全国各地で行われており、公園や河川敷、駅前広場やフリーマーケットなどさまざまな場所で見られます。そういった譲渡会は多くの人目に触れることを目的としているのでオープンな場所で行われていることが多く、気軽に立ち寄り見学することができます。保護犬に興味はあるけれど動物愛護センターに行くのは少し勇気がいる…という方にはボランティア団体などによる譲渡会がおすすめです。
③保護犬カフェ
最近その数を増やしつつあり注目を集めているのが「保護犬カフェ」です。保護犬カフェとはその名の通り譲渡を待つ保護犬や常駐しているカフェで誰でも入ることができます。カフェでありながらそこにいる犬たちと触れ合うことができ、気に入った犬がいれば引き取ることもできます。もちろん引き取りが絶対条件ということではなく、気軽に犬たちと遊ぶことができる楽しい場所。また、犬同伴で入ることができる保護犬カフェなどもあるので一般的なカフェでは粗相やいたずらが心配でハードルが高いという飼い主や保護犬の引き取りを検討しているが先住犬との相性が心配という人からも支持されています。
まとめ
ここでは新しい家族に迎える犬と出会える場所を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ペットショップやブリーダーから犬を購入することも決して悪いことではありませんが、犬の飼育に興味がある方はぜひ一度保護犬についても考えてみてほしいと思います。もちろん保護犬を飼うことは簡単じゃない、勇気がいるという人も多いと思いますが、譲渡会や保護犬カフェなどで実際の保護犬を目の当たりにすることで意識や思いが変わることもあるかもしれません。
筆者自身、ドッグトレーナーでありボランティアとしても多くの保護犬に関わってきました。そして私のパートナーも保護犬です。新たな犬との出会いの場所として、こういった保護犬に出会える施設に足を運ぶことが普通のことになってくれたらとてもうれしいです。新しい命の数を増やすのではなく、今そこにある命を大切にする。保護犬との出会いはそういったことにつながるのではないかと思っています。