トイプードルのシャンプーの頻度
月に1〜2回が基本
トイプードルのシャンプーは、月に1回から2回が適切な頻度です。トイプードルの皮膚は人間よりも薄くデリケートなため、洗いすぎはかえって皮膚のバリア機能を低下させてしまう可能性があります。
皮膚の健康を保つ皮脂まで落としすぎてしまい、乾燥やフケ、かゆみの原因になることもあります。
一方で、特徴的なカールした被毛は汚れやホコリが絡みやすく、放置すると皮膚トラブルや毛玉の原因になります。そのため、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)の周期である約3週間に合わせ、月1〜2回のシャンプーで清潔な状態を保ってあげることが、美しい被毛と健康な皮膚を維持する秘訣です。
子犬のシャンプーはいつから?
子犬のシャンプーを開始する時期は、ワクチンプログラムが終了してから2週間後が目安です。一般的には生後3ヶ月を過ぎた頃になります。
子犬はまだ体力や免疫力が十分ではありません。ワクチン接種直後は体調が不安定になりやすいため、シャンプーのような体力を消耗する行為は避けるべきです。
シャンプーデビューは、必ず獣医師に相談し、健康状態が万全であることを確認してから行いましょう。それまでは、汚れた部分を蒸しタオルで拭くなどのケアで対応するのが安全です。
トイプードルのシャンプーの正しいやり方
ステップ1:シャンプー前の準備とブラッシング
【必要な道具】
- スリッカーブラシ
- コーム
まず、毛玉やもつれをほぐすための「スリッカーブラシ」と、毛並みを最終的に整える「コーム」を用意します。スリッカーブラシとは、くの字に曲がった細いピンがたくさん付いたブラシのことで、被毛の根元からしっかりとかすのに適しています。
シャンプーを始める前に、必ず全身を丁寧にブラッシングしてください。トイプードルの被毛は、濡れると毛玉がより固く締まってしまいます。
事前にブラッシングで毛のもつれやホコリを取り除いておくことで、シャンプーの泡立ちが良くなり、汚れ落ちの効果も高まります。このひと手間が、仕上がりの美しさを大きく左右します。
ステップ2:ぬるま湯で全身を濡らす
シャワーの温度は、人肌より少しぬるいと感じる35℃〜38℃に設定します。熱すぎるお湯は皮膚への刺激が強く、乾燥の原因になるため避けましょう。シャワーヘッドを皮膚に密着させるようにして使うと、水音が小さくなり犬が怖がりにくくなります。
全身を濡らす際は、犬が不安を感じにくいよう、お尻や足から始めて背中、そして最後に顔周りという順番で進めるのがおすすめです。心臓から遠い部分から徐々に慣らしていくことで、シャンプーへの抵抗感を和らげることができます。
ステップ3:シャンプーで優しく洗う
【必要な道具】
- 犬用シャンプー
- スポンジ、泡立てネット
犬用のシャンプーと、シャンプーを泡立てるためのスポンジや泡立てネットを用意すると便利です。シャンプーの原液を直接被毛につけると、すすぎ残しの原因になったり、皮膚への刺激が強すぎたりすることがあります。
シャンプーは事前にしっかりと泡立て、その泡で体全体を包み込むように洗います。ゴシゴシと強く擦るのではなく、指の腹を使って皮膚を優しくマッサージするように洗いましょう。特に汚れやすい足先、お尻周り、口周りは丁寧に洗います。
ステップ4:リンス・コンディショナーで仕上げる
【必要な道具】
- リンス
- コンディショナー
犬用のリンスやコンディショナーを用意します。トイプードルのような長毛種には、被毛を保護し、ふんわりと仕上げるために使用することをおすすめします。
リンスやコンディショナーには、被毛のキューティクルを整え、乾燥やダメージから守る効果があります。また、静電気の発生を抑え、ブラッシングしやすくすることで毛玉の予防にも繋がります。
ステップ5:しっかりすすぐ
シャンプー剤やリンス剤のすすぎ残しは、皮膚炎やかゆみといった皮膚トラブルの最も大きな原因の一つです。シャワーを使い、毛の流れに逆らうようにしながら根元からしっかりとすすぎましょう。特に、泡が残りやすい脇の下、内股、指の間は意識して丁寧に洗い流してください。
ステップ6:タオルドライで水分を取る
【必要な道具】
- タオル(マイクロファイバータオル等)
吸水性の高いペット用のタオルを数枚用意しておくと効率的です。人間用のタオルでも代用できますが、ペット用のマイクロファイバータオルは素早く水分を吸収するため、ドライヤーの時間を短縮できます。
被毛をゴシゴシと擦ると、摩擦で毛が傷んだり、毛玉の原因になったりします。優しく体を包み込み、ポンポンと押さえるようにして水分をタオルに移し取るのがポイントです。
ステップ7:ドライヤーで完全に乾かす
【必要な道具】
- ドライヤー
- スリッカーブラシ(スタンド式がおすすめ)
家庭用のドライヤーと、ブラッシングに使うスリッカーブラシを用意します。両手が自由に使えるスタンド式のドライヤーがあると、作業が格段に楽になります。
生乾きは雑菌が繁殖する原因となり、皮膚トラブルや臭いのもとになります。ドライヤーの温風を当てながら、スリッカーブラシで被毛を根元から優しくとかし、毛を立ち上げるようにして乾かしていきましょう。
同じ場所に熱風が当たり続けないよう、ドライヤーを常に動かし、愛犬が火傷しないように30cm以上離して使用してください。
トイプードルのシャンプーを自宅でする際の注意点
顔周りは慎重に
シャンプーをする上で最も注意したいのが顔周りです。目や耳、鼻にお湯やシャンプー剤が入ると、犬は強い不快感を覚え、シャンプー嫌いの原因になります。
顔を洗う際は、スポンジにお湯や薄めたシャンプーを含ませて優しく拭うようにすると安全です。
シャンプー前後に体調をチェックする
シャンプーは犬にとって体力を使う行為です。シャンプー前には、食欲や元気があるかなど、必ず愛犬の体調を確認しましょう。少しでも普段と違う様子が見られる場合は、シャンプーを中止し、様子を見てください。
また、シャンプー後も疲れていないか、体調に変化がないかしっかり観察することが大切です。
シャンプーを無理強いはしない
特にシャンプーに慣れていない子犬や、シャンプーが苦手な犬に対して無理強いは禁物です。一度「シャンプーは嫌なこと」と覚えてしまうと、その後のケアが非常に困難になります。
おやつで誘導したり、こまめに褒めたりしながら、できるだけ楽しい時間になるよう工夫しましょう。最初は短時間で終わらせ、徐々に慣らしていくことが成功の鍵です。
人間用のシャンプーは使わない
絶対に人間用のシャンプーを使用しないでください。人間の皮膚が弱酸性であるのに対し、犬の皮膚は弱アルカリ性です。人間用の製品では洗浄力が強すぎ、犬の皮膚のバリア機能を壊してしまいます。
皮膚トラブルを避けるためにも、必ず「犬用」と記載されたシャンプーを使用しましょう。
トイプードルのシャンプーおすすめ商品
AFLOAT DOG VET モイスチャライズ
皮膚科学の専門医とトップトリマーが共同開発した、非常に保湿力が高いシャンプーです。皮膚の乾燥やフケが気になるトイプードルに適しており、デリケートな皮膚を優しく洗い上げます。泡立ちが良く、洗い上がりの被毛はしっとりと潤います。
ZOIC ファーメイクEX シャンプーS
多くのトリミングサロンでプロユースとして使用されている、信頼性の高いシャンプーです。特別なPPT成分が被毛のダメージを補修し、滑らかで美しいスタイルを持続させます。ふんわりと軽い、エアリーな仕上がりを求める方におすすめです。
APDC ティーツリーシャンプー
天然のティーツリーオイルを主成分とした、ナチュラルなシャンプーです。ティーツリーには抗菌・消炎作用があることで知られており、皮膚を清潔に保つ効果が期待できます。
さっぱりとした洗い上がりと、爽やかな香りが特徴で、アウトドア好きな活発なトイプードルにもぴったりです。
まとめ
トイプードルのシャンプーは、月に1〜2回の頻度で、正しい手順と注意点を守って行うことが大切です。自宅でのシャンプーは、愛犬の皮膚や被毛の健康を維持するだけでなく、飼い主と愛犬との大切なコミュニケーションの時間にもなります。
今回ご紹介したやり方を参考に、愛犬がリラックスできる楽しいシャンプータイムを目指しましょう。
もし皮膚に異常が見られたり、どうしてもシャンプーを嫌がったりする場合は、無理をせず動物病院やトリミングサロンの専門家に相談してください。