マルチーズの抜け毛は少ないってホント?シングルコートの特徴や、正しいお手入れ方法を解説

マルチーズの抜け毛は少ないってホント?シングルコートの特徴や、正しいお手入れ方法を解説

マルチーズを飼ってみたいけど、抜け毛がすくないって本当?そんな疑問をもった方のために、マルチーズの毛質(シングルコート)の特性から、実際の抜け毛事情や美しい被毛を保つためのお手入れ方法まで詳しく解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

マルチーズの被毛のタイプ(毛質)について

ロングヘア―スタイルのマルチーズ

マルチーズの魅力の一つといえば、その絹のように白く輝く美しい被毛です。この被毛のタイプを理解することは、マルチーズとの快適な生活を送る上でとても重要になります。実は、マルチーズの被毛は「シングルコート」と呼ばれるタイプに分類されます。

犬の被毛には、大きく分けて「シングルコート」と「ダブルコート」の2種類が存在します。

「ダブルコート」は、皮膚を保護する硬めの上毛(オーバーコート)と、体温調節の役割を担う柔らかい下毛(アンダーコート)の二層構造になっています。

代表的な犬種としては、柴犬やゴールデン・レトリバー、ポメラニアンなどが挙げられます。これらの犬種は季節の変わり目にアンダーコートが生え変わる「換毛期」があり、多くの抜け毛が見られます。

一方、マルチーズが属する「シングルコート」の犬種は、アンダーコートがなく、オーバーコートのみで構成されています。

これは、マルチーズの祖先が地中海沿岸の温暖な地域で暮らしていたことと関連があると言われています。厳しい寒さから身を守るためのアンダーコートが必要なかったため、このような被毛になったと考えられています。

シングルコートの犬種には、マルチーズの他にプードルやヨークシャー・テリアなどがいます。これらの犬種は、ダブルコートの犬種に見られるような明確な換毛期がありません。

実際にマルチーズは抜け毛が少ない?

ブラシを手に抱えるマルチーズ

「マルチーズは抜け毛が少ない犬種」と耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、実際にマルチーズは他の多くの犬種と比較して抜け毛が少ないと言えます。

その主な理由は、前述した通りマルチーズがシングルコートの犬種であるためです。ダブルコートの犬種のように、季節の変わり目に大量のアンダーコートが抜け落ちる「換毛期」がありません。マルチーズの毛は、成長期が長く抜け落ちる周期がゆっくりなため抜け毛が少ない傾向があります。そのため、自然に抜け落ちる毛の量が比較的少ないのです。

ただし、「抜け毛が全くない」というわけではありません。生きている以上、毛は一定のサイクルで生え変わり、古くなった毛は自然に抜け落ちます。そのため、日常生活の中で多少の抜け毛が見られることは理解しておく必要があります。しかし、その量はダブルコートの犬種と比較すると格段に少なく、日頃のお手入れで十分にコントロールできる範囲と言えるでしょう。

マルチーズの抜け毛対策

ブラッシング中のマルチーズ

マルチーズは抜け毛が少ない犬種ではありますが、美しい被毛を維持し、快適な室内環境を保つためには、いくつかの対策を講じることが大切です。日常的なお手入れが、結果的に抜け毛の悩みも軽減してくれます。

こまめなブラッシングで抜け毛を除去

マルチーズの抜け毛対策として最も効果的なのは、こまめなブラッシングです。シングルコートのマルチーズの毛は細く絡まりやすいため、ブラッシングを怠ると毛玉ができやすくなります。毛玉は皮膚の通気性を悪くし、皮膚炎などのトラブルの原因になることも。ブラッシングは、抜けそうな毛や既に抜け落ちた毛を取り除くだけでなく、毛のもつれを防ぎ、皮膚の血行を促進する効果も期待できます。

適切なシャンプーで皮膚環境を整える

定期的なシャンプーも、抜け毛対策の一つとして重要です。月に1〜2回を目安に皮膚状態に合わせて調整しましょう。

皮膚を清潔に保ち、健康な状態を維持することが、健康な毛の育成につながります。ただし、シャンプーのしすぎは皮膚の乾燥を招き、かえってフケや抜け毛を増やす原因になることもあるため注意が必要です。

マルチーズの皮膚はデリケートなので、犬用の低刺激シャンプーを選び、適切な頻度で行いましょう。

定期的なトリミングで清潔感を保つ

マルチーズの毛は伸び続けるため、定期的なトリミング(カット)も欠かせません。月1回程度を目安にトリミングするようにしましょう。

トリミングは見た目を美しくするだけでなく、長すぎる毛が絡まるのを防いだり、目や口周りを清潔に保ったりする役割があります。トリミングサロンでプロにお願いすることで、毛量調整や毛質の管理もしやすくなり、結果として抜け毛の飛散を抑えることにも繋がります。

自宅でのマルチーズの被毛のお手入れ

トリミングサロンでカット中のマルチーズ

マルチーズの美しい被毛と健康を維持するためには、ご自宅でのこまめなお手入れが基本となります。

ここでは、ご自宅でできる基本的なケアと、専門的なケアが受けられるトリミングサロンの役割について解説します。

「ブラッシング」は基本毎日

まず最も重要なケアが「毎日のブラッシング」です。マルチーズの毛は細く柔らかいため、非常に絡まりやすく、毛玉ができやすい性質があります。

スリッカーブラシやコームを使って、全身の毛を優しく丁寧にとかし、毛玉の発生を防ぎましょう。

ブラッシングは皮膚の血行を促進し、抜け毛を取り除く効果もあるため、皮膚を健康に保つためにも欠かせません。

また、愛犬との大切なコミュニケーションの時間にもなります。

「シャンプー」は定期的に行う

月に1~2回程度の「定期的なシャンプー」も大切です。

皮膚や被毛の汚れを落とし、清潔な状態を保つことで、皮膚トラブルの予防に繋がります。

マルチーズの皮膚はデリケートなので、犬用の低刺激シャンプーを選び、優しく洗い上げ、しっかりと乾かすことがポイントです。

シャンプー前には必ずブラッシングで毛のもつれを解消しておきましょう。

「その他のケア」も忘れずに

マルチーズは涙やけをしやすいため、目元のケアもこまめにおこなう事が重要です。

そのほかにも、汚れがたまりやすい垂れ耳の掃除、爪切り、歯磨きなども日々の健康管理として習慣にしましょう。

これらのお手入れを定期的に行うことで、些細な愛犬の体の変化にも気づくことができるようになるでしょう。

まとめ

キレイに被毛を整えられたマルチーズ

今回は、マルチーズの被毛のタイプと、抜け毛が少ない理由、そして美しい被毛を保つためのお手入れ方法について解説しました。

マルチーズはアンダーコートのないシングルコートの犬種であるため、抜け毛が比較的少なく、室内でも飼いやすい犬種と言えます。しかし、その美しい純白の被毛を維持するためには、毎日のブラッシングや定期的なシャンプー、そしてトリミングといった適切なお手入れが不可欠です。

愛情を込めて丁寧にお手入れをすることで、マルチーズの被毛はさらに輝きを増し、愛犬との絆も深まることでしょう。この記事が、あなたの愛するマルチーズとの健やかで楽しい毎日のお役に立てれば幸いです。

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