ペキニーズが臭い原因
ペキニーズは毛が長く、顔がくしゃっとしていることが特徴です。ですが、その特徴が体からニオイを発生させる原因になってしまっています。そこで、体の部位ごとに臭いと感じる原因やニオイによる病気の可能性についてお伝えしていきます。
顔のしわからニオイがする場合
ペキニーズは顔や体にしわが多いことが特徴です。しわが多いことは、しわの部分に汚れが溜まりやすく、ニオイ発生の原因のひとつになります。また、顔周りは毛で覆われており、毛にも汚れによりニオイが発生するため毛が長いことも顔が臭い原因です。
毛の長さとしわの多さで日々溜まった汚れのニオイが顔に籠ってしまい、顔が臭いと感じるようになります。また、汚れが溜まりすぎると皮膚病になる可能性もあります。
【皮膚炎】
皮膚の汚れにより、ダニや菌が発生し、皮膚に炎症を起こします。症状は皮膚に湿疹ができたり赤くなり、痒がったり、毛が抜けたりします。特にカビの一種(真菌)のマラセチアが増殖するとマラセチア皮膚炎を発症し、脂漏臭と言われている独特のニオイが発生します。
鼻や口周りが臭い場合
ペキニーズは他の犬と比べてマズルが短いため、ご飯を食べる時に鼻や口周りを汚しやすいです。そのため、ご飯の汚れが原因で鼻が臭いを感じることがあります。
また、夏などの暑い時期は鼻の通りが悪くなり、鼻水などからニオイを発することもあります。グーグーと鼻を鳴らしていたら、下記のような病気の可能性もあるため注意が必要です。
【短頭種気道症候群】
短頭種とはペキニーズのように鼻が短い犬種のことです。短頭種気道症候群は、マズルが短く鼻の穴が狭い犬種が暑い時期や湿気が多い時期などに起こす、呼吸器の症状や呼吸困難などを総称しています。
寝ている時にいびきをかいていたり、ガーガーと苦しそうに息をするなどの症状があります。呼吸困難を起こすことがあり、中には失神してしまうこともあります。
耳から蒸れたようなニオイがする場合
ペキニーズは耳の毛が長く垂れ耳です。長い毛の耳がぺタッと耳の穴に覆いかぶさると、風通しが悪くなり湿気がこもり汚れが溜まりやすくなります。毛に耳垢が絡まるなど、溜まった耳垢がニオイの原因になります。 また、下記のような病気により耳が臭い場合もあるため注意してください。
【外耳炎】
アレルギーや皮膚炎が原因の場合が多いです。症状は耳垢が多くなり耳が臭くなる、耳を痒がるなどです。
【中耳炎】
外耳炎が進行して中耳炎になることが多いです。症状は外耳炎と同じことが多く、耳を痒がったり、痒いことから頭を良く振ったりします。悪化すると痒みなどだけでは済まず、炎症が酷くなり、顔面麻痺などになる可能性もあります。
【内耳炎】
内耳は耳の一番奥のことで、外耳炎や中耳炎がもっと進行したものです。症状は、平衡感覚がおかしくなり、歩くき方がおかしくなったり、グルグルと回る行動や、吐き気、さらにひどくなると神経症状が出てくることがあります。
口臭が酷い場合
口の中が乾燥して口臭が酷くなる場合があります。基本的には犬の口の中は水分があるため、あまりニオイは気になりませんが、水分が不足していると唾液が濃縮され臭くなります。ペキニーズは短頭種で気道が狭いため、呼吸が浅く暑さで熱中症などになりやすく、水分不足になることも多いです。
また、犬も歯磨きをしないと歯周病になります。あまりに愛犬の口が臭い場合は、下記の病気の可能性があるため注意しましょう。
【歯周病】
口の中の病気で一番多いのは歯周病です。歯周病はエサの食べかすが歯垢となり、歯垢の細菌が原因で歯茎などに炎症を起こします。症状は、歯茎が腫れたり痛みを伴うため、食べ物を食べづらくなり、食欲が低下したりします。
【腎臓病などの内臓疾患】
尿のようなアンモニアの口臭が酷い場合は腎臓病などの内臓の病気が考えられます。腎臓などに異常がある場合に口までニオイが上がってきます。症状は水を飲む量が増えたり、体重が減ったりするため、悪化すると命に関わることもあります。
【腸閉塞】
便のような口臭がする場合、食べ物を消化する腸の動きに異常があり、腸閉塞の可能性があります。症状は嘔吐や腹痛、食欲がなくなったりします。酷い場合は、激しいお腹の痛みを伴うこともあります。
ペキニーズのニオイ対策
- 毎日欠かさずブラッシングをする
- 体をこまめに拭く
- 月1~2回の頻度でシャンプーをする
- 毎日歯磨きをする
- 月1~2回、耳掃除をする
毎日欠かさずブラッシングをする
毎日のブラッシングはとても重要です。もちろんニオイ対策にもなりますが、ブラッシングをすることで毛が絡まることやノミやダニを除去することもできます。ペキニーズは毛が長いため、ブラッシングを怠ると毛がすぐ絡まる可能性もあります。
絡まった毛にさらにそこにゴミや虫などが入ると、ニオイの原因にもなります。ブラッシングは皮膚のマッサージにもなり、愛犬の皮膚の痒みなどを予防することもできますので、毎日欠かさず優しくブラッシングをしてあげましょう。
体をこまめに拭く
ペキニーズは皮膚にしわが多く、しわの間に汚れが溜まりやすく体臭が発生しやすいです。ブラッシングでは汚れは取れないため、ぺット用のウェットシートなどで細かい部分の汚れをこまめに拭いてあげましょう。
また、ペキニーズは毛が長く全体的に蒸れやすいので、夏場などは汗もかくため、体を拭いて気持ちよく過ごさせてあげましょう。
月1~2回の頻度でシャンプーをする
最低でも月に1~2回の頻度でシャンプーをしてあげましょう。ブラッシングやウェットシートなどでは全体的な汚れを取ることは難しいので、ブラッシングなどで取り切れなかった毛や、お散歩などで汚れた部分をシャンプーで洗い流してあげましょう。
犬臭いのが嫌だからゴシゴシと力強くシャンプーしたり、毎日シャンプーすることは良くないです。犬も自分のニオイというものがありますし、皮脂などはある程度体に残っているほうが良いため、シャンプーは適度にしましょう。
毎日歯磨きをする
犬も人間のように歯磨きをしないと歯周病になります。臭くなってから歯磨きを身につけることは難しいです。歯磨きは小さいころから徐々に身につけていきましょう。
いきなり歯ブラシで磨くのはではなく、コミュニケーションを取りながら、口周りを触ることから徐々に身につけましょう。歯の健康を保ちつつ、口臭も予防しましょう。
月1~2回、耳掃除をする
ペキニーズの耳の中は蒸しやすく汚れがたまりますので、清潔に保つために月に1~2回を目安に耳掃除をしましょう。
耳掃除はぺット用のウェットシートやコットンなど、柔らかい素材のもので拭いてあげましょう。硬いもので掃除したり強く拭いたりすると、外耳炎になる場合がありますので気を付けましょう。
耳掃除に慣れているようであれば、イヤークリーナーなどを使ってあげてもいいかもしれません。耳掃除は優しく耳を傷つけないように拭いてあげましょう。安心させるために、撫でながらやってあげることもおすすめです。
まとめ
ペキニーズは特徴である毛の長さや皮膚のしわの多いことがニオイの原因となりますが、ニオイによっては病気の可能性もあります。体が汚れていて臭い場合は、飼い主さんのブラッシングなどの日々のケアが大事になってきます。
病気が原因で臭い場合もあるため、少しでも早く異変に気づくためにも愛犬としっかりコミュニケーションを取ることを意識しましょう。毎日体を触ってあげたり、ニオイチェックをするなどでコミュニケーションを深めましょう。
ペキニーズは顔のしわや垂れた耳がとってもかわいいです。そんな可愛い部分をケアしながらニオイ対策をして、快適な毎日を送っていきましょうね。