犬の体につくダニやノミはシャンプーで取れる?
ダニやノミのこと、詳しくご存じですか?ダニやノミは犬や人の血液を吸う虫です。刺されると強いかゆみや様々な症状が引き起こされます。重篤な場合、命にかかわる危険があります。そんなダニやノミをお家でのシャンプーで駆除することができるのか、それぞれの特徴を解説します。
ノミとは
特性
犬に寄生するノミのほとんどが「ネコノミ」で、体長1~3mmの非常に小さい黒褐色の虫です。肉眼で見ると、黒いコショウのような点々が毛や皮膚にくっついています。
跳躍力が高く、10~20センチ飛び跳ねることが可能なため、容易に犬に寄生することができます。犬に寄生すると、ものすごいスピードで繁殖し、1日に20~30個ほどの卵を産みます。この「強い繁殖力」で、寄生した犬の体で増え続けます。
症状
噛まれると、皮膚に「強烈なかゆみ」が現れます。そのかゆみから、犬は体を噛んだり掻きつづけたりし、そこが傷になり膿んできてしまうこともあります。また、大量に寄生され、血液を吸われることで、まれに「貧血」を起こすこともあります。
ノミの中に他の寄生虫がいることもあり、犬が体をなめノミを取り込んでしまうと、サナダムシや瓜実条虫など「内部寄生虫」に感染することもあります。
ダニとは
特性
ここでいうダニとは「マダニ」のことです。マダニとは、体長2~3mmほどの虫ですが、吸血することで100~200倍まで体重が増加します。粘膜付近に寄生することが多く、丸い胴をもつ小さいクモのような虫が肉眼で確認できます。
のこぎりのようなとげとげとした口で、ガッチリと犬の皮膚に刺咬し、1週間ほど吸血することもあります。
症状
ノミ同様、刺咬部位からの強いかゆみや貧血の恐れがあります。その他に、マダニの唾液の毒物による神経障害やアレルギー反応が起こることもあります。マダニは様々な病原菌を媒介しているので、恐ろしい病気に感染する可能性があり、なかには人にもうつる「人獣共通感染症」もあります。
- 食欲不振
- 元気消失
- 発熱
- 体の痛み
マダニに噛まれてから、これらの症状がみられる場合は、早急に病院を受診しましょう。
ノミ・ダニにシャンプーは効果的なのか?
正直に言うと、シャンプーの力でダニやノミを完全に駆除することはできません。確実に効果があるのは、動物病院で売られている「動物用医薬品」の駆虫薬のみです。しかし、「ノミの駆除の一環としては効果的」です。
ノミの駆除の際は、とにかく早く一匹でも多く体から取り除くことが必要です。「ノミへの殺虫成分」が入っているシャンプーや、「炎症した皮膚に優しい洗浄成分」が入っていたり、「しっかりと体の汚れが落とせる」ようなシャンプーがおすすめです。
また、日々のシャンプーは犬の体に多く触れ「マダニの付着がないかの確認」にもなりますので、そういった意味では、マダニ対策の一環にもなります。
犬についたダニやノミを駆除する方法
- 動物病院で処方された駆虫薬を使う
- マダニは病院で取ってもらう
- お風呂でシャンプーする
動物病院で処方された駆虫薬を使う
病院で「動物用医薬品」を処方してもらうのが、一番確実で安全な方法です。今付いているダニやノミ、その卵やサナギにまで効果があります。約1ヶ月間効果が続き、体に付くダニやノミを駆虫し続けてくれます。
- 錠剤タイプ
- おやつタイプ
- スポットタイプ
このようにいくつかお薬に種類があり、犬の性格や価格によって選べるので、とても使いやすいです。ノミダニ薬は基本「1年を通して継続的に使用する」ものなので、みなさまの愛犬が好きなタイプのお薬を選ぶことをおすすめします。
お薬が苦手な犬には、駆虫効果が3か月続くお薬なども出てきているので、ぜひ病院の先生に相談してみてください。
マダニは病院で取ってもらう
マダニは唾液の毒で神経障害がでたり、恐ろしい感染症をもっている可能性があるので、発見したらいち早く病院で取る処置が必要です。
お家で無理にマダニを取ろうとし、口部分が体内に残ってしまったり、ダニを潰してしまい病原菌を散らしてしまうと非常に危険です。無理はせず、病院で処置をしてもらうのが賢明です。
お風呂でシャンプーする
ノミは、水に濡れると気絶し動かなくなります。その性質を利用し、シャンプー中に「体のノミを取り除く」のです。また、シャンプーに殺虫成分が入っているものだと、虫が体から離れやすくなり効果的です。
シャンプーする際は、シャワーだけでなく、ペット用バスタブなどを用い、体全体をしっかり水につけるようにしましょう。表面に水をかける程度では、被毛の奥にノミが逃げてしまいます。また、体中くまなく触り、マダニの付着など他に異常がないかも確認しましょう。
犬にノミ・ダニ取りシャンプーを使う時の注意点
- 犬の皮膚に優しい成分を選ぶ
- シャンプーだけで安心しない
- ノミやダニは潰さない
犬の皮膚に優しい成分を選ぶ
ノミやダニへの殺虫成分は、犬や猫に対しても有害になってしまうものもあります。犬にはOKだけど猫にはダメ、そのまた逆の成分もあったりします。また、ノミやダニが寄生している場合には、皮膚にすでに炎症が起きている可能性があります。犬の皮膚に優しい、低刺激なシャンプーを選ぶようにしましょう。
- 殺虫成分を確認する
- 犬に低刺激なものを選ぶ
シャンプーだけで安心しない
先程も説明したように、完全に駆虫できるのは「動物用医薬品」の駆虫薬のみです。シャンプーをして、見た目的にノミやダニが取れても、まだ卵やサナギが潜んでいる可能性があります。
また、皮膚の炎症が強く出てしまっていたり、そのほかの身体症状が出ることも考えられます。シャンプーでケアした後もしっかり駆虫薬を続け、継続的に対処していきましょう。
ノミやダニは潰さない
シャンプーに夢中になると、つい見つけたノミやダニを掴んで潰してしまう恐れがあります。潰してしまうと、虫の中の病原菌や他の寄生虫をばら撒いてしまう恐れがあるので、絶対に潰さないようにしてください。
ノミやダニを取り除く際は、潰さずに優しくつかみ、「中性洗剤」を水で溶いた液に浸けてください。洗剤がじわじわと体に浸透して殺虫するので、しばらく置いてから、ティッシュなどに浸して袋に入れ縛って捨てましょう。
犬に使えるノミ・ダニの駆除に対応したシャンプー
ノミやダニが寄生した際にも、安心して使えるシャンプーを3つご紹介いたします。
LION ペットキレイのみとりリンスインシャンプー
肌への優しさに配慮した、無着色・弱酸性。リンスも入っているため、同時に被毛もふわふわになります。ノミ・ダニの殺虫成分には「フェノトリン」が使用されています。犬への安全性は問題ありません。ただし、猫には中毒になる可能性があるので、犬のみに使うと安心です
コ・ペット ハーブ&ピュア ノミ取りリンスインシャンプー
洗浄成分が肌に優しい、アミノ酸シャンプーです。肌が弱い犬でも、低刺激で洗えます。ノミ・ダニの殺虫成分は「アレスリン」配合。蚊取り線香にも使用されている成分で、哺乳類には無害なので安心して使えます。
防虫効果のあるラベンダーやローズマリーなどのハーブエキス配合で、虫を寄せ付きにくくする効果もあります。
Neugier Pet Shampoo
かなり肌に優しい成分で、毎日でも洗えるシャンプー。天然酵素の「surfictin」という界面活性物質で、汚れを分解し、肌に負担をかけずに洗うことができます。
アトピーやアレルギー性皮膚炎の犬でも使えるので、ノミ・ダニによる皮膚への炎症がある犬でも安心して使えます。殺虫成分は入っておりませんが、抗菌性活性リポぺプチドという天然成分が配合されており、ノミを仮死状態にする効果があります。
まとめ
ノミやダニが寄生してしまうと、想像以上に恐ろしいですよね。愛する我が子を守るためにも、日々ノミ・ダニ予防はしっかり行うようにしましょう。万が一体についてしまった場合は、なるべく病院でしっかり駆除してもらってください。
お家ではシャンプーを上手に活用し、今付いているノミの除去、マダニの付着がないか確認をするようにしましょう。日々のケアの積み重ねで、予防することができます。「寄生虫」なんて怖いものが付かないよう、愛犬を守ってあげてくださいね。