柴犬に必要な爪切りの頻度
- 成犬:月に1度
- 子犬、老犬:2~3週間に1度
柴犬を飼う上で欠かせないケアの1つが爪切りです。毎日の散歩でちょうどよく削られるから爪切りは必要ないのではと思う人もいるかもしれませんが、これは正しくありません。
なぜなら、散歩の距離も爪が伸びる速さも個体差が大きいからです。また、すべての爪が同じように削れて短くなるわけではありません。特に、5本目の爪である「狼爪(ろうそう)」は散歩しても削れないので、散歩の量に関係なく切ることが必要です。
さらに、体重が重い犬の爪は自重で削れやすく、軽ければあまり削れないといったことも関係します。爪切りをする頻度の目安は、成犬で月に1度、本格的な散歩デビュー前の子犬や運動量の減っている老犬で2~3週間に1度です。
ただし、これはあくまで目安にすぎません。実際に爪を確認し、伸びているようなら切りましょう。足を接地させて、爪の先が地面につくようなら伸びていると判断します。
狼爪は地面につくことはないので、ほかの爪を切るときのタイミングに合わせて切ると良いでしょう。
柴犬の正しい爪の切り方
爪切りで注意したいのは、犬の爪には神経も血管も途中まで通っている点です。適当にカットしてしまうと、出血して痛い思いをさせてしまいかねません。正しい手順で丁寧に切ってあげることが大切です。
ここでは、柴犬の爪を切るときの正しい手順について詳しく解説します。
爪切りに必要な道具
- 犬用の爪切り
- やすり
- 止血剤、清潔なコットンやガーゼ
爪切りは、必ず犬用を用意しましょう。犬の爪は筒状になっているため、人間用の爪切りではうまく切れません。
ニッパータイプやギロチンタイプがあり、一般に使いやすいとされているのは後者のほうです。ただし、一般的な評価は気にせず、どちらも手にとってしっくりなじむほうを選ぶと良いでしょう。
やすりは、カットした後の爪の切り口を整えるのに使います。血が出たときのため、清潔なコットンかガーゼ、止血剤も用意しておきましょう。止血剤は、大きめのペットショップやオンライン通販、動物病院などで購入できます。
手順1:抱っこする
椅子に座り、愛犬を前向きで抱っこしましょう。爪をカットする足を持ち、指の部分を軽く押さえます。これは、指が広がって切りやすくなるためです。
手順2:段階的にカットする
犬の爪には神経と血管が通っているため、感覚だけでパチンと切り落とすのは非常に危険です。慎重に少しずつ切ることを心がけましょう。どれくらいの長さまで切るかは、足を接地させたときに爪が地面にカチカチとあたらない程度が目安です。
白い爪の場合は、横から見ると血管が透けています。その数ミリ手前を切ると良いでしょう。カットしたら、今度は角度を変えて上と下のカドを落とすようにカットします。
黒い爪の場合は血管が見えません。そこで、少しずつ慎重に切り進め、切り口の色が白っぽくなった段階でそれ以上短くするのは止めましょう。その後、上と下のカドを落とすように切ります。
狼爪を切る場合も、基本的にはほかの爪を切るときと手順は変わりません。うっかり切りすぎて血が出たときは、清潔なコットンやガーゼをあてて数分間圧迫すると血が止まります。止血剤を使うと、より早く止められます。
手順3:やすりをかける
切った後の爪は切り口が鋭いです。散歩をするうちに削れてなめらかになりますが、それまでに衣類やカーペットなどに引っ掛かる恐れがあります。そこで、爪を切った後は丁寧にやすりをかけてあげましょう。
柴犬が爪切りを嫌がる時の対処法
柴犬の多くは爪切りを好みません。なかには、嫌がって逃げる子もいるでしょう。とはいえ、嫌がるからといってそのままにしていると、伸びた爪が何かのはずみで折れたり肉球に食い込んだりすることがあり、良くありません。
そこで、ここでは愛犬が爪切りを嫌がるときの対処法について解説します。
- 道具に慣れさせる
- 1本切れたら良しとする
- 無理強いはしない
- 噛むほど嫌がるならプロに依頼する
道具に慣れさせることが大事
まずは、愛犬に爪切りを見せて慣れてもらうことが大切です。もし、爪切りを見るだけで逃げるほど嫌がっているなら、手に持ったままおやつを与えてみましょう。
愛犬は、爪切りを警戒しつつも、おそらくおやつは食べるでしょう。これを何度も繰り返していると、やがて爪切りを見ても逃げなくなります。愛犬が逃げなくなったら、爪切りで軽く愛犬の足や指先をタッチしてみましょう。
最初は「軽く、そっと、一瞬だけ」触れる感じです。少しずつ触れている時間を長くして、慣れさせていきましょう。
これは、「爪切りは怖い物じゃない」ことを覚えてもらうためです。爪切りを見ても逃げず、嫌がらなくなったら、爪切りに挑戦しましょう。
1本切れたら良しとする
爪切りは、すべての爪を一度にすませる必要はありません。まずは1本切れたら良いと考えましょう。実際に、最初は1本だけ切れたらスパっと終わりにします。その後は大げさに褒めておやつをあげましょう。
嫌がるそぶりを見せる前にさっさと終わらせることが大事です。残りの爪は、別の日に愛犬の様子を見ながら切るようにします。
無理強いはしない
愛犬が嫌がっているのに、無理やり押さえつけて切ることは絶対してはいけません。爪切りをますます嫌がるようになるだけです。爪切りがいっそう難しくなり、そのうえ信頼関係まで損なわれてしまいます。
噛むほど嫌がるならプロに依頼する
どうしてもうまくできない、噛むほど嫌がるといった場合には、動物病院やトリミングサロンでプロにお任せするのも1つの方法です。
プロならさっと上手にカットしてくれるため、愛犬の負担も軽くなります。料金は病院やサロンによって異なりますが、500~1000円が相場です。
まとめ
柴犬の爪は、毎日の散歩だけでは適切な長さを保つことは難しく、適切な頻度で飼い主がカットすることが望ましいです。
爪が地面にあたるほど伸びているなら、犬用爪切りで切ってあげる必要があります。とはいえ、爪切りを嫌がる子は多いので、最初は道具に慣れさせるところから気長に始めましょう。決して無理強いして切ってはいけません。
はじめは1本切れただけで十分です。お利口だったとたくさん褒めてあげましょう。どうしても自分ではうまく切れないときは、お互いにケガをする前に動物病院やトリミングサロンでお願いするのがおすすめです。適切に爪切りをして、愛犬の足を守ってあげてくださいね。