犬の肉球が冷たいのは冷え性のサインかも
犬の肉球に触って「いつもより冷たい」と感じたことはありませんか?
冬のお散歩で冷たい地面を歩いた直後や、暖房がついていない寒い部屋で長時間過ごした後に冷たくなるのは心配ありません。また、体重が重い大型犬や外でたくさん運動をする犬などで肉球表面の角質がとても厚くなっている場合には、肉球だけを触っても冷たいかどうかなかなか判断できないこともあると思いますが、そんな場合には手先足先全体を触ってみましょう。
一時的に肉球を含めた手先足先が冷たくなっただけならば、体が温まれば肉球の冷えも治まるでしょう。しかし、いつも肉球や手先、足先が冷たいのは冷え性に陥っている可能性があります。
犬も人間と同じように慢性的な冷え性になる!
犬は雪の中でも平気で駆け回っているイメージがありますが、四肢末端が血流不足に陥ることで慢性的な冷え性になる可能性もあります。
特にシニア犬は、運動量が減り筋力も低下するため血液の循環が悪くなり冷え性になりやすいかもしれません。
肉球が冷たい時に確認したい冷え性サイン
犬の体が冷えているサインには、肉球が冷たい以外にもいくつかあります。
- 体がブルブル震えている
- 常に体を丸めて寝ている
犬の体が冷えた時に心配される病気や症状
寒い時期に愛犬が歩くのを嫌がる、外に出ることすら嫌がるなどの様子が見られたら、犬が寒さを感じているのかもしれません。
犬が寒さを感じ体が冷えると、関節炎や椎間板ヘルニアなどが悪化するかもしれません。あまり体を動かさないで丸まって寝てばかりいると筋肉がしなやかに動きにくくなり、膝蓋骨脱臼による症状(びっこや歩きはじめのスキップなど)などが増えるかもしれません。
また、犬も体を冷やしてしまう人間と同じように体力が落ち、病気に対する抵抗力が低下します。
健康な成犬であれば多少の寒さは問題にならなくても、免疫力の低い幼犬や老犬では、様々な病気に罹患するリスクが高まってしまうでしょう。
- 呼吸器系の疾患
- 泌尿器系の疾患
- ウイルス感染症
- 低体温症
体を冷やしたことが原因で、愛犬の体調が悪くなってしまったらかわいそうです。もし愛犬が寒がっているようならば、早く改善してあげましょう。
室内で飼われている環境で犬が低体温症になることはまずないでしょうが、体温調節機能が未発達な子犬や外で飼われている老犬などでは注意が必要です。
犬の体が冷えた時にできる対処法
犬が寒がっている、犬の体が冷えやすいなと思った時は、以下の方法などで改善してあげましょう。
今からすぐにできる改善法をいくつかご紹介します。
室内の温度を快適にする
犬の冷え性の改善にはまず、普段の生活環境を暖かくしてあげるのが簡単で良さそうです。エアコンや暖房器具で室温に気をつけてあげましょう。
犬に快適な室温は、18~22℃とも言われていますが、犬の体格やどんなタイプの被毛を持っているかなどによっても適温は変わってきます。特に小型犬の場合は体が床に近い部分にありますので、飼い主さんが「暖かい部屋だ」と感じていても犬の体がある低い部分は暖かくないこともあります。飼い主さんの足元が暖かいか、しゃがんでみても暖かいかをチェックしてあげましょう。
部屋全体の温度を調節してあげるだけではなく、犬用の布団やベッド、湯たんぽなどを用意してあげて、犬が自分で暖をとれるようにもしてあげましょう。
新陳代謝をアップする
人間がそうであるように、犬の場合も新陳代謝をアップさせると、冷え性の改善につながるでしょう。
寒いと動いたり、外に出るのを嫌がる犬がいます。人間も暖かい部屋から寒い外へ出るのは嫌なものです。
でも寒いときこそ、散歩や運動をして血行を良くし、飼い主さんも愛犬も新陳代謝をアップさせましょう!
暖かい部屋から寒い外に出る時は、服を着せてできるだけ寒暖差を少なくしたり、暖かい室内でウォーミングアップをしてから外に出るようにすると良いでしょう。
体を温める食材を摂る
体を温める食材を愛犬の食事に取り入れて、体の内側から温めてあげるのも冷え性改善につながるかもしれません。
体を温める食材には、ラム肉、レバー、玄米、納豆、イモ類、カボチャ、ニンジンなどがあります。
人間には良いとされている食材でも、犬に与えるのは避けなくてはいけない食材があります。
体を温める食材であっても、それが犬に与えても大丈夫な食材なのか、きちんと確認してからあげましょう。体を温めると言われている食材で犬に与えてはいけない代表的なものはネギ類です。またしょうがは犬に与えることはできますが、刺激もあるのでほんの少量にしておきましょう。
寒さに弱い犬種は体の冷えに注意!
寒さに弱いとされるのは、原産国が暑い国の犬種やマルチーズ、パピヨン、チワワ、プードル、ヨークシャー・テリアなどシングルコートの犬種です。
パピヨンやチワワには、ダブルコートの犬とシングルコートの犬がいるようです。またシーズーはダブルコートの犬ですが、下毛がとても少ない犬もいるようです。小型犬や超小型犬も寒さに弱い傾向があります。
また、体温調節が上手くできない子犬やシニア犬も、寒さに要注意です。
以下の記事では寒がりな犬種と、快適に過ごさせてあげる方法について解説しています。犬の肉球が冷たいのが気になる方は、ぜひとも確認してください。
まとめ
室内飼いが主流となっている昨今、空調の効いた部屋にいる時間が多いために寒暖差にうまく対応できなくなってしまい、冷え性となる犬が増えてきているのかもしれません。
たとえ今は冷え性になっていなくても、体調を崩したり年をとったりすると体が冷えやすくなるでしょう。
スキンシップを兼ねて肉球や手先足先が冷たくなっていないか触ったり、震えていないか、寒そうに丸まっていないかなど愛犬をよくチェックして、犬の体が冷えているサインを見逃さないようにしましょう。