犬に扇風機は意味がない?
犬の暑さ対策として扇風機を利用されている方もいらっしゃると思いますが、“犬の暑さ対策に扇風機は意味がない”という話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
私も何度も聞いたことがありますが、愛犬が暑そうにしているとき、ついつい扇風機の風を愛犬の方へ向けてあげることがあります。
なぜ、犬に扇風機は意味がないと言われているのか、犬の体温調節や暑さ対策なども考えつつ、ご紹介したいと思います。
扇風機で犬の体温が下がらない理由
暑い時期に、犬が「ハッハッハッハッ」と舌を出しながら、ちょっと苦しそうな呼吸をすることがありますよね。
この行動は「パンティング」と言い、舌を出すことで唾液を蒸発させ、その気化熱によって体温調節を行っています。基本的には、この「パンティング」を利用して体温調整をおこなっています。
私たち人間が扇風機の風を涼しいと感じるのは、全身から出る汗が扇風機の風によって蒸発し、その気化熱によって体温を下がっているからです。
一方犬の場合は、肉球などの一部の場所でしか発汗する事ができないため、扇風機を犬の体に風をあてたとしても、気化熱が発生しないので体温はほとんど下がりません。
- 犬は主にパンティングで体温調節を行っている
- 犬は全身の発汗による体温調節ができない(肉球など一部の箇所でしか発汗出来ない)
この2つを考えると、犬に扇風機は意味がない理由を納得することができるのではないでしょうか。
扇風機を上手に利用した犬の暑さ対策
犬に、ただ扇風機の風を当てるだけでは暑さ対策として効果はありませんが、扇風機を効果的に利用して、犬の暑さ対策をすることはできます。
その①「冷房と扇風機を併用する」
冷房を効かせた部屋で、首振り機能を使って扇風機を利用すると、部屋全体の空気が循環され、部屋の温度を効率よく下げることができます。
また、扇風機の風を犬に当ててあげると、直接冷たい風を当ててあげることができるので、犬も涼しいと感じることができます。
その②「霧吹きと扇風機を併用する」
犬は汗をかいて体温調節をすることが難しいですが、霧吹きなどを使い皮膚を濡らすことで、汗と同じような効果が期待できます。
犬の皮膚に霧吹きなので水をかけた後、扇風機の風を当ててあげます。そうすると、皮膚にかけた水が扇風機の風によって蒸発し、その際に発生する気化熱によって熱が奪われるため、体温を下げることができます。
私たち人間も汗をかいたときに扇風機の風に当たると、「涼しい」と感じますが、その仕組みと同じことが犬の体でもおきます。
しかし、これを冷房の効いた部屋でやってしまうとカラダを冷やし過ぎてしまったり、体温を下げ過ぎてしまったりするので、あまりおすすめしません。冷房が効いていない部屋での対策としては良いと思います。
犬が暑いと感じる温度は?
次のような気温・湿度になると、犬が熱中症になりやすいとされています。
- 気温22度以上
- 湿度60%以上
数値はあくまで目安ですが、熱中症を予防するためにも、日頃から温度・湿度計などで気温のチェックをする習慣をつけましょう。日差しが強い日や雨や風などの天候によっても、熱中症になりやすい条件が変わって来るので注意が必要です。
また、上記の数値を超えている状態では、扇風機を利用しても、犬の暑さ対策にはならないそうです。その他の対策を併用して、愛犬の熱中症を予防してあげて下さい。
まとめ
全身を被毛でおおわれている犬にとって、夏の暑さはとてもつらいでしょう。人間が夏に毛皮のロングコートを着ると考えると、汗だくになること間違いなしですよね。
汗をかくことで体温調節をすることができる私たち人間は扇風機でも暑さ対策をすることができますが、ほとんど汗をかくことができない犬にとって扇風機での暑さ対策は不十分です。
冷房と併用すると扇風機も効果的に利用することができます。本格的な夏がくる前に、愛犬に最適な暑さ対策を考えておきたいですね。
ユーザーのコメント
40代 男性 バカチン
女性 匿名
バチカンさんの犬ちゃんと同じかも。
50代以上 男性 ハリー