冬はストーブで火傷するわんこが急増
ストーブやファンヒーター、ハロゲンヒーターなど..すぐに暖かくなる暖房器具の近くは犬たちのお気に入りの場所になることも多いかと思います。
スイッチの音を覚えてしまい、入れた途端に暖房器具のに駆け寄りそのまま陣取ってしまう、なんていうこともありますね。
ですがそういった暖房器具は床置きタイプのものが多いのも特徴の一つ。
その分、人間より体高の低い犬たちにとっては、暖房器具との距離が近くなるのです。
そのため被毛を焦がし、ひいてはその下にある皮膚を火傷してしまうということになってしまうのです。
では、何でそんな状態になるまで気付かないのでしょうか?
原因は、犬のその優れた被毛にあります。
皮膚を守るために存在する被毛は、外の暑い空気を適度に遮断して適切な温度を皮膚に伝えるという性質があります。
そのためストーブなどの暖房器具で高温になった場合にも、被毛の下の皮膚には実際には伝わりづらく、その結果気づいたら被毛が焦げていた、皮膚が火傷していた...なんていうことになってしまうのです。
このように書くと長毛種のみが気をつけなければいけないように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。
皮膚の上に被毛があるのはみな同じ、短毛種も同様に気をつけなければならないのです。
また暖房器具の周囲に、金属製の柵や金網状のもので囲いをつけている場合がありますが、これも気をつけなければいけません。金属製の柵や金網は当然ですが熱を持っていますので、つい柵に寄りかかって休んでいた犬が、気づいたら網目の通りに被毛が焦げていた...なんていうことになってしまいます。
暖房器具を安全に使うつもりで設置した柵で火傷をした、なんていうことにならないように気をつけましょう。
こたつ・電気カーペットでも低温火傷に注意
低温火傷は高温にさらされて起こる火傷より、怪我の度合いが軽度であると考えられがちですが、実際はそんなことはありません。
火傷の度合いは4段階に分かれており、軽い順からⅠ度熱傷、浅達性Ⅱ度熱傷、深達性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷とレベル分けされていますが、低温火傷はこの最高レベルであるⅢ度熱傷にまで達する危険があります。
ここまでくると皮膚がただれを起こし、治療をするにも手術が必要になる場合もあります。
エアコンやホットカーペット、電気毛布などでは被毛が焦げるような心配はありませんが、その代わりにこのような低温火傷の心配をしなければいけません。
快適な温度を保つように設定できるのはとても便利な機能ですが、それにより移動したり寝返りも打たずに長時間同じ姿勢の過ごしてしまうことにより、直接暖房に当たっている箇所が低音火傷を起こしてしまうことがあります。
室内で人間から少し離れた場所、一歩さがったような所でくつろぐことの多い中型犬〜大型犬や、寝返りも打たないほど熟睡してしまう老犬に多い事故です。
また、犬小屋にホットカーペットを敷いてもらった室外飼育の犬にも起こりますので、こういった暖房器具を使う場合には注意が必要です。
具体的には44度の暖房器具に3~4時間程度触れることによって低温火傷を発症するといわれています。
当然ですが温度が上昇するにつれて低温火傷発症までの時間も短くなり、46度になるとわずか1時間ほどで低温火傷を発症するような状態になっているといえます。
また低温火傷は通常の火傷よりも治りが遅く、痛みが続くのが特徴です。
重度になると患部も皮膚が壊死するなど重症化しやすくなりますので、低温火傷を負ってしまった場合には、その治療経過中も十分な注意が必要です。
まとめ〜火傷の対処と予防について〜
万が一、あなたの飼っている犬が火傷・低温火傷を負ってしまったら...?
とにかくできるだけ早く病院に行くのが必須ですが、それまでの時間は人間同様、とにかく患部を冷やすようにつとめましょう。
ビニールに氷水を入れたものを、ガーゼや清潔な布で患部を覆ってから当てます。
この時患部に直接冷たいビニールを当ててしまうと、傷口を刺激して痛がるかもしれませんので、必ずガーゼなどで覆ってから冷やしてあげてくださいね。
消毒薬や軟膏などのお薬は効果が望めないばかりか、逆効果になることも大いにありえますのでやめておきましょう。
可能なら患部を流水で流すこともOKですが、この場合は逆に皮膚を痛めてしまうこともありますので気をつけましょう。
火傷・低温火傷を防ぐためには、就寝時や留守番時など、人間が犬を見張ることをできない時には暖房器具を使用せず、タオルでくるんだ湯たんぽなどを使用するのもひとつの手段です。
ペットボトルでも代用できますので、適度な温度のお湯を入れて使用するのも良いかもしれません。長時間保温できるほうがよいと熱湯を入れるとやけどの原因になりますので注意してください。
人間同様充分に配慮して、心身共に健康で暖かい冬を過ごしましょう!
ユーザーのコメント
40代 女性 leon
使用する場合は、1,2時間で温度が下がってしまう程度のあまり熱くないお湯を入れたものにしたほうが良いと思います。
というのも、湯たんぽによる低温火傷が人間の場合はとても多く、特に病気をしている方やご高齢の方には湯たんぽはあまり推奨されていないからです。具合が悪く深い眠りについてしまっていたり、皮膚感覚が鈍ってしまっていたりすると、通常なら熱いと感じたら湯たんぽをよけるのですが、それが出来ずに低温火傷を起こすことが意外と多いのです。
低温火傷はとても怖いもので、ゆーっくり何十時間、何日とかけて内部に熱が進行していくため、思いのほか重症化しやすくひどいと手術したり命に関わるような事態になることがあります。人間でもこれだけ危険なケースがあるものなので、犬には出来たら違う方法で暖を取ってもらうか、安全を確保した方法で湯たんぽを使用してもらいたいです。
40代 女性 ケーキ
以前尻尾が長い我が家の犬が、実家に帰省中に、寝室は寒いからとニクロム線タイプの電気ストーブが部屋の隅にあったのですが、気が付いたら尻尾が燃える寸前でした。かっぴかっぴにあっつくなっていました。
犬自身、自分の尻尾の先の長い毛先までは意識が回らなかったのでしょうね。犬が燃えていたら大変でした(笑)。
うちの犬は加齢とともに寒さが堪えるのか、冬になると暖かいところで丸くなっていることが多くなりました。床暖房がある家だったらいいのですが、我が家にはないのでホットカーペットで一緒にゴロンとしています。
女性 桜茶
長毛なので気が付きにくいのかもしれませんが、ヒーターにぺったりくっ付いて寝ていることもあります。よく見たら被毛の先が焦げている!なんて恐ろしいこともありました。(直前に焦げた匂いもしていた)
対策として100均で購入したワイヤー3枚にジョイントを取り付け、ヒーターの前に立ててガードにし、近づけないようにしています。これがあるだけでも十分対策になりました。慣れてくるとそのガードをちょいちょい押すことがあります。そんな時は滑り止めを付けて簡単に動かせないようにしてあります。
寒い時にベッドの下にカイロや電気カーペットを敷いてあげることもありますが、これは大きめのタオルの下に敷いたり、フェイスタオルで包んだりして対応しています。カイロを使用する時は、人間が使った後のぬるい温度になったものが意外に犬には暖かかったりします。カイロを置く位置も毎回同じところでは低温火傷になる確率が高くなってしまうので、ちょこちょこ変えたりします。
どうしても心配な時は、お風呂の残ったぬるま湯を使用した湯たんぽが安全です。これもタオルや袋に入れて直接触れないようにし、ベッドの端に置いておくとほんのり暖かく過ごせます。
どれを使用するにしても、長時間同じ場所に当てないように工夫をすれば、十分予防することは可能だと思います。
30代 女性 nico
女性 杏子