ポメラニアンの鳴き声はうるさい?
ポメラニアンといえば、ふわふわの被毛がかわいい犬種の代表格ですね。くりっとした目と立ち耳がかわいい小型犬です。ポメラニアンの見た目のかわいさに惹かれて家族に迎えたものの、鳴き声がうるさいと悩む飼い主さんは少なくないようです。
ポメラニアンの鳴き声は一般的に高めで「キャンキャン」と吠え続けると、いくらかわいい家族でも飼い主が苦痛に感じることもあります。物音に反応して吠えることもあれば、理由がよくわからないまま吠え続ける場合もあるようです。
「ポメラニアンの鳴き声に悩まされてこのままでは嫌いになりそう!」そんな飼い主さんのために、ポメラニアンの鳴き声がうるさい場合の対策やしつけ方法、吠える理由をご紹介します。
ポメラニアンが鳴き声がうるさい理由
何かを要求している
ポメラニアンがわんわんとうるさく吠える理由の1つは、何かを要求しているというものです。飼い主としては意味がわからず、ただうるさいだけと感じてしまいがちですが、きちんと理由があります。
かまってほしい、遊んでほしい、トイレシートが汚れている、水がないなど、飼い主が気がついてくれないと、わんわんとうるさく鳴いて知らせることになります。
また、早朝に吠えてうるさい場合などは、おそらくまだ若いポメラニアンに多いと思います。犬はとても早起きですからね。お腹が空いていたり、飼い主に早く起きてかまってほしかったりして、朝にわんわん吠えてしまうのです。こういう場合、はっきり言って犬はわざとうるさくしています(笑)
年齢とともに早朝の無駄吠えは収まっていくと思いますが、鳴き声がうるさくて近所迷惑になるなどの害があるなら、飼い主はまだ寝ていたいから静かにしてと言って聞かせるしかありません。放置されているのではないとわかれば、ポメラニアンも少しずつがまんしてくれるようになると思います。
監修ドッグトレーナーによる補足
吠えている原因ごとの対処と、吠えにくくするための対処の両方が必要です。
一つ目は、「恐怖や緊張、欲求不満などの精神的原因」「運動不足、温度や衛生管理などの環境的原因」「病気などによる原因」など、吠えている原因ごとに適した対処法。(本文中の対処法など)
二つ目は、「おすわり・まて・おいで」の基本となるトレーニングを利用して吠えにくくする対処法。無駄吠えを始めたら「おすわり」や「まて」と指示を出すと、無駄吠えをやめることができる可能性があるので、基本動作はしっかりと教えましょう。
犬種特有の性格
ポメラニアンは、活発で好奇心旺盛、そして警戒心の強い性格のため、比較的よく吠える犬種とも言われています。
活発で好奇心旺盛なので散歩や遊びが少ないと、ストレスでよく吠えるようになります。また、警戒心が強いため、聞きなれない物音やサイレン、インターホンなどに反応して吠える子も多いです。
臆病な性格の子は、やはりよく吠える傾向があります。物音などに対して恐怖心を抱き、そのために鳴き声がうるさくなってしまいます。できるだけ安心して過ごせるようにしてあげたいですね。
子犬時代の社会化不足
先述した通り、ポメラニアンは警戒心の強い犬種なので子犬のうちにたくさんの人に触れさせたり、物音に慣れさせることが大事です。何らかの理由で子犬のうちに社会化がうまくいかなかった場合、成犬になってよく吠える犬になることがあります。
「うちの子はもう成犬だから、無駄吠えは直らないの?」と悲観的になった方もいるかもしれません。でも、上述の方法で根気よくしつけることで、ポメラニアンがうるさく鳴くのを減らしていくことができます。
もし子犬時代の社会化不足でよく吠えるようになったなら、その教訓は次に家族に迎える犬に活かすことにして、今一緒に暮らしているポメラニアンと、うまく意思疎通できるようにがんばりましょう。
ポメラニアンの鳴き声がうるさいときの対処法
ストレスを減らす
ポメラニアンがうるさいほど吠え続けるのは、ひょっとしたらストレスのせいかもしれません。お散歩は十分に行っていますか?飼い主との触れ合いが少なくはありませんか?ちゃんと遊んであげていますか?まずは生活を見直すことで、ポメラニアンの無駄吠えを減らすことができるかもしれません。
怖がっていないか確かめる
ポメラニアンは本来、警戒心の強い犬種です。そのため、子犬のうちにいろいろな人や物と触れ合わせて、「怖くないよ」と教える必要があります。もちろん、その子の性格にもよると思いますが、怖がりの子や、子犬のころの経験不足から、よく吠える犬になることがあります。
犬は、基本的に理由もなく吠えたりしません。必ず何か原因があります。例えば、窓の外を眺めていたポメラニアンがいきなり吠え続けるような場合を考えてみてください。
このような場合、外に人がいることが怖くて吠えているのかもしれません。「誰かいる!怖いよ!」と訴えていると考えられます。そばに行って「大丈夫」と声をかけて、落ち着くまで待ってあげるのもいいですし、外が見えないように目隠しになるようなものを置いてもいいでしょう。
怖いものを取り除いたり、見えなくしたりすることで、ポメラニアンがうるさいほど吠えるのを減らすことができます。
何を要求しているか確かめる
ポメラニアンに限らず犬がわんわん吠え続けるときは、何かを要求していることが多いです。いわゆる「要求吠え」ですね。この鳴き声が一番うるさいのではないでしょうか。
要求吠えは無視するに限るというしつけの考え方もあるようですが、何を要求しているか確かめて、対処してあげるとピタッと鳴きやみます。
犬の要求吠えには、さまざまな原因があります。お腹が空いた、撫でてほしい、水の容器が空だ、遊んでほしいなどなど、状況をよく見て、ポメラニアンが何を訴えているか確かめましょう。
ポメラニアンの無駄吠えをやめさせるしつけ方法
ここでは、ポメラニアンの鳴き声がうるさいときのしつけをご紹介しますが、まず前提として、「叱らない」ことを頭に入れてください。鳴き声がうるさいと、ついつい「ダメ!」と大きな声で叱ってしまいがちですが、これではポメラニアンのストレスが高まって、よけいに吠える結果となってしまいます。
ポメラニアンを叱らずに、無駄吠えをやめさせる。まずはこれを徹底してください。
吠えたら無視をする
キャンキャンと鳴き声を上げるポメラニアンに対して、飼い主が一緒になって興奮しないことです。飼い主が興奮してしまうと、ポメラニアンは「かまってくれている」と勘違いしてしまうかもしれません。
特にポメラニアンがかまってほしくて吠え続けている場合は、「鳴き声をあげればかまってくれる」と思わせないために、あえて飼い主は黙っていましょう。
そしてポメラニアンが鳴きやんだら、声をかけてあげましょう。静かにしているほうが、飼い主が注目してくれると覚えさせるためです。根気はいりますが、「吠えたら黙る」を繰り返しているうちに、うるさいほどの鳴き声は徐々に収まっていくと思います。
吠えないときは褒める
吠えないときにほめるのは、外を見て吠える犬や、インターホンの音などに反応して吠える犬に有効な方法です。
ポメラニアンが何かの刺激を受けて鳴き声を上げ始めたら、「静かに」や「大丈夫」と落ち着いた声でひと声かけます。恐怖心や警戒心を和らげるために、軽く触れてもいいです。鳴きやんだら、たっぷりほめてあげましょう。
これも同じく繰り返すことで、キャンキャンと鳴き続ける回数が減っていきます。
要求吠えに応じない
要求吠えがひどいときには、無視するのが有効です。基本的に、犬が何かを訴えているときは、それをくみ取って要求を満たしてあげるほうがいいです。でも行き過ぎると「うるさく鳴けば要求が通る」と、ポメラニアンが勘違いをしてしまうこともあります。
例えばおやつをあげた後に「もっと欲しい!」と要求して、ポメラニアンが鳴き声を上げるような場合は、毅然とした態度で無視しましょう。一度「おしまい」と言った後は、どんなに要求吠えをされても応じないことです。
これもやはり飼い主の忍耐が試されるところですが、根負けしないようにがんばりましょう!うるさく鳴いても無駄だとポメラニアンが理解すれば、しつこい要求吠えはなくなっていきます。
その代わり、ポメラニアンが何かをしてほしそうにしているサインを見逃さないようにしましょう。わんわん鳴き始める前に、飼い主の周りをうろうろしたり、小さく「フンッ」と鼻を鳴らすような音をたてたりするはずです。早い段階で要求を満たしてあげることで、うるさい鳴き声を上げることはなくなります。
まとめ
ポメラニアンに限らず、犬が吠えるときは必ず理由があります。まずは、吠える理由を見つけることで、対処できるようになります。
うるさく鳴くようになったポメラニアンをおとなしい子にさせるには、根気が必要です。鳴き声をよく聞いて理由を見つけ、愛犬と上手に意思疎通ができるようになれば、うるさいほどの鳴き声は収まっていきます。
ポメラニアンとコミュニケーション上手になって、鳴き声の悩みから解放されましょう!