「ポメハゲ」って何?
ポメラニアンと暮らしている皆さんの中にも知らないという方も多いのが「ポメハゲ」です。
ポメハゲは病気としては正式な名前はなく、原因も不明なポメラニアン特有の脱毛・貧毛の状態のことです。
発症する、性別や年齢は特に決まっていません。
頭や四肢以外の体の部分に、左右対称に毛の生えない部分が出来て気づかれるケースが大半です。
痒みがなく、緩やかに進行することからなかなか気づかないまま症状が進むことが多いのも特徴ですね。
獣医師としての経験上、サマーカットや柴犬風カットを行うポメラニアンに多いように感じます。
また、洋服や首輪、胴輪などで毛が擦られることで発生するケースもあるようです。
ポメハゲの症状とは?
飼い主さんが来院するきっかけとしては、
1)サマーカットをして、秋になって他の部分は毛が生えたのに一部から発毛が見られない。
2)ふわふわの毛並みが、毛質が荒く固くなり擦り切れたり折れたりしやすくなった。
3)体の一部だけ、毛並みが薄く感じる。
このようなお話をされるオーナー様が多いですね。
愛犬の年齢は本当に様々ですが、脱毛を伴う深刻なケースは年齢の高い愛犬に多いように感じます。
ポメラニアンは、美容室でカットやシャンプーをお願いされる方も多いため、トリマーさんから毛質の変化や脱毛を指摘されることもあります。
しっかり愛犬の様子を観察して下さるトリマーさんと仲良くしておくのも良いでしょう。
サマーカットとあとの毛が生えない、毛質が変わってきたなど気になる場合はかかりつけの獣医師に相談されることをお勧めします。
ポメハゲの原因と治療とは?
実は残念なことに「ポメハゲ」については原因がまだ解明されていません。
一部では「脱毛症X」と呼び、原因不明の脱毛としてまとめていたこともあります。
ポメハゲの原因はいまだにわかっていない
憶測の域をでませんが、ポメラニアンには成長ホルモンの量が少ないワンちゃんが多いこととの関連性が疑われています。
カットの後、発毛を促すのが成長ホルモンです。
ポメラニアンは小型化するブリーディングのなかで成長ホルモンの少ない犬をかけあわせたため、もともと成長ホルモンが少ない犬種であることも関連しているのでしょう。
そこに加えて、加齢により成長ホルモンの分泌が、減少すると発毛が行われなくなり脱毛症になるものと考えられます。
首輪や胴輪、洋服などで皮膚を常に刺激することで皮膚が分厚く老化が進み脱毛するケースもあります。
ポメハゲの治療について
原因が不明で、現実として脱毛が起こっているので動物病院にいらっしゃるオーナー様がほとんどです。
1)病院での治療
そんな中で獣医師によっては「原因は不明だから治療はしません」という方もいるようです。
確かに、原因は不明ですが毛根や皮膚のダメージを減らしてケアする治療は行うべきだと私は思います。
ですから、薬というよりはサプリメントで皮膚の再生を促すものをお勧めします。
皮膚炎などでも処方するサプリメントなので、大抵の動物病院には置いてあります。
2)オーナー様の対策
そのほかにも、首輪や胴輪、洋服など被毛を痛める原因になるものをつけっぱなしにしないなどオーナー様の対策も大事ですね。
3)美容室(トリミングサロン)での対策
美容室では、被毛を痛めるカラーリングなどは控えて、トリートメント効果の高い施術をお願いしましょう。
さらに、サマーカットをお願いする際は少し長めに仕上げてもらうのも予防対策としてはオススメです。
経験上、豆柴カットや体を短くバリカンで仕上げるサマーカットの後に発毛が遅れるケースが多いです。
バリカン仕上げは、手早いですし価格もお手頃ですがポメラニアンのふわふわを保ちたいならおすすめしません。
ポメハゲ以外にも気をつけたい脱毛
実は、ポメラニアンにはポメハゲ以外にも気をつけておきたい脱毛症があります。
チェックポイントをあげて簡単に説明しますね。
クッシング症候群
副腎皮質という、体の中の臓器の働きの異常により起こる脱毛を伴う病気です。
この病気は「ポメハゲ」と非常によく似ているため病院で検査してキチンと区別する必要があります。
わかりやすい特徴は、良く水を飲むこと・眠ってばかりでだるそうなこと・お腹の皮膚が張って薄くなったように見えることが挙げられます。
血液検査できちんと診断でき、治療もできる病気ですから動物病院で治療しましょう。
偽クッシング症候群
アレルギーなどで長期に渡りステロイド剤を、内服することで起きやすい病気です。
症状は上に挙げたクッシング症候群とほぼ同じです。
この二つはポメラニアンにも起こりやすく、ポメハゲとも似た脱毛症を、伴うのできちんと診断して区別して治療してあげたいですね。
まとめ
せっかく可愛いふわふわのポメラニアン、その毛並みを守って上げたいのはオーナー様にとって当然のことだと思います。
成長ホルモンの量などは飼い主としてどうすることも出来ませんが、過度のサマーカットを、避けることや皮膚への刺激を減らす事は普段の生活で十分可能ですよね。
ポメハゲになっても、治療や対策で発毛するケースもたくさんあります。
まず、ほかの病気と区別してきちんと対策していきましょう。
原因不明の「ポメハゲ」ですが、気をつけていつまでも可愛らしいふわふわの毛並みを守ってあげましょう!
▼ポメラニアンについて詳しく知りたい方はこちら
ポメラニアンの性格ついて
ユーザーのコメント
女性 白川
ポメラニアンはサマーカットで短くし過ぎてしまうと被毛が生えてこなかったり伸びなくなったり、毛質が変わってしまうことがある犬種です。暑いからと短くしすぎないことが何よりの対策ですが、バリカンを使うとつい短くなりすぎてしまいますよね。トリミングなどでもトリマーさんに長めにカットしてもらうように事前にお願いしておくといいですね。
犬は皮膚を守るために被毛があるので、短くカットすることで返って体調を悪化させてしまう可能性もあります。暑そうだなぁと思っても別の方法で対策を練った方が良いと思います。
別の視点からみると、インスリン治療をしていると何度も同じようなところに針を刺すので、その部分の皮膚が硬化しハゲてしまうことがあります。一度硬化してしまうとなかなか治りません。
この場合は注射する場所を毎日少しだけずらしながら打つと改善されます。
ハゲはストレスからくるものもあります。もしポメハゲが見つかってしまったら、何かストレスになることがなかったか考えその原因を解消してあげてください。
20代 女性 あめたま
しかし、フワフワした毛並みが特徴的なポメラニアンがハゲてしまう事は飼い主さんにとってショッキングであると考えられます。
ポメハゲは進行も遅いので発見が遅れがちになってしまいますが、ハゲの範囲が小さいうちに治療をすれば目立たなくなります。したがって、早期発見も早期治療がポメハゲを防ぐ有効的な手段です。
また、サマーカットをする際に毛を短くカットし過ぎない事もポメハゲの予防となります。
毛が長い時と短い時とで印象が180度変わるポメラニアンはお洒落をさせてあげたくなります。しかし、お洒落のせいで毛が生えなくなってしまっては気の毒なので、節度を持ってカットを依頼する事が大切です。
30代 女性 ☆くぅ☆
原因不明ということに少し怖さもありますが、毛を短くしすぎないということに関しては、飼い主さんが予防してあげられることだと思います。
カットの際に、一度トリマーさんに短くしたいと相談したことがあります。
ですが、やはり『一度バリカンを入れてしまうと同じ毛が生えてくるか保証はできないです』と言われたことがありました。
毛がある=暑いというイメージですよね。
短いほうが涼しいだろう、という考えがそもそもの間違いなのだとその時トリマーさんの話を聞いて知りました。
ポメラニアンは、毛が長めなので暑そうですが毛が長いほうが風が入りやすく逆に長いほうが涼しいんですよね。
ただ、お腹は短めにしてあげると涼しいらしいです。ポメラニアンは毛がふわふわでとても綺麗です。うちのポメラニアンも今はハゲらしきものは見当たりませんが、注意してよく見てあげようと思いました。
30代 男性 iida
知らずにポメラニアンを飼ったばかりの方が、バリカンで体を短くカットしてしまい、首から上と首から下の毛質が見事に変わってしまい後悔しているところに居合わせました。毛質が変わってしまったことで、見た目の色や質感も変わってしまいちょっとおもしろい感じになってしまっていましたが、犬自身はなんてことなくニコニコしてかわいかったです。
暑くなるとどの犬種もサマーカットといって短くしますが、実際犬は冷房の効いた部屋におりますし、サモエドのような超密度のモフモフ犬でない限りはそう短くする必要はないそうですよ。
40代 女性 かえで
原因は毎回違いました。
初めてのポメハゲは、ハーネスが擦れることによるもので、すぐに、改善しましたが、二回目は、原因がアレルギーでした。
何のアレルギーかを血液検査で調べていただきました。すると、スギとハウスダストでした。私にはわからなかったのですが、ハゲている以外に、口の中も少し腫れているし目もすこし赤いですよと指摘されました。
すぐに治療してもらい、点滴でかなり楽になりまして、目やにが出て赤かった目もきれいになりました。
公園には杉の木があって、それに反応したので違う公園に行くようになってからは、すっかりとアレルギーがでなくなりました。
もちろん、ハウスダストもアレルゲンになることがわかったので、寝床や部屋全般を掃除して清潔さをキープしていました。
ポメハゲもなくなり、平和になりました。
色んな原因でなるポメハゲには早期発見と原因究明が一番大切ですね。
30代 女性 ゆか
40代 女性 匿名
見た目はライオンの様に、顔周り以外は殆ど毛がない位まで進行して可哀想な感じでしたが、先生には「本人は痛くも痒くもないから、飼い主さんが気にしないならそのままでも大丈夫ですよ」と言われました。
生涯の半分以上は薄毛のまま、サプリメントによる治療を続けて 12歳を迎える頃に突然産毛の様な発毛が見られ、先生と共に「こんな事もあるんですね」って驚き喜び合いました。
その後 奇跡的にフサフサのポメラニアンに戻りましたが、長生きは出来ませんでした。
最期に発毛の為に生きるパワーを使ってしまったのかな、と 申し訳ない気持ちが残ります。
原因も治療法も確立していない病気なので 正解は無いのですが、また同じ状況になったら、やはりサプリメントを頼ってしまうと思います…。