犬と床暖房を使うときの利点
床暖房は、寒い日でも足元から温まることができるので、冬にはとても有り難い暖房器具です。人はもちろん、犬も床暖房を気に入って、そこに居続けることもあります。
床暖房を使うことで、人だけではなく、犬にとっても良いことがあります。まずは、犬にとっての床暖房の利点を見ていきましょう。
犬と火が直接触れない
床暖房は、火に直接触れない暖房器具なので、犬が火に触れたり火事を起こしたりといった心配がありません。犬は、飼い主さんが思いもよらない行動をとることがありますが、それによって起こる事故の心配を減らすことができます。
足元から部屋全体を暖める
エアコンのような暖房器具でお部屋を暖めると、暖かな空気が上にたまってしまい、犬がいる床近くまで暖房が行き届かないことがあります。ですが、床暖房はその床から暖めていきますので、お部屋の隅々まで暖めることができます。
ホコリ・ダニ対策に
温風を起こすタイプの暖房器具では、ホコリや犬の毛を巻き上げてしまうことがあります。風を起こさない床暖房は、ホコリなどにアレルギーがある犬にも使いやすいでしょう。また、床暖房にカーペットをひいて使用している場合は、熱に弱いダニが床暖房の表面まで逃げてくるようになります。すると、掃除機でダニを吸い取りやすくなります。
犬が床暖房を使うときの問題点
みなさんは、犬にとっての快適な温度をご存じでしょうか。犬にとっての適温は『19~23℃』、寒さに弱い種類であっても『20~25℃』と言われています。
環境省が冬の暖房時の室温目安を『20℃』としていることから、室温を極端に暑くしなければ、人にも犬にも快適な温度で、一緒に過ごすことができるでしょう。
ですが、床暖房の温度は、室温とは異なります。床暖房の温度は、ガス温水式であれば『約40℃』、電気式であれば『約45℃』ほどになります。
犬は床暖の影響を受けやすい
より床に近い環境で過ごす犬は、床暖房の温度の影響を強く受けることになります。犬は、人が感じている室温よりも、暑い環境で過ごすことになるのです。ですので、人にとっての快適な温度が、犬にとっての快適な温度ではないこともあります。
低温火傷
低温火傷とは、40~60度の低温で生じる火傷のことをいいます。床暖房によって、犬が低温火傷をする可能性は低いですが、低温火傷を起こす可能性はゼロではありません。特に、足が不自由である場合には注意が必要です。床暖房の上で、長時間同じ姿勢で居続けたりすると、低温火傷を引き起こしてしまう可能性があります。低温火傷は、健康な犬でも40度以上に数時間触れたままでいたときに起こります。床暖房であっても、条件が重なれば低温火傷を起こす可能性がありますので、念のため注意をしてくださいね。
犬が床暖房を使うときの対策
犬と一緒に床暖房を使う場合、温度や場所に気を付ける必要があります。床暖房の設定温度は、35℃ほどの低めに設定したり、カーペットを使用したりして、犬が触れる部分が熱くなりすぎないようにしましょう。
また、犬が暑いと感じたときに、涼める場所を用意することも重要です。犬が床暖房の熱が来ない所に自由に出入りできるように、お部屋を整えてあげましょう。さらに、スノコを敷いて風通しのいい場所を作ったり、夏に活躍する冷感マットを出しておいたりするのもお勧めです。
特に、子犬や老犬は体温調節が苦手なことが多く、飼い主さんが室温をしっかりと調節してあげる必要があります。
また、飲み水やフードは床暖房の熱を受ける所に置いてしまうと、痛んでしまうことがあります。犬が自由にアクセスでき、なお且つ熱を受けないところに用意するようにしましょう。
まとめ
床暖房は、それ自体が暖かいだけではなく、床から部屋全体を効率よく暖めることができ、正しく使用することで、人も犬も寒い冬を快適に過ごすことができます。
ですが、犬は床暖房のリスクを考えて使うことはできません。飼い主さんがリスクを十分理解した上で、正しく使用してあげましょう。