サプリメントは犬の認知症を予防できるのか?という研究結果

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サプリメントは犬の認知症を予防できるのか?という研究結果

昔に比べると犬の平均寿命が長くなり、それと同時に加齢に関連した犬の認知症も多く見られるようになりました。サプリメントで犬の認知症を予防できるのか?という気になる研究結果をご紹介します。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

犬の認知症とサプリメント

錠剤と舌を出したジャックラッセル

医学や栄養学の発達とともにペットの犬の寿命も昔に比べてかなり長くなりました。けれども人間と同じように、高齢化に伴って犬の認知症も多くなっています。皆さんの身近にも認知症の愛犬のお話を見聞きされたことがあるかと思います。

人間のアルツハイマー病と犬の認知機能障害には共通点が多く見られます。代表的なものでは、脳にアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積すること、記憶していたことを忘れてしまうこと、問題解決や学習能力が落ちてしまうことなどです。

カナダのトロント大学の研究チームは過去20年に渡って、老犬の認知症をサプリメントの使用によって予防できる可能性を探ってきました。そしてこのたび、ペットフードメーカーのネスレピュリナ社の研究チームが新しく参加して実験が行われ、サプリメントの摂取によって老犬の脳の認知機能に良い効果が得られたことが発表されました。

どんなサプリメント?どんな実験?

シニアビーグル

サプリメントで愛犬の認知症が予防できるなら本当にうれしいことですよね。
気になるそのサプリメントは、抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、セレン)ビタミンB群、フィッシュオイル、Lアルギニンを配合したものでした。

実験に参加したのは、認知機能が同じくらいの9〜11歳半のビーグルたちでした。
犬たちを2つのグループに分け、6ヶ月にわたって一方には前述のサプリメントを与え、一方には通常の食事のみを与えました。

実験の内容は、食べ物を隠すことができる複数の穴が設置された装置を犬たちに見せます。食べ物が隠されている穴はひとつだけ印が付けられていて、犬たちは印のついた穴を探すようにあらかじめ訓練されています。
実験の回を重ねるにつれて印の位置が移動して難易度が上がっていき、犬たちの学習の速さなどを観察記録するというものです。

そして気になる実験の結果は?

ボウルに入ったトリーツと聴診器

印のついた穴の中の食べ物を探す実験の結果ですが、サプリメントを摂取していたグループの犬たちは摂取していないグループよりも明らかに優れた結果を出したということでした。

おもしろいことに一番難易度の低い最初の実験では、2つのグループの間には違いはなかったのだそうです。

しかし難易度が上がっていくにつれて、サプリメント摂取の効果が明らかになっていったそうです。

適切なサプリメントで栄養補助をすることで、シニア期に差し掛かった犬の脳の認知機能もアップすると結論が出せそうです。

サプリメントの成分が含まれる食品は?

黒い老犬とオレンジ

このような結果を聞くと、ぜひうちの犬にもサプリメントを!と思うのが人情ですが、市販のドッグフードを食べている犬ならば、必要な栄養素は全てフードに含まれているはずですので、サプリメントを摂る場合には獣医師や犬の栄養の専門家などに相談してからにしましょう。

手作りの食事を与えている場合には、これらの栄養素が含まれる食材を知っておくことは役に立ちそうですね。

抗酸化物質 

この実験に使われたのはビタミンCとビタミンE、セレンでした。

ビタミンC

果物が頭に浮かびますが犬の食事に使いやすいものではサツマイモ、カリフラワー、パプリカ、ブロッコリーなどがあげられます。

ビタミンE

オリーブ油、全粒穀物から摂取できます。

セレン

魚類や内臓肉に豊富です。

ビタミンB群 

ビタミンB群は魚や鶏肉、肉類、卵、乳製品から摂取することができます。またオートミールなどの全粒穀物やビール酵母もビタミンB群の良い摂取源です。

フィッシュオイル

その名の通り魚の油ですので、鮭やイワシなど油を多く含む魚から摂取できます。フィッシュオイルに含まれるオメガ3系脂肪酸は食事から摂らなくてはならない必須脂肪酸なので、チキンや肉類を与える時にはフィッシュオイルのサプリメントをプラスするのも良い方法です。

Lアルギニン

Lアルギニンは犬にとっては必須アミノ酸のひとつですが、肉類や乳製品などの動物性のタンパク源に豊富に含まれています。ドッグフードのタンパク源は動物性のものが望ましいと言われるのは必須アミノ酸が自然な形で含まれているからでもあります。

まとめ

フィッシュオイルのカプセル

トロント大学とネスレピュリナ社の研究によって、ある種のサプリメントの摂取がシニア期の犬の脳の認知機能を高めることがわかりました。

体の健康だけでなく、愛犬が年をとっても脳の働きがしっかりしているのは、犬の生活の質のためにもとても大切なことです。もちろん飼い主にとっても嬉しいことですよね。

研究にドッグフードメーカーが携わっていることから、今後脳のための機能性ドッグフードなどが販売されることと思いますが、どんな栄養素が犬の脳に良いのか、飼い主も知っておきたいですね。

《参考》
https://www.psychologytoday.com/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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