野良犬とは
野良犬を近年見かけなくなった理由について知る前に、まずは野良犬とはどのような定義を持っているのかについてお話しします。漠然と飼い犬でない犬が野良犬だと考えている人が多いですが、細かく見ていくとあるいくつかの定義に則り、野良犬かそうでないかが判別されています。
まず1つ目に飼い犬として登録がされていない場合です。これは前述したとおり、飼い主がいないことを意味しています。2つ目にワクチン接種を行っていない犬が対象となります。今では犬のワクチン接種は飼い主の義務です。これを行われていない犬は、飼い主がいないことが多いため野良犬として見られることが多いです。
基本的にはこの2点を満たしている犬が野良犬として認識されています。しかし、一方で元々飼い主がおり、飼育放棄から野良犬になってしまった犬も存在します。このように例外も存在することを踏まえておきましょう。
野良犬が減った理由
今でも完全に野良犬がいなくなったというわけではありませんが、一昔前と比べると圧倒的に野良犬の数が減少していることがわかります。では、なぜ野良犬はここまで減少したのでしょうか。その理由についていくつかご紹介します。
1.保健所などが積極的に保護
まずは保健所による保護活動が大きな理由の1つです。一昔前までは保健所が野良犬を保護する件数が野良犬の数に対して少なかったため、街中をたくさんの野良犬が徘徊していました。
しかし近年、保健所が飼い主のいない犬を積極的に保護し、飼い主捜しを行っているため、野良犬が一気に減少したと考えられています。新たに野良犬が生まれても、その幾度しっかり保健所が保護してくれるため、最近では見かけることがなくなったのです。
2.1980年~2000年代に殺処分が多かった
上記で保健所が野良犬を保護しているから野良犬が減少傾向にあるという話が出ましたが、元々多かった野良犬がここまで減少したのはなぜでしょうか。
今でこそ少なくなった野良犬ですが、元々は多かったため保健所も手が回らなかった状態であったことは確かです。そこで一昔前に街中を歩いていた犬はどうなってしまったのか、疑問に思いますよね。
1980年~2000年代にかけて、保健所で行われた犬の殺処分数が非常に多かったことをご存知でしょうか。このほとんどが野良犬だと考えられているため、殺処分により野良犬の数が減少したものと考えられます。
3.室内飼いの家が増えたから
野良犬が減少した理由は保健所の保護活動だけではありません。野良犬の定義の中でもあったとおり、野良犬の中には飼い犬であったけれど、何らかの事情により飼い主が手放してしまったことにより、野良犬化してしまうケースも多かったのです。
これは一昔前まで室内飼いよりも屋外で飼うという方法が一般的だったためです。意図的に手を離したのではなく、雷の音に驚くなどきっかけがあり、自ら犬が逃げ出してしまい、飼い主と再会できずにそのまま野良犬となってしまうケースも多々ありました。
しかし、現在では室内飼いが一般的となっているため、家から逃げ出してしまう犬が減少しました。これにより飼い犬が野良犬化してしまうケースが減少し、結果野良犬が減少したことに繋がっています。
4.勝手に繁殖してしまう現象が減っている
これは結果論ですが、野良犬が減少したということは、野良犬同士で交配し、新たな命を生んでしまい、野良犬が増加してしまうという現象が抑えられていることも影響しています。
ここまでにもお話ししてきたとおり、一昔前までは野良犬が非常に多く、その野良犬の間で子どもを作ってしまい、さらに野良犬を増やしてしまうと現象が多発していました。
しかし、野良犬自体が減少した今、野良犬間で新しい子どもを作ることがなくなったため、新たな野良犬が生まれる数が一気に減少したのです。この理由により徐々に野良犬の数が減っています。
まとめ
今回お話ししたような理由により、近年では野良犬を見ることが少なくなりました。しかし、野良犬がいなくなったからといって殺処分がなくなったわけではありません。悲しいことに現在も飼育を放棄してしまう飼い主がいるため、保健所で引き取られ、殺処分されてしまう犬が後を絶たないのです。
まずは根本的に飼い主が飼い主の自覚を持つ、最後まで責任を持つという基本的なことから正していかなければ、野良犬はいなくなっても殺処分はなくならないのです。
ユーザーのコメント
女性 そらまめ
50代以上 男性 香川県高松市は多いです
特に私の住んでいる高松市では結構見かけますし、家の近所には野良犬の巣窟があります。
無責任な餌やりをする人間が長年住んでおりこの者のせいで、河川敷に野良犬の巣窟があります。
最近この者が死んだのか一時期よりは野良犬の数が減りましたが、定着してしまったために完全に野良犬を保護収容するまでには至っていません。
無責任な餌やりをする人間を駆除することが、野良犬の繁殖を一定程度防ぐことに効果があることは証明されましたが、野良犬すべてを保護収容するのは困難なようです。
無責任な餌やりをする人間を撲滅することがそれでも野良犬の繁殖を防ぐことには一番必要なことなのかもしれません。