帰宅時にしてはいけない接し方とは?
犬のしつけにダイレクトな影響を与えそうにない帰宅時の接し方ですが、実はある接し方をしてしまうと、愛犬が留守番をする際に過剰なストレスを抱えてしまうことがあります。では、帰宅時にしてはいけない接し方とはどのような行動なのでしょうか。
1.大げさに「ただいま!」と声をかける
やりがちな帰宅時の接し方に、大げさに「ただいまー!」と声をかけてしまうという行為があります。通常、家に帰ると「ただいま」と声をかけるため、愛犬にもついつい声をかけてしまうという飼い主さんは非常に多いでしょう。
しかし、この行為も愛犬に悪影響を及ぼしかねない行為の1つです。帰ってきてからすぐに構ってしまうという点で、愛犬の留守番に対する寂しさを増幅させてしまう可能性があるのです。
飼い主さんが声をかけることで「やっと飼い主さんが帰ってきた!構ってくれる」と大喜びする犬は多いですが、その反面、次に留守番をする時に「またしばらく飼い主さんがいなくなる」という寂しさが膨れあがってしまう原因になり得るのです。
2.帰宅直後に激しいスキンシップ
また上記の声かけと共に行ってしまいがちな行動が、帰ってきてすぐに激しいスキンシップをしてしまうという行為です。「ただいまー!」と言いながら大げさに撫でてしまったり、抱きしめてしまうという行為が当てはまります。
愛犬も喜びを体全体で表現し、構ってくれる飼い主さんに対して嬉しいという感情を見せてくれるかと思いますが、その一方で「こんなに飼い主さんが喜んでいるんだから、やっぱり長時間の留守番は大事なんだ」と再認識させてしまうことに繋がります。
犬を不安にさせないためには、「飼い主は必ず帰ってくる」という確信を持たせてあげる事が大切です。そのためには普段からの信頼関係を築くことも重要ですが、帰宅時に飼い主が大騒ぎしてしまうとそれだけ大事であると犬も勘違いしてしまいます。この認識によって「飼い主さんが帰って来れないかも」という危機感を生み出してしまうことがあるのです。
3.すぐに抱き上げてしまう
激しいスキンシップが挙げられましたが、すぐに抱き上げてしまう行為も問題です。理由は同じですが、やはり帰ってきてすぐに抱き上げてしまうと、寂しかった分、喜びが大きく、その差に犬自身が対応できなくなってしまうことがあります。
つまり、次回からの留守番時に、留守番中は寂しい思いをすることになるという感情を増幅させてしまう効果があるのです。
また帰宅時に抱き上げ、そこからずっと一緒に居るという行動もあまり好ましくありません。在宅時は常に一緒に居てあげたいという思いは理解できますが、あまりにも一緒に行動しすぎると分離不安症のリスクが生じます。
どのように接するべき?
帰宅時に飼い主が過剰に反応することで、愛犬の留守番に対する不安を煽ってしまうことになります。では、飼い主は帰宅をした際、愛犬に対してどのような態度を取るべきなのでしょうか。
帰宅後5分間は放置
まず帰宅してから最低でも5分は構わないでください。スキンシップはもちろん、声かけやアイコンタクトもなるべくしない方が良いです。
愛犬からしてみるとお留守番は大事ですが、飼い主がいつもと変わらない態度を取ることで、「あれ?お留守番していたのに」という気持ちから「飼い主さんは慌ててない。そんなに大事でもないのかも」という認識に変わっていきます。
「お留守番は大事ではない」と教えることは「飼い主はきちんと帰ってきますよ」というアピールにも繋がります。これを認識させることで、お留守番に対するストレスや不安は軽減させることが可能です。
基本動作で落ち着かせてから褒めてあげる
帰宅時はコートを脱いだり、バッグを片付けたり、買った物を整理したりとすることがたくさんあります。これらを愛犬に構わず行うことで、5分はあっさりと経過するものです。
いざ5分経過し、愛犬とスキンシップをとる前に、一度基本動作をさせることで落ち着かせるようにしましょう。一度愛犬にも冷静になってもらうことで、留守番を落ち着いて行う、怖いことではないと冷静さを取り戻させることができます。
基本動作がしっかりできたら、そこで「よくできたね!偉いね」と褒めてあげましょう。そこから愛犬との時間を確保し、スキンシップをとってあげてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。多くの飼い主さんがついついやりがちな行動が、愛犬が留守番をするときに不安を煽ってしまっている可能性があります。なるべく平常心で留守番をしてもらうためにも、今回ご紹介したポイントをしっかり押さえておきましょう。