犬に豆類(大豆など)を与えてもいい?
生の豆類はNG
基本的に犬に豆類を与えるのは控えてください。
まず、豆を喉に詰まらせてしまう恐れがあります。
小さい豆なら大丈夫と思うかもしれませんが、犬は食べ物を丸飲みしてしまうことがあります。
そのまま飲み込んでしまうと詰まる可能性があります。
また、小型犬の場合は食道自体が細いので詰まりやすく、中型、大型犬以上に危険です。
次に豆で消化不良になったり、体調を崩すことがあります。
犬は元々肉食動物から雑食へと進化した動物なので食物繊維や植物性タンパク質の消化吸収が得意ではありません。
そして犬は豆類に含まれる「トリプシンインヒビター」という成分を消化するのに人間の何倍も時間がかかります。
またトリプシンインヒビターを取りすぎるとインシュリンの過剰分泌による膵臓障害や、下痢、嘔吐、呼吸困難などになる可能性があります。免疫に以上をきたしてアレルギーになる犬もいます。
そのためどんなに栄養価が高くてもたくさん食べると毒になってしまいます。
加工した豆類はOK
豆自体にはとても良い成分が含まれています。
例えば、大豆は植物性タンパク質が豊富で低カロリーです。
良い効果があるなら犬に与えたくなりますよね。
しかし未加工の生の豆類は先程紹介したとおり、犬にとって毒になってしまいます。
ただ、豆類を加工したものであれば大量に与えなければOKです。
ベジタリアン向けのメニューに使われている大豆を肉にみたてた大豆ミートや納豆、豆腐、おからなどは与えても大丈夫でしょう。
注意してほしいのは加工されたものだとしても大量に与えないことです。
また豆類を中心と食事ではなく動物性タンパク質を中心とした食事をキープしてください。
そして腎臓病や心臓病、貧血などの治療をしている犬には悪影響がでる場合がありますので、獣医さんに加工した豆類を与えても良いか相談してみてください。
犬に豆類を与えることで期待できる効果
まだ明確な研究発表はありませんが、期待できるのではないかと言われてる働きが2つあります。
シニア犬のエイジングケアやサポート
ひとつめはシニア犬のエイジングケア、サポートです。
大豆に含まれる大豆サポニンは抗炎症作用やがん細胞の増殖の抑制、活性酸素の除去などの効果が期待されています。
しかし大豆サポニンは発酵すると減少してしまうとも言われています。
肥満対策
大豆ペプチドは内臓脂肪を減少させる効果があるかもしれないと言われています。
運動とセットにすることで脂肪の蓄積を抑え、肥満を防ぐ効果が期待されています。
毎日の散歩にプラスして大豆の加工品を与えてみると良いかもしれません。
犬に食べさせてはいけない危険な豆の種類
生の豆類
まず絶対に与えてはいけないものは何の処理も加工もしていない生の豆類です。
消化不良をはじめ、嘔吐、下痢、運動失調、呼吸困難など様々な危険な状態に陥る可能性があるためです。
大豆
大豆はトリプシンインヒビターが含まれています。
そのため大量に摂取すると消化不良を起こし、生の豆類と同じように下痢や嘔吐といった症状があらわれます。
また大豆にはグリシニンという成分があり、それによって鉄の吸収が阻害されると言われています。
貧血気味の犬や、貧血の治療中の犬には与えないほうが良いでしょう。
枝豆
枝豆は大豆の未熟果です。
ビタミンB1がスタミナ不足を解消してくれるのに役立つ他、変分の排出を助けるカリウムなどが豊富に含まれています。
しかし、食物繊維が豊富であるため犬に与えると下痢を引き起こしてしまいます。
豆類ではなく他の食べもので犬の栄養を補おう
豆には特有の栄養があるわけでもなく、犬が必ず摂取しなくてはいけないものもありません。
そうであれば危険性の少ないものを与えて補うほうが良いでしょう。
1番良いのはやはりドッグフードです。
ドッグフードは犬専用に作られているため必要な栄養が計算されており、肥満防止にもなります。
たくさんのドッグフードが販売されていますので、その犬の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。
もし迷ってしまったら獣医さんに相談してみることをオススメします。
まとめ
犬は人間と体内の構造が違うため、人間にとって体に良い食べ物であっても犬にとっては良くないことがあります。
飼い主さんがあげてはいけない食べ物や、食べ物の与え方をしっかりと理解し与えなければいけません。
理解せずにあげてしまって何らかの病気を引き起こしては遅いですからね。
豆類は栄養が豊富に含まれている一方で、犬にとっては良くない成分も含まれています。
加工品であれば与えてもOKなので、少量ずつあげてください。
もし何か病気を患っている場合は獣医さんに相談してみてください。
病気を持っている犬に自己判断で豆類を与えるのはとても危険ですので必ず相談してください。
豆類特有の栄養素というものはないので、代わりに他の安全な食品、主にドッグフードなどを与えることをオススメします。