犬に卵の殻を与えても大丈夫?
まず結論からお伝えすると、犬に卵の殻を与えても大丈夫です!
卵も殻にはカルシウムが豊富に含まれていますし、殻の内側にある薄い膜にはコラーゲンなどの栄養素が含まれており、犬の皮膚に被毛にも良い栄養素です。
SNSでは、卵を殻ごと犬に与えている写真をよく目にします。大型犬に多い印象なのですが、栄養素を補うために与えているのだと思います。
卵の殻から摂ることができる栄養素を犬に与えたいと考える場合も、うっかり置きっぱなしにしていた卵の殻を犬が誤って食べてしまった場合も、心配する必要はありません。
もし、卵の殻を犬が誤って食べてしまい体調を崩してしまった場合には、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
卵の殻を犬に与える際の注意点について
卵の殻を与えることには、デメリットがいくつかあります。
- 1. 卵の殻の表面にはサルモネラ菌が存在する可能性がある
- 2. 卵の殻の表面を殺菌するために次亜塩素酸ナトリウムなどが使用されている
- 3. 卵の殻は消化されにくい
このような3つのデメリットを考えることができ、十分に注意して与えなければなりません。
1についてですが、日本で販売されている一般的な卵はしっかりと消毒された状態で販売されていますので、サルモネラ菌に汚染されている確率は非常に低いとされています。しかし、卵の内部にサルモネラ菌が侵入している場合もあり、また適切に保存されていなかった卵ではサルモネラ菌が増殖している可能性がありますので、適切な温度管理のもとで保存された新鮮な卵を冷蔵庫から出してすぐに調理して使いましょう。
卵の殻は消化されにくいのですが、全く消化されないというわけではありません。細かく砕いたものを与えると良いのではないでしょうか。卵の殻に含まれている栄養素(カルシウム)を与えたいという目的なのであれば、粉末にしてドッグフードに混ぜて与えるのも良いと思います。
そもそも、犬に卵を与えても大丈夫なのか?
老犬の栄養補給のために毎日生卵を与えているという飼い主さんがいらっしゃったのですが、犬に生卵を与えてカラダを壊さないのかと心配する声もありました。
実は、犬に生卵を与えても大丈夫なんです。ただし、犬に生卵を与える場合には注意しなければならないことがあります。
犬に生卵を与える際の注意点について
生卵を食べたことによってお腹を壊してしまう犬がいます。卵だけではなく生モノには全て同じことが言えるのではないかと思うのですが、加熱したものと比べて消化に時間がかかる食べ物だからです。
消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢などの症状がみられることもあります。とくに、犬の体調が優れない日に生卵を与えることは控えましょう。
また、生卵を食べたことによってビタミンの吸収が少し阻害されてしまう可能性があります。生卵の白身に含まれているアビジンという成分に、ビオチン(ビタミンB7)の吸収を阻害する作用があるからです。
しかし、生卵1個に含まれているアビジンの量はほんのわずかですので、1日1個の生卵であれば大きな問題はないでしょう。生卵の場合も殻ごと与えても大丈夫ですが、殻は細かく砕いてから与えるのが良いでしょう。
犬にはゆで卵がおすすめ!
生卵にはお腹を壊してしまう可能性がありますが、加熱されたゆで卵ならより安全で安心して与えることができます。沸騰したお湯で5分間以上茹でればサルモネラ菌による食中毒の心配もありません。
卵には犬の必須アミノ酸全10種類を含む良質なタンパク源になります。また、特に半熟卵が消化に良いようです。
また、ミネラル・ビタミンA・ビタミンB2・ビタミンD・葉酸・鉄・ナトリウムなどの栄養素を補うこともできます。
もちろん、ゆで卵も殻ごと与えて大丈夫です。ただし、細かく砕いてから与えましょう。
まとめ
犬に卵の殻を与えてもとくに大きな問題はありません。ゆで卵なら食べごたえもありますし、犬も満足してくれるのではないでしょうか。
卵にアレルギーを持つ犬もいるため、初めて卵を与える時は少量を与えて様子をみましょう。また、薬を服用している場合には飲み合わせにも注意が必要ですので事前に獣医さんに相談しましょう。
現在市販されているドッグフードは、適切に栄養が調節されていますので、卵の殻でカルシウムを補給しなければならない場合はまずないでしょう。しかし、卵の殻の食感が好きな子にはおやつやトッピングとして少量またはたまに与えることは問題ないと思われます。カルシウムも摂取し過ぎると健康に悪影響をもたらしますので、与え過ぎないようにして下さい。アクシデントで卵を殻ごと食べてしまったくらいなら、「殻を食べたこと」には心配はいりません。ただ、成長期の子犬、特に大型犬・超大型犬の子犬では過剰なカルシウム摂取は骨の成長に悪影響を与えるので、卵の殻も含めカルシウムを多く含む食品は与えないようにして下さい。