チワワの飼いやすさはどのぐらい?初心者でも「飼いやすい」と言われる理由や人気の秘密を解説

チワワの飼いやすさはどのぐらい?初心者でも「飼いやすい」と言われる理由や人気の秘密を解説

チワワは本当に飼いやすい?その性格や特徴、しつけの注意点、かかりやすい病気まで徹底解説。共働きでの飼い方や「飼うんじゃなかった」と後悔しないためのポイントも紹介。チワワを飼う前に知るべき全てがここにあります。

チワワが「飼いやすい」と言われる理由

ソファの上で伸びをするチワワ

チワワは、その愛らしい容姿だけでなく、現代の日本の住環境に適した特性から「飼いやすい」犬種として長年人気を博しています。

しかし、その「飼いやすさ」は、犬種特有の性質を正しく理解し、適切な環境を整えることが前提となります。

ここでは、チワワが飼いやすいと言われる具体的な理由を解説します。

省スペースで飼育できる体の小ささ

チワワが飼いやすいと言われる最大の理由は、その体の小ささにあります。成犬でも体重は1.5kgから3kg程度が標準で、このコンパクトな体は都心部のマンションやアパートといった限られた居住空間でも飼育しやすいという大きな利点につながります。

トイ・プードルやポメラニアンといった他の小型犬種と比較しても、生活のために必要なスペースや、ケージ、ベッドなどの飼育用品が小さくて済むため、スペースの確保に悩むことが少ないでしょう。

少ない運動量で満足しやすい

活発な犬種ではありますが、チワワは長時間の運動を必要としません。毎日の散歩はもちろん重要ですが、室内での遊びでも運動欲求を十分に満たすことができます。

例えば、天候の悪い日には無理に外に連れ出す必要はなく、室内でおもちゃを使って一緒に遊んであげることで、良いコミュニケーションの時間にもなります。もちろん個体差はありますが、毎日1~2時間走り回る必要があるような犬種に比べると、飼い主の体力的な負担が少ない点も、飼いやすさの一因と言えます。

お手入れの負担が比較的少ない

チワワには、被毛が滑らかな「スムースコート」と、長く柔らかな「ロングコート」の2種類が存在します。スムースコートの場合、トリミングサロンでの定期的なカットは基本的に不要で、日常のお手入れは獣毛ブラシでのブラッシングや、固く絞ったタオルで体を拭く程度で十分です。

ロングコートの場合でも、柴犬のようなダブルコート(上毛と下毛の二重構造の被毛)の犬種に比べると毛量は少なく、毎日のブラッシングで毛玉を防ぐことができれば、自宅でのケアも比較的容易です。

チワワの飼いやすさに関わる「性格」と「特徴」

人の膝に頭を乗せて甘えるチワワ

チワワとの暮らしを考える上で、その性格や身体的な特徴を深く理解することは不可欠です。小さな体に秘められた、繊細かつ愛情深い性質を知ることで、より良い関係を築くことができます。

性格

飼い主への愛情が深く忠実

チワワは、自分が認めた飼い主や家族に対して、非常に深い愛情と忠誠心を示す犬種です。常に飼い主のそばにいることを好み、その小さな体で一生懸命に愛情を表現します。
この性質は、犬と密な関係を築きたいと考える人にとって、かけがえのない喜びとなるでしょう。ただし、その愛情深さが独占欲につながり、飼い主を誰にも渡したくないという気持ちから、他の人や犬に対して攻撃的になる場合もあります。

警戒心が強く勇敢

チワワの祖先は、番犬としての役割を担っていたとも言われています。その名残から、体は小さいながらも非常に警戒心が強く、勇敢な一面を持っています。見知らぬ人や物音に対して敏感に反応し、けたたましく吠えて危険を知らせようとすることがあります。

この警戒心の強さは、番犬としての役割を果たす一方で、過剰な吠えや威嚇行動につながらないよう、子犬の頃からの社会化が重要になります。

繊細で臆病な一面も

勇敢さとは裏腹に、チワワは非常に繊細で臆病な神経を持つ犬種でもあります。大きな音や急な動き、慣れない環境に対して強いストレスを感じやすい傾向があります。

この繊細さを理解せずに、乱暴に扱ったり、強く叱りすぎたりすると、恐怖心から問題行動を起こしたり、心を閉ざしてしまったりする可能性があるため、常に優しく穏やかに接することが求められます。

体の特徴

世界最小の犬種

公認されている純血種の中で、チワワは世界で最も小さい犬種です。その小さな体躯はチワワの最大の魅力であり、多くの人を惹きつけます。

しかし、同時にその小ささゆえの華奢さも理解しておく必要があります。

ロングコートとスムースコート

チワワの被毛には2つのタイプがあります。「ロングコート」は、絹のように細く柔らかな毛が特徴で、耳や首周り、尻尾の飾り毛が優雅な印象を与えます。

「スムースコート」は、光沢のある滑らかな短毛で、体にぴったりとフィットしています。お手入れのしやすさは異なりますが、どちらのタイプもチワワ特有の魅力を持ち、抜け毛は双方にあります。

アップルヘッドと呼ばれる頭の形

チワワの頭部は、「アップルヘッド」と呼ばれる、リンゴのように丸みを帯びた形が理想的とされています。

これは犬種特有の骨格であり、他の犬種には見られない大きな特徴です。この頭の形ゆえに、頭頂部の骨が完全に閉じていない「モレラ(泉門)」が開いている子もいます。

豊富なカラーバリエーション

チワワは、認められている毛色の種類が非常に多い犬種です。

ブラック、ホワイト、クリーム、レッド、フォーン(淡い黄褐色)、チョコレートなど単色のほか、2色以上の色が混じったパーティーカラーや、特定の部分に色が入るタン・マーキングなど、個性豊かなカラーバリエーションが存在します。

チワワを飼う前に把握しておきたい注意点

コマンドトレーニング中のチワワの子犬

チワワとの生活は多くの喜びをもたらしますが、その小さく繊細な体を守り、健やかな暮らしを支えるためには、飼い主が事前に把握しておくべき注意点がいくつかあります。

子犬期からの社会化としつけ

チワワの警戒心の強さや臆病さは、時に吠え癖や噛み癖といった問題行動につながることがあります。これを防ぐためには、子犬の頃の「社会化」が極めて重要です。

「社会化」とは、犬が人間社会の様々な刺激(人、他の犬、物音、場所など)に慣れ、適切に対応できるようになるための学習過程を指します。ワクチンプログラムが完了したら、安全な環境で様々な経験をさせてあげましょう。また、トイレトレーニングや「マテ」「オイデ」といった基本的なコマンドは、根気強く教える必要があります。

注意したい病気やケガ

チワワは、その体質や骨格から、特にかかりやすいとされる病気やケガがあります。飼う前に必ず理解し、医療費の備えもしておくことが大切です。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

「膝蓋骨脱臼」は、後ろ足の膝にあるお皿のような骨(膝蓋骨)が、正常な位置からずれてしまう病気で、特に小型犬に多く見られます。

症状が進行すると痛みや歩行異常を引き起こし、外科手術が必要になる場合もあります。滑りやすい床材を避ける、高い場所からの飛び降りをさせないといった生活環境の配慮が予防につながります。

気管虚脱

「気管虚脱」は、呼吸の通り道である気管が、本来の筒状を保てずに潰れてしまう病気です。興奮した時やリードを強く引いた時などに、「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような乾いた咳が出るのが特徴です。肥満や首への負担が症状を悪化させるため、体重管理とハーネス(胴輪)の使用が推奨されます。

水頭症

「水頭症」は、脳室内に脳脊髄液という液体が過剰に溜まり、脳を圧迫してしまう病気です。特にアップルヘッドのチワワに多いとされる先天的な疾患で、行動異常や痙攣発作などの神経症状を引き起こすことがあります。

治療が難しい病気であり、生涯にわたるケアが必要になることも少なくありません。

骨折や頭部への衝撃

チワワは骨が非常に細く華奢なため、些細なことで骨折しやすい犬種です。ソファからの飛び降りや、飼い主が誤って踏んでしまうといった事故には最大限の注意が必要です。

また、頭頂部の泉門が開いている場合、頭への強い衝撃は命に関わる危険性があるため、特に慎重な扱いが求められます。

散歩の必要性と注意点

必要な運動量は少ないものの、散歩は運動のためだけでなく、社会化や気分転換、ストレス解消のために不可欠です。

毎日15分~20分程度を目安に、外の世界の匂いを嗅いだり、音を聞いたりする機会を作ってあげましょう。ただし、夏の暑い日中のアスファルトは火傷の危険があるため避け、冬は防寒対策をするなど、気温への配慮が必要です。

被毛や歯のお手入れ

被毛のお手入れは、スムース、ロング問わず、皮膚の健康を保つために重要です。定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、皮膚の異常がないかチェックしましょう。

また、チワワは口が小さく歯が密集しているため、歯周病になりやすい犬種です。子犬の頃から歯磨きに慣れさせ、毎日の習慣にすることが理想です。

チワワを飼うのに向いている人はどんな人?

ソファに寝転ぶ女性と正面を向きながら寄り添うチワワ

チワワの特性を理解した上で、どのような人がチワワの飼い主として向いているのでしょうか。ここでは、チワワと幸せに暮らせる人の具体例を挙げます。

室内で過ごす時間を大切にする人

チワワは飼い主と一緒にいることを何よりも好む甘えん坊な犬種です。アウトドアでダイナミックに活動するというよりは、家の中で飼い主のそばに寄り添って穏やかに過ごすことに幸せを感じます。

そのため、インドア派で、自宅での時間を大切にし、愛犬との触れ合いを十分に確保できる人は、チワワにとって最高のパートナーとなるでしょう。

小型犬のしつけや健康管理を熱心に学べる人

「小さいからしつけは適当で良い」という考えは、チワワを飼う上で最も危険です。その警戒心の強さや繊細さから、甘やかすだけでは手に負えない問題行動につながる可能性があります。犬のしつけの重要性を理解し、一貫性のあるトレーニングを根気強く行える人が向いています。また、特有の病気やケガについて学び、日々の健康チェックや環境整備を怠らない、責任感の強い人が求められます。

集合住宅に住んでいる人

体の小ささや運動量の少なさから、チワワはマンションやアパートといった集合住宅での飼育に適した犬種と言えます。ただし、これは無駄吠えのしつけがきちんとできていることが大前提です。

警戒心が強い性質を理解し、チャイムの音などに過剰に反応しないようトレーニングを行うことで、近隣トラブルを避け、良好な関係を保つことができます。

チワワは共働きでも飼える?

男女のカップルとチワワ

結論から言うと、チワワは共働き世帯でも飼いやすい犬種です。

他の犬種に比べて長時間の散歩や運動を必要としないため、仕事で忙しい飼い主でも、日々のケアの負担は比較的小さいと言えるでしょう。

ただし注意点も多くあります。「共働きでも飼える」ことと、「何もしなくても大丈夫」であることは全く異なります。

最も重要なのは、留守番環境の整備と、帰宅後のコミュニケーションです。飼い主が不在の間、犬が安全かつ快適に過ごせるよう、温度管理を徹底し、イタズラによる事故が起きないようにサークルやケージを用意することが不可欠です。

また、留守番の時間が長い分、帰宅後や休日には、散歩や室内での遊びを通して愛情をたっぷりと注ぎ、コミュニケーションの時間を密に取ることが求められます。

寂しさから「分離不安」という、飼い主と離れることに極度のストレスを感じる状態にさせないための配慮が、共働き世帯でチワワと幸せに暮らすための鍵となります。

チワワを「飼うんじゃなかった」と後悔するケースも…

人の手に尻込みするチワワ

愛らしいチワワとの生活に夢を抱いて迎え入れたものの、現実とのギャップから「飼うんじゃなかった」と後悔してしまうケースも残念ながら存在します。

事前に失敗のパターンを知り、同じ轍を踏まないように備えましょう。

吠えや噛み癖のしつけに失敗した

「小さいから大丈夫だろう」と子犬の頃の要求吠えや甘噛みを放置した結果、成犬になっても深刻な吠え癖や噛み癖が治らず、手に負えなくなるケースです。

警戒心の強いチワワは、恐怖や不安から人や他の犬を威嚇し、吠え続けたり、本気で噛みついたりすることがあります。

一度定着した問題行動を修正するのは容易ではなく、専門のトレーナーへの相談が必要になったり、近隣トラブルや来客を呼べないといった問題に発展したりして、飼育そのものが大きなストレスになってしまいます。

医療費が予想以上にかさんでしまった

チワワに多いとされる膝蓋骨脱臼や気管虚脱、心臓病などの治療には、高額な医療費がかかることがあります。特に外科手術が必要になった場合、数十万円単位の出費となることも珍しくありません。「ペット保険に入っていなかった」「病気のリスクを甘く考えていた」ために、十分な治療を受けさせてあげられず、経済的にも精神的にも追い詰められてしまうケースです。可愛い姿の裏にある病気のリスクを軽視した結果、後悔につながります。

留守番が多くて分離不安にさせてしまった

飼い主への依存心が強いチワワは、留守番の時間が長すぎたり、飼い主とのコミュニケーションが不足したりすると、強いストレスから分離不安を発症しやすい犬種です。

飼い主がいない間に延々と吠え続ける、家具や物を破壊する、不適切な場所で排泄をするといった問題行動が見られます。共働きで飼うこと自体は可能ですが、犬の心のケアを怠り、ただ家で待たせているだけの状態が続くと、犬も飼い主も不幸な結果を招いてしまいます。

まとめ

仰向けになって幸せそうな表情で眠るチワワ

チワワは、その体の小ささや少ない運動量から、現代の日本の住環境において非常に飼育しやすい犬種であることは事実です。しかしその一方で、非常に愛情深く忠実であると同時に、警戒心が強く臆病な一面も持ち合わせています。

その愛らしい姿の裏にある繊細な気質を理解し、子犬の頃からの社会化や一貫性のあるしつけを根気強く行うことが、チワワと幸せに暮らすための絶対条件です。また、膝蓋骨脱臼や気管虚脱といった特有の病気のリスクを正しく把握し、日々の健康管理と万が一の医療費に備える責任も伴います。

チワワを家族に迎えることは、何物にも代えがたい喜びと癒やしをもたらしてくれます。

その小さな命に最後まで責任を持ち、最高のパートナーとなるために、可愛いという魅力だけでなく、飼育の難しさや大変さもすべて受け入れる必要がある事を忘れないようにしましょう。

チワワを迎え入れるときは、ご自身のライフスタイルと照らし合わせてじっくりと検討してみてください。

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