優良なチワワブリーダーとは
優良なチワワブリーダーとは、まずブリーダーとしての役割について心得ています。
近年は子犬の体が小さければ小さいほど高値で取引される傾向にあり、最近では「極小チワワ」といった体重1キロほどのチワワが話題を呼んでいます。
しかし優良なチワワブリーダーであれば、こうした標準体重に満たない小さいチワワをあえて作出することはしないでしょう。本来ブリーダーとは犬種の保存と、犬質向上・体質改善を目的にブリーディングを行うことが厳守されています。
そのため、優良なブリーダーはチワワのスタンダード(犬種の基準となる指標)を外す極端に小さいチワワを作出することは健全性に欠けるため行いません。
チワワという犬種を正しく後世に伝えるために、まずチワワのスタンダードに沿う子犬の誕生を目指し、その上でチワワが抱える病気や体質などを改善できるようなブリーディングを行います。
チワワ専門ブリーダー探しで失敗しない5つのポイント
チワワのブリーダーは他の犬種に比べて数が多いため、その中から優良なチワワブリーダーと出会うことは簡単ではありません。しかし、以下のポイントに注目しながらブリーダー探しを行うと、悪質なブリーダーと出会うことを避けられるかもしれません。
- チワワをドッグショーに出陳しており、賞歴がある
- チワワの遺伝的疾患や気を付けたい病気やケガなどについて熟知している
- チワワを専門にブリーディングを行っている
- 犬舎が広く、チワワが走りまわれるほどのドッグランを設けてい
- チワワを心から愛しており、生涯責任をもって飼育をしている
ポイント1:チワワをドッグショーに出陳しており、賞歴がある
優良なチワワブリーダーは、JKC(※血統証明書などを発行する日本では最大の犬籍団体)が主催するドッグショーに出陳し、自身の犬舎からチャンピョン犬を輩出しているなどの賞歴を持っていることが特徴です。
ドッグショーではチワワの体型やたたずまい、毛色や毛質など審査されるもので、チワワの体高や体重、健康状態などすべてが良好である必要があり、チワワブリーダーの基本事項を確認するべき場であるといえます。
また、JKCが主催するドッグショーに出陳するには、子犬がJKCに血統登録がされていることが前提条件となります。つまりドッグショーの経験と賞歴があるということは、ブリーダーとしての基礎が築かれており、かつ正しい繁殖方法でブリーディングが行われているという証明につながります。
その他にも、犬の調教師であるハンドラーや愛玩動物飼養管理士など、犬に関わる資格を取得しているなどもポイントです。
ポイント2:チワワの遺伝的疾患や気を付けたい病気やケガなどについて熟知している
チワワは「水頭症」と呼ばれる脳の病気を好発する犬種です。
水頭症の原因は遺伝的なものであることがほとんどであるため、水頭症を発症している血統が混ざらないようにブリーディングをする必要があります。
この他にも、パテラ(膝蓋骨脱臼)と呼ばれる関節の病気や白内障などの目の病気にもかかりやすいため、飼育環境をチワワに併せて整え、日頃のケアを入念に行う必要があります。
こうしたチワワが抱えるリスクについて、ブリーダーは他人に子犬を譲る際は説明をすることが義務付けられています。優良ブリーダーであれば積極的に病気やケガの恐れについて、そして予防対策も教えてくれるでしょう。
ポイント3:チワワを専門にブリーディングを行っている
当たり前のようなことですが、チワワ専門の優良ブリーダーは、他犬種は扱わずチワワの飼育に専念しています。
しかし商業色の強いブリーダーは、一つの犬舎で今人気の犬種であるトイプードルやポメラニアン、ミックス犬など数種類扱っていることが多いでしょう。
特にミックス犬を作出している場合、チワワ以外の犬種を掛け合わせて子犬を作りだすというブリーダーの目的のひとつ「犬種の保存」から外れる行為になるため、ドッグショーに出陳しているようなプロ意識の高いブリーダーである可能性は低くなります。
また、同じ犬舎で他犬種扱っている場合、どこかでチワワ以外の血統が混ざってしまっている可能性もゼロではなくなります。交配についての知識なども乏しい傾向にあるため、慎重にブリーダーを見極める必要があります。
ポイント4:犬舎が広く、チワワが走りまわれるほどのドッグランを設けている
チワワは体が小さいためそれほど大きな犬舎がなくても飼育することは可能です。しかし、優良なチワワブリーダーであれば、チワワがストレスなく生活できるようにと広い犬舎やドッグランなどの設備投資を惜しみません。
ドッグランではチワワが走りまわれる他、ドッグショーに向けたトレーニングのために使用できます。どれだけチワワのために設備を整えているのかも、プロブリーダーとそうでないブリーダーを見極める一つの判断基準にしてみるとよいでしょう。
ポイント5:チワワを心から愛しており、生涯責任をもって飼育をしている
これまで4つのポイントを挙げてきましたが、何よりも重要なのがこれに尽きるでしょう。
それは、ブリーダーがチワワを心から愛し、生まれてきた命全てに責任を持ち、どんな子犬であっても大切に飼育していることです。人間同様、チワワも一生涯交配が行えるわけではありません。
つまり、ブリーダーを長年続けていれば必ず子犬が産めなくなった引退犬チワワが出てきます。また、中には障害を持って生まれてきた子犬、ショー向きでもなく、新しい飼い主も見つからない利益を生み出さないチワワも必ず出てくるでしょう。
そんなチワワ達も全て同じ愛情を注ぎ飼育し、犬に対する敬意を感じとることができることが、真の優良なブリーダーと言えるのではないでしょうか。
悪質なチワワブリーダーの特徴
残念ながら動物取扱いの規制取締りがあまり厳しくない日本では、チワワをお金儲けの道具としてしか考えていない悪質なブリーダーも多く存在しています。悪質ブリーダーを見極める際は、下記のポイントを確認してみましょう。
- 見学に予約不要で、とにかくチワワを売ろうとしてくる
- 犬舎の掃除、消毒が行き届いておらず、ワクチン接種なども行っていない
- 明らかに狭い犬舎で何頭もチワワを飼育している
明らかに狭い犬舎で何頭もチワワを飼育している
チワワは小型犬であるため、室内だけの飼育で繁殖を行うことも可能です。しかし、マンションのワンルームのような部屋に20頭以上のチワワを飼育している場合は注意が必要です。こうしたブリーダーは犬舎見学を断ってくることもあるのが特徴です。
犬舎の掃除、消毒が行き届いておらず、ワクチン接種なども行っていない
子犬を扱うブリーダーは、「犬ジステンパー」や「パルボウイルス」などの感染症にかかってしまうことを恐れています。
そのため、最低でも1回以上、朝・昼・晩というサイクルで犬舎の清掃、消毒を行い、ブリーダーによっては子犬に感染症予防の薬を飲ませるなどを行い、徹底しています。
また、子犬は生後45日~60日頃に1回目のワクチン接種を受けることが一般的です。月齢の経った子犬であってもワクチン接種がきちんとされていない場合、子犬の健康管理ができていないと考えられ、悪質なブリーダーである可能性が高まります。
見学に予約不要で、とにかくチワワを売ろうとしてくる
ペットショップの場合、見学するのに予約の必要がなく、あまり子犬を飼う気のない人であっても希望すれば子犬に触れることができますよね。悪質なブリーダーも同様で、犬舎見学に予約が不要な上、更に見学した日に子犬を連れて帰るよう購入を促す傾向があります。
しかし、優良なチワワブリーダーであれば、病原菌を持ち込まれることを極端に嫌がるため、必ず犬舎見学に予約が必要になります。また、見学前はどこへも立ち寄らず、まっすぐ自分の犬舎に来るようになどの注意があるでしょう。
そして、幾ら子犬の購入を希望したとしても、高齢の夫婦であったり、ほとんど家に人がいない家族などには譲ることを渋ったりします。ブリーダーにとっては目先の利益よりも、我が子同然のチワワが生涯幸せに暮らせることを願っているため、ブリーダーも子犬を譲る家族を見極めているのです。
まとめ
チワワはペットショップでも常に陳列されているほどの人気ぶりです。その分チワワをお金儲けの道具にしか考えていないブリーダーは多く、その中から優良なブリーダーを選別することは簡単なことではありません。
しかし、本当に犬好きでチワワを家族に迎え入れたいと思うのであれば、優良ブリーダーか、悪質ブリーダーであるかどうかは直感や雰囲気で感じとれるのではないでしょうか。
優良ブリーダーを見極めることだけに必死になってしまう前に、チワワを本当に家族にしたいのかどうか、自分自身に問いかける時間も忘れないでくださいね。
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50代以上 女性 匿名