犬が高いところに乗ることはありませんか?
テーブルの上やソファの上、椅子の上にベッドの上・・・普段過ごしている床より高い場所が好きな犬は多くいます。しつけをする上で、この「高い場所」に犬がいることについては賛否両論ありますが、実際のところ犬が高いところに乗ることには何か意味や問題があるのでしょうか。
犬が高いところに乗るのが好きな理由
まず犬が高いところに乗るのが好きな理由をご紹介します。高いところに乗るのが好きな理由は主に次の2つが考えられます。
居心地がいい
犬が好きな高い場所といえば、ソファやベッドが主にあげられるのではないでしょうか。このソファとベッドに共通しているのは「ふかふかとしていて感触がいい」ことです。柔らかくてふかふかの感触は人間と同様に犬もリラックスできるため、好きな場所です。単に感触がよくて居心地がいい、だから高いところに乗りたがる。一つ目はこういった理由が考えらます。
習性
二つ目の理由は習性によるものです。犬が野生で暮らす場合、山や崖などの高い場所から周りを見渡して外敵がいないか、獲物がいないかを探します。また、高い場所で眠ることは外敵に襲われにくいともいえます。そのため高い場所でに身を置くことは、安心できるともいえるのです。これらの習性から高い場所が本能的に好きな犬は多くいます。
飼い主より高いところにあげたら自分が偉いと思ってしまう?
しつけをする際に「犬を高いところに上がると飼い主よりも偉いと思ってしまい、しつけがうまくいかない」なんて言われるのを聞いたことはないでしょうか。これは野生ではリーダーが高い位置にいるからだ、なんて言われたりしますが、これは誤りであるともいわれています。そもそも群れの中にいた場合に高い場所に上るのは見張り役です。リーダは基本的に安全な場所にいます。
犬を高い場所に乗せるからしつけができないのではなく、家の中の「行ってはいけない場所」へ愛犬を自由に出入りさせてしまうことが犬にしつけが利かなくなる原因なのです。
例えばベッドは高い場所なので乗せてはいけないなんて言いますが、実際には犬が飼い主のそばで寝ようとするのは、犬が飼い主のことを群れの中まであると認識しているからこそです。決して飼い主をバカにしてベッドに上がっているわけではないのです。
犬の支配関係について
高い場所に乗せることで、犬が飼い主を下に見るなんてことはないとお伝えしました。同じように誤った考え方として、一昔前の「支配」によるしつけがあります。この飼い主の支配によるしつけは一般化していましたし、犬が安心して暮らすためにはそれが重要なのだと説かれていました。そのためには犬が嫌がることを無理やりすることで、上位に飼い主がいることを分からせるといったやり方が行われていました。怒鳴ったり、叩いたり、嫌がる音を出したりなどが当てはまります。
しかし、現在はそういったやり方は推奨されていません。犬は群れを作ってリーダーを作ることは確かですが、実際には群れの中で必要に応じてリーダーは変わります。群れのメンバーが協力し合って集団を形成しているのです。リーダーが絶対的な支配力を持っているわけではありません。
人間社会で暮らす上では常に人間がリーダーになる必要がありますが、力で支配しなくともリーダーになれます。「適切なタイミング」で「褒めて」育てること。犬が人間社会でスムーズに暮らすためには、飼い主にその力こそが必要なのです。犬との信頼関係は決して怒鳴って叩いて育てるものではありません。例え犬を高いところにあげたからといって、その信頼関係は崩れたりしないのです。
まとめ
犬が高いところが好きな理由は「居心地の良さ」と「習性」によるものであることが分かりました。そこが家庭内で乗っても問題ない場所であれば、高いところにあげることは問題ありません。
注意したいのは、ダックスフンドなどの足腰に負担がかかりやすい犬種や足腰が弱っている犬種です。これらの犬は高い場所へ乗ったり下りたりする際に、関節へ大きな負担がかかります。そのため普段から高い場所へは乗せないようにしつけをしましょう。もしくはスロープを付けてジャンプしなくても済むような工夫をしてあげましょう。
もちろん家庭のルールとして乗ってはいけない場所については、どんなに犬のお気に入りの場所だとしても乗せないようにしつけをすることが、他のルールを守る上でも大切になってきます。
犬にとってそのほとんどの時間を過ごすのが家です。家が犬が安心して居心地よく暮らすことができる、そんない場所を作ってあげましょう。
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40代 女性 大型犬