あなたにもできる!『パケボラ』という犬猫のボランティアをご存知ですか?

あなたにもできる!『パケボラ』という犬猫のボランティアをご存知ですか?

犬猫の保護活動に何らかの形で参加したいと考えていても、自分には何ができるのか判らないという人達は、きっと沢山いらっしゃると思います。実は、”搬送ボランティア”での参加という形があるんですよ!それは犬猫たちに幸せを運ぶ案内人なのです。

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搬送ボランティアとは

全国に呼びかけられているSNSでの里親探し

SNSが普及して、全国的に犬猫たちの里親探しが頻繁に行われています。

保健所の犬

▲沖縄の保健所で命のカウントダウンが始まった犬の里親探しがSNSで行われましたー村山さん提供の写真

それによって里親さんとして、地元のみならず、遠く離れた所からも手を差し伸べて下さる方も増えました。

里親が決まって搬送

▲この犬は、殺処分の前日に保護活動を個人でされている東京都在住の村山さんによって本土へ搬送されることになりました

当然なのですが、里親希望者が遠く離れた所にいる場合、陸送か空輸での搬送が必要となります。

搬送

犬猫の搬送は、大手運送会社でも請け負っていますが、それなりの費用がかかってしまいます。

空輸の犬達

▲村山さん提供の写真

例えば…

福岡で保護された小型犬の里親を募集をしたところ、東京の人が「是非、私が里親に!」と名乗りをあげたとします。

某運送会社で小型犬の空輸料金を調べたところ、約6万円弱でした。

これでは、そんなに費用が掛かるのであれば…と里親を断念してしまいかねません。

空輸される犬

▲村山さん提供の写真

パケボラとは

そこで活躍するのが『パケボラ』です。

パケボラ中

▲パケボラをされている上岡さん提供の写真

パケボラとは、"パッケージボランティア"の略で、里親が決まった保護犬、保護猫を、里親さん近くまで運んでもらうボランティアさんのことです。

パケボラ中

▲上岡さん提供の写真

本来なら”バゲージボランティア”で、『バゲボラ』というのですが、『パケボラ』の方が言いやすい、覚えやすいということで一般化されており、どちらも使われているのが現状です。

つまりどちらも犬猫の『搬送ボランティア』という意味で使われているのです。

パケボラ中

▲上岡さん提供の写真

航空会社では、犬猫は貨物扱いとなります。

構図

よく動物保護団体がSNSでパケボラ(バケボラ)を募集されているのを目にします。

SNSで里親募集を全国に拡散→遠方の人でも里親になれる→犬猫の陸送あるいは空輸での搬送が必要となる→業者に依頼すると費用が高額→里親希望者が減少してしまう→搬送ボランティアに犬猫を里親さんがいる所まで届けてもらう

陸送

▲この老犬は佐賀のFさんが長崎より引き取り、岡山・倉敷まで家族全員で車で搬送しました―Fさんより写真提供

つまり、旅行や出張、里帰りなどで飛行機や車、新幹線などを利用する人に、ついでに犬や猫をその人の荷物として運んでもらうのです。

搬送費用

パケボラさんに飛行機に預けるための手数料や、搬送中にかかる費用などを負担してほしいというリクエストもあります。

そこまで含めてのパケボラの形と、搬送費用のすべては、犬猫保護のボランティア個人や団体の人が負担する場合や、里親希望者が負担する場合と、いろいろな形があります。

猫の搬送

▲猫の搬送ボランティアももちろんありますーChiekoさん提供の写真

搬送中の世話

また、犬猫たちに触れたり、お世話したりすることが一切ない場合もあります。その場合は、本当に手荷物として、運ぶだけなのです。

一般的に飛行機の場合は、出発する空港に動物保護団体が里親が決まった犬猫をケージに入れて連れてきます。

それをチェックインする前にケージのまま受け取って、自分の荷物として航空会社のカウンターで預けます。

そして到着したら、空港の到着ロビーに引き取りに来ている人(現地の動物保護団体や里親さん)に渡します。

その作業をパケボラさんがすべてすることももちろんあります。

これはパケボラを頼む人と頼まれる人とが自由に話し合って取り決めることなので、ケースバイケースとなるようです。

ケージの犬

▲パケボラの由香さん提供の写真

パケボラを利用するのは空輸費用を抑えるため

空輸の場合は、乗客の手荷物として犬猫のケージを預けるのが一番安くなります。
パケボラを利用することで、空輸費用を大幅に抑えることができます。

空輸される犬

▲村山さん提供の写真

陸送

また、陸送でもパケボラさんが募集されることはもちろんあります。

車や新幹線など、やはり自分の荷物としてケージに入った犬猫を預かり、目的地まで運ぶのです。

この場合、遠方で時間がかかる時は、水やり、餌やり、車の搬送の場合は、散歩休憩など頼まれることが一般的です。

車での搬送

▲由香さん提供の写真

搬送ボランティア

当然これらはすべてボランティアなので搬送を手伝った事に対しての報酬などは一切発生しません。

陸送

▲由香さん提供の写真

自分は犬猫の保護活動はできない。そして里親にもなれない。
でも、搬送のお手伝いはできる!
「パケボラにはなれる!」という人は結構いるのではないでしょうか?

陸送

▲由香さん提供の写真

SNSでの募集

SNSにて、パケボラさんは常に募集されています。

その一例としてFBでの犬猫搬送ボランティアのマッチングのためのコミュニティ:https://www.facebook.com/groups/764692580215768/?fref=ts

このページを見ていただくと判るのですが、パケボラを募集しているだけでなく、自分が搭乗する飛行機の便や新幹線など、旅の予定を載せて「パケボラできますよ!」と自ら呼びかける人たちもいます。

このように、犬猫たちの”幸せの案内人”として、たくさんの人たちが声を上げているのです。

パケボラについて生の声

上記のマッチングサイトを立ち上げられた個人ボランティアの横山さんによると

よくパケボラと言われていますが、バゲージ扱いにするという意味でバゲボラとも言われています。

犬猫の負担を考えると、なるべく空輸は避けたほうが良いと思いますが、今や里親募集は全国展開になっているため、どうしても空輸が必要になってしまっている現状だと思います。
車で陸送の時は、荷物としてではなく、本当にボランティアとして運んで下さる方もいらっしゃいます。その際、長距離の場合はリレーになることも。

搬送出来る方とお願いする方がマッチングした場合は、双方で直接連絡を取り合うようになりますが、トラブルにならないように注意が必要かと思います。
ボランティアではなく、旅行で移動する一般の方が引き受けてくださる場合は、しっかり説明も必要かと思います。

最近はだいぶ搭乗便を投稿してくださる方が増えましたが、なかなか予定が合わないこともあるようです。
格安航空では、犬猫を預けられない会社もあるようですし、犬種により、空輸できない季節もあります。

犬猫の負担を考えると出来る限り近場で里親さんが見つかることが一番だとは思っています。

最終的には、現況のように多すぎる里親募集が無くなり、このボランティアは要らなくなることが一番だと思っています。

とのことでした。

横山さんが最後におっしゃられているように、犬猫を途中で遺棄したり、手放したりする人がいなくなれば、里親探しも必要なくなるわけです。それが一番私たち人間が目指さなければならない事だと思います。

老犬

▲Fさん提供の写真

また、鹿児島県のご自宅で犬猫の保護活動をされているふくしげさんは

私はパケボラさんにお願いする場合は、信頼できるボランティアさんのところへ移動する際にお願いしています。

ご旅行、お仕事、その方だけでなくご家族の方や、職場の方がご一緒の場合もあります。
パケボラをお引き受けくださる方は、いろいろな方がいらっしゃいます。

できる限りその方のご負担にならないように、またお手伝いをしたい!と思っていただけるように気を配れたらと思っています。

パケボラさんがどうしても探せない場合、飛行機の貨物として移動する場合もあります。
ただ、クレートが大きく重くなると輸送費用はパケボラさんの額とはかなり大きく差が出ます。

また、航空会社にお預けする時間もかなり差があります。
出発前もそうですが、到着してからも、パケボラさんに預けていただいた子は手荷物と一緒なので比較的早く降りてきます。

貨物になりますと、手荷物を降ろした後になりますので、鹿児島の場合飛行機到着後約20-30分してから降りてきます。
貨物室の空調は、客室と同じ設定にて下さっているので、すごく暑いとか寒いとかはないようです。でも、やはり大きな音や振動はあると思います。

そのようなことを考えると、ワンちゃんたちの精神的や体力的な負担もかなり違うと思います。

パケボラさんと一緒のフライトが、とってもありがたいです。

とのことでした。

空輸のパケボラ

▲上岡さん提供の写真

【幸せを運ぶ案内人】としてパケボラを記事にしたい!

パケボラ(バケボラ)という搬送ボランティアとして、【犬猫たちへ幸せを運ぶ案内人】は誰にでもできるということを、できるだけ多くの人にもっと知っていただければと願い、今回、わんちゃんホンポにて記事にしました。

筆者は鹿児島の保健所にいる犬をSNSで見て、里親としてこの夏に名乗りを上げました。その時、間に入ってくださったのは地元のボランティア団体でした。搬送費用をできる限り抑えるために、車で9時間もかけて(犬に負担をかけないために休憩をたくさんとったそうです)本州にいる筆者の元へ搬送してくださったのです。

里親になった犬

▲筆者が里親になった犬

この事をきっかけにパケボラという存在を知りました。しかし、パケボラについて知識がまだ薄かった筆者は、今回記事にするために上記横山さんが立ち上げていた搬送マッチングサイトにて、実際、パケボラを行っている方たちや保護活動を行っている方達にパケボラの体験談や詳細、写真の提供を呼びかけ、複数の方の協力を得て、ここまで記事にすることができた次第です。

今回の記事に関しましては、
FBでの犬猫搬送ボランティアのマッチングのためのコミュニティの立ち上げ人の動物保護個人ボランティアの横山さん(パケボラについてのインタビューに答えていただきました)、
そして実際パケボラを利用されている同じく個人ボランティアのふくしげさん(パケボラについてのインタビューに答えていただきました)、
実際パケボラとしてボランティアをされている上岡さん、由香さん、Chiekoさん(写真提供)、更にご家族全員でパケボラをされた経験のあるFさん(写真提供)、個人で動物保護活動及びパケボラをされている村山さん(写真提供)、そしてSKさん(写真提供)のご協力をいただきました。パケボラについては、実際パケボラとして経験したことがあるこれらみな様達のご協力をいただいたおかげでこの記事を書くことができました。

あなたも、いつか是非、犬猫たちに幸せを運ぶ案内人としてパケボラをしてみませんか?

最後に

:

この写真の犬は、東京都在住の村山さんが沖縄まで迎えに行って殺処分前日に引き出され、本土で幸せを掴んだ保護犬です。

この記事の冒頭で2枚、この犬の写真を載せています。最初の2枚と最後のこの写真はどれも同じ犬です。

記事最初の1枚目は、沖縄の保健所にいた時の犬の怯え切った顔、2枚目は搬送されることが決まった犬、まだどこに連れて行かれるのかと不安そうな顔。

そして最後は…自分はもう大丈夫なんだ!と安心し、堂々とした表情をしていますよね?

これがパケボラが【幸せを運ぶ案内人】という意味なのです。

最後に、村山さんからのメッセージです。

「もっともっと、このシステムを広めて下さい。 パケボラの手続きで、(犬猫たちの)命が繋がるので。」

パケボラ

▲SKさん提供

※上記画像のパケボラ募集の詳細はこちらからご覧ください。
※パケボラの詳細▶犬猫搬送ボランティアのマッチング

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