犬の鼻に切り込み?
犬の鼻をよく見みてみたら、鼻の穴の横に切り込みがあるのに気づきませんか?また、鼻の下に縦に伸びる線もあります。これらはいったい何のためにあるのでしょうか。
今回は犬の鼻の秘密犬の鼻の秘密を探ってみます。
犬の鼻の秘密
犬は人間よりも優れた嗅覚を持つことは有名な話ですよね。その嗅覚の精度は人間の「100万倍」以上だともいわれます。いったいなぜ、犬はこんなに優れた嗅覚を持つのでしょうか。
- 鼻粘膜のヒダが多い
- 嗅細胞が多い
- 鼻の横に切り込みがある
一つ目の理由として、犬の鼻の中にある「嗅粘膜」にはヒダが多く、面積も広いことでニオイを嗅ぎ取りやすいのだといわれています。
二つ目の理由として、「嗅細胞」が多いことがあげられます。嗅細胞はニオイの分子を集めて、その情報を脳へ送る仕組みを持ちます。そのため嗅細胞が多いと、ニオイをより感じやすくなるのです。また、この細胞自体も人間と比較して感度が高いのだといわれます。
三つ目の理由として、「鼻の横に切り込み」があることが関係しています。犬がどのようにニオイを嗅いでいるのかを調査した結果、犬は鼻の横の切り込みから自分の「後方」に向かって息を吐くことで、自分が吐く息のニオイと対象物のニオイとを混合しないようにしていることがわかったのだそう。
人中(じんちゅう)とは?
犬の鼻の横にある切り込みと共に、もう一つ犬の鼻の特徴があります。それが鼻の下に伸びる線。「人中(じんちゅう)」と呼ばれるものです。この人中は犬の外にも哺乳類のほとんどの種が持っています。人間も鼻の下から唇に向かって線が伸びていますよね。鼻の下が伸びるなんて表現でも使われる部分です。
この人中は犬にとっても「蘇生のツボ」と呼ばれる程、重要な部分でもあります。蘇生のツボとも呼ばれる通り、人中を刺激することで心肺停止状態から蘇生したという事例もあります。
人中は心肺停止からの蘇生以外にも「熱中症」を原因とするショック状態の際にも効果を持ちます。熱中症による嘔吐、呼吸異常、意識混濁などの状態の時、まずは涼しい場所へ運び、意識があれば水を飲ませます。この際に意識が朦朧としているようであれば、人中を爪やペン先などの細いもので強く押します。こうすることで応急処置となり、蘇生の可能性が上がるのだそう。
なお、人中を押すといった行為はあくまでも応急措置です。突然容体が急変することもありますので、熱中症になった際は様子を見ずにすぐに動物病院へ搬送しましょう。
まとめ
犬の鼻には嗅覚の精度を高める仕組みがあることが分かりました。鼻に切り込みがあるだけで、嗅覚にも大きな差が出るというのはおもしろいですよね。
人中もぜひ覚えておきたいツボの一つです。犬の鼻が乾いていたら要注意だといわれることもあるように、鼻が乾いていて発熱があれば、感染症や熱中症を起こしていたり、体内に炎症をかかえている可能性があります。犬にとって鼻はニオイを嗅ぐ以外にも、とても重要な部分なのです。
また、犬はストレスを抱えている時にもしきりに鼻を舐めることがあります。鼻の役割だけでなく、鼻を使ったサインについても覚えておきたいものです。
なお、犬の鼻の表面のことを「鼻鏡」と呼びますが、ここは人間の指紋と同じように1匹1匹違います。そのため個体識別に鼻鏡を使うこともあるのだそう。
今回は犬の鼻の秘密を紹介しました。鼻に切り込みがあるか、人中がどんなものなのか、ぜひ愛犬のかわいらしい鼻を観察してみてくださいね。