チヌークとは
チヌークとは、1900年代の初頭にアメリカのニューハンプシャー州において、アーサー・トレッドウェル・ウォールデンという冒険家によって作り出された犬種です。
土台となった犬は「マスティフ」であり、「ベルジャンシェパード」「グリーンランドハスキー」「ジャーマンシェパード」の血統が持ち込まれました。
持久力・訓練性・穏やかな気質という3つの優れたソリ犬として作り出された犬種であり、1925年にはワシントン山を制覇した初のドッグチームとして記録されています。
1927年にはソリ犬としてリチャード・バート提督の南極探検にも同行しました。
愛好家たちによって守られてきたチヌーク
さらに1940年代には、ペリー・グリーンとハニー・グリーンという人物がチヌークを買い付け、メイン州へと持ち帰り、熱心に繁殖と普及を続けたそうなのですが、個体数は少なく、1965年には世界で最も希少な犬種としてギネス記録に登録されました。
その後も熱心な愛好家たちによって個体数を増やし、絶滅の危機を乗り越えてきたのです。また、2013年にはAKC(アメリカンケネルクラブ)に公認犬種として登録されました。
チヌークの名前の由来
チヌークとは「暖かき風」を意味しており、風のような足の速さと温厚な性格をあらわしているのだそうです。実は、チヌークには「チヌーク1世」と「チヌーク2世」がいました。
チヌークを作り出したアーサー・トレッドウェル・ウォールデンが飼っていた、マッケンジー・リバー・ハスキーの血が入ったアラスカン・ハスキーのチヌーク1世という優秀なリーダー犬がいたのです。
さらに、チヌーク1世のような優秀なリーダー犬にするために初めて北極点に到達したソリ犬のリーダー犬の直系の子孫の雄犬(犬種はグリーンランド・ドッグ)と、力強く温厚な性格のミックスの雌(ニューファンドランドやセント・バーナードの血を引くミックス犬)をかけ合わせて生まれた一番優秀な雄犬がチヌーク2世です。
チヌークの性格と特徴
チヌークは、遊ぶことや働くことが大好きな犬種です。とても頭が良く、訓練性に優れています。人が大好きな犬種であるため、あまり番犬としては向かない性格だとされています。
チヌークは飼いやすい性格
遊ぶことが大好きなので、子供がいる家庭にも向いていると思います。
子供たちと思いっきりカラダを動かして遊ぶことができると、チヌークも喜んでくれるはずです。
人が大好きなため、「家を守るため」「お留守番をさせるため」には向かないでしょう。
また、ひとりでいる時間が長いなど、寂しい環境ではストレスを感じやすいため、子供がいたり家族が多いなど、たくさんの人に囲まれた環境で生活することが望ましい犬種でもあります。
ひとり暮らしの方やお留守番の多い環境には向かないでしょう。
チヌークの被毛の特徴
ショートコート(短毛)なのですが、アウターコートはストレートなとても美しい被毛をしており、アンダーコートはとても豊富にあり、触り心地はやや硬めです。
被毛の色は、フォーニー(黄褐色)・ペイルハニー(薄い蜂蜜色)・レディッシュゴールド(赤みがかった金色)などがあり、耳とマズルの被毛はやや濃い色をしています。
被毛お手入れ方法
遊ぶことや働くことが大好きな犬種であるため、一日の活動量もとても多いです。
そのため、毎日1時間~2時間くらいの運動を必要とし、長時間のお散歩が難しい場合には、庭やドッグランなどで思いっきり走ったりカラダを動かしたりすことができる環境を、与えてあげる必要があります。
その分、被毛も汚れやすく、こまめにブラッシングしてあげられることが理想です。
最低でも週一回のブラッシングを基本とし、換毛期にはブラッシングをする回数を増やしてあげましょう。
まとめ
チヌークは体重25kg~41kgほどの大型犬であり、とても足が速く、温厚な犬種です。運動量は一日に最低でも1時間~2時間は必要とし、子供と遊ぶことも大好きです。
ソリ犬であったため、かなり多くの運動量を必要とするのです。寂しい環境ではストレスを感じやすく、人に囲まれて過ごすことが好きです。ソリ犬として働いてきた犬ですが、現在はペットとして飼われており、愛好家も多く存在します。