人間用のお菓子を与えてはいけない理由
おやつを食べていたら、犬が寄ってきておねだりしてくること、ありますよね。その可愛い姿に、少しだけなら…とおやつを与えてしまう方がいますが、これは絶対にNGです。何が問題なのか、改めて考えてみましょう。
消化酵素が異なる
まず第一に認識しておかなければならなのが、動物によって消化酵素が異なるということ。消化酵素が異なるということは、動物によって消化できる食べ物が異なるということ。つまり、食べ物によっては毒になる可能性があるということです。
例えば、人間にはあって、犬にはない消化酵素である「唾液に含まれるアミラーゼ」。唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを分解する消化酵素ですが、犬はこのアミラーゼをあまり持っていないため、デンプン(アルファ化デンプンを除く)を含む食事を食べ続けることで、犬は消化不良を起こしてしまいます。
このように人間と犬は元々の身体の構造が異なりますので、安易に人間の食べ物を与えることは毒になる可能性があるのです。
必要な栄養素が異なる
消化酵素が異なるように、人間と犬は必要な栄養素も異なります。これはそもそもの身体の作りが違うためです。
例えば、人間の主食は炭水化物ですが、犬の主食はタンパク質です。人間には体内で作り出すことができないビタミンCについても、犬は体内で合成できるため、摂取する必要がありません。逆にカルシムについては、犬は人間の14倍の量が必要だといわれています。
その他、犬に必要な塩分は人間の1/3程だといわれていますが、人間の食事には塩分が多く含まれていますので、それらの栄養素を人間ほど必要としない犬が同じ量摂取してしまうと過剰摂取となってしまいます。これらの不要な成分を過剰摂取してしまうことにより、「心臓疾患」「腎臓疾患」「皮膚の痒み」といったような健康被害を受けることになるのです。
このように、人間と犬とではそもそもの必要とする栄養素やその割合に大きな違いがあるため、人間の食べ物を与えることは推奨されないどころか、健康を害する可能性があるのです。
絶対NGなお菓子
消化酵素や必要な栄養の違いについて、ご紹介しましたが、犬にとって「毒」となってしまうお菓子があります。
- カカオ、チョコレート
- キシリトール
- マカダミアナッツ
- ネギ、玉ねぎが含まれたお菓子
- 魚介類、甲殻類が含まれたお菓子
人間のお菓子には、これらの成分が含まれてる製品が数多くありますが、犬が口にすることで中毒症を起こして、最悪の場合は死を迎えてしまう可能性があります。どれも犬の体に不必要であったり、分解できない成分が入っているものです。
また、これら以外の人間のお菓子も、長期間取り続けることで塩分や糖分過多になる可能性や、ガムなどは喉や腸に詰まらせる場合もあります。やはり人間のお菓子は犬には与えないようにしてましょう。
人間用お菓子を食べてしまった時の対処法
犬が人間用のお菓子を食べてしまった場合、カカオや玉ねぎといった「毒」となる成分が入っていなければ、即座に健康被害が出ることはありません。しかし、万が一、毒となる成分が入ったお菓子を食べてしまった場合、かかりつけの動物病院へ相談をしましょう。嘔吐や下痢などの中毒症状が出ていないかも、よく様子を観察してください。犬の体は人間よりもはるかに小さいです。少しだからと思って与えた量が犬にとっては健康を害す量の可能性もありますので、油断は禁物です。
また、ガムなどは犬の喉や腸を詰まらせる可能性があります。これらを食べた場合も、様子を見ながら動物病院へ相談しましょう。小さな犬の場合、腸閉塞を起こして手術となる可能性もあります。
なお、即座に症状が出ないとしても、長期的な人間のおやつの摂取で肥満や糖尿病、内臓疾患を引き起こしてしまう場合もあります。もし、頻繁に人間のおやつを与えているようであれば、即座にやめるようにしてくださいね。
まとめ
お菓子を欲しがっているのを見ると、つい一口だけ…とあげたくなる気持ちも分かります。しかし、短期的に見ても、長期的に見ても、犬に人間用のお菓子を与えることにメリットは一つもありません。愛しているからこそ、ぐっと我慢して、犬には犬用のお菓子を与えるようにしましょう。