バルビーとは?特徴・性格・発症しやすい病気を詳しく解説

バルビーとは?特徴・性格・発症しやすい病気を詳しく解説

皆さんはバルビーという犬をご存知でしょうか。日本では馴染みのない犬のため、知らないという人が多いと思います。今回はそんなバルビーの性格や特徴、歴史や飼い方などをご紹介します。もふもふの被毛を持つバルビーをぜひ知ってくださいね!

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バルビーとは

グレーの背景で撮影するバルビー

バルビー(Barbet)は元々水猟犬として活躍していた犬です。水中を泳ぐことがとても得意で水鳥などを対象に捕獲していました。

バルビーという名前の他にもバルベやバルヴィーと記載されることも多く、別名として「フレンチウォータードッグ」や「グリフォンダレー・ア・ポワールレノー」などがあります。この別名からもわかるとおり、原産国はフランスです。

バルビーという名前はバルビーの原産国でもあるフランスで付けられました。フランス語のBarbeという単語からとった名前ですが、意味は「顎髭」です。顎髭のような毛質をしているため、このような名前が付けられたと考えられています。

バルビーという犬種は、現在では頭数が少なくなってしまい希少価値の高い犬となってしまいました。そのため、日本国内で見ることはほとんどないようです。

バルビーの特徴

リボンを付けて寝そべるバルビー

大きさ

  • オス:58cm~65cm
  • メス:53cm~61cm

まずはバルビーの大きさから見ていきましょう。バルビーの体高はオスの場合が約58~65cm、メスの場合は約53~61cmです。そのため、メスよりもオスの方が少し体高は高めです。

また体重は17~28kgとオス・メス間の体格の違いで大きく幅がありますが、平均的には約21~25kgだと言われています。また、サイズとしてバルビーは、世界的に中型犬に分類される犬種です。

被毛(毛色/毛質)

毛色の種類

  • ブラック
  • ブラウン
  • ホワイト
  • グレー
  • イエロー
  • パーティーカラー

毛質

  • 巻き毛

バルビーは「バルビー(Barbet)」という名前の由来となった顎髭のような毛質が特徴的な犬です。バルビーの被毛は非常に長く、カールしている点が特徴的で、「まるで羊毛のようだ」と称されることもあるほどです。

非常に長く量も多いため、毎日ブラッシングしなければ絡まってしまったり、汚れが付着し取れなくなってしまうなどのトラブルが起こりやすくなってしまいます。バルビーの健康維持のためにも、見た目の美しさを維持するためにもブラッシング等のお手入れは欠かせません。

またバルビーの被毛カラーは単色とパーティーカラーが存在します。単色にはブラックやブラウン、ホワイト、グレー、さらにイエローとバリエーションが豊富です。パーティーカラーの場合はこれらのカラーが混ざったまだら模様の被毛パターンが存在します。

バルビーの被毛カラーで最も多く見られるカラーはブラックとブラウンで、グレーカラーとホワイトは希少なカラーとされています。

水かき

バルビーは元々は水猟犬としても活躍しており、水中を泳ぐことが得意な犬種です。そんな泳ぐことが大好きなバルビーの足は、指の部分に犬の中でも珍しく、「水かき」がついています。

「犬の足に水かきが付いていることがあるの?」と思う方もいるかもしれませんが、長年水の中で狩りを続けた結果、バルビーの足の指には水かきのような膜がつき、水中であってもスイスイと泳ぐことができるように進化したようです。

また、バルビーの場合は水の中に潜ることもできます。長い間は難しいですが、短時間であれば潜水して泳ぐこともあります。

バルビーの性格

障害物を飛び越えるバルビー

性格

  • 素直
  • 穏やかで友好的
  • 遊ぶことが大好き
  • 賢い

素直

バルビーはとても素直な性格をしています。言われたことをそのまま受け止め聞き入れてくれる寛容な心を持つバルビーは、飼い主からの言いつけを守ることはもちろん、しつけも素直に聞き取り込むことができます。

そのため、大好きな飼い主が褒めてあげることで喜びを感じますし、叱られれば落ち込んでしまうといった非常にわかりやすい性格でもあります。

しかし、基本的に明るい性格でもありますので、トイレトレーニングや無駄吠えのしつけ、他にも基本動作を覚えるためのトレーニングなどにも前向きに取り組む傾向が強いです。

穏やかで友好的

バルビーはとても穏やかで優しい性格を持つ犬種です。人間、犬共にフレンドリーに接することができ、大人だけでなく子どもに対しても優しく、遊び相手になってくれることも多いようです。そのため、家庭犬としても愛されている犬種でもあります。

ただし、警戒心は薄いため番犬としては不向きですが、見知らぬ人や犬に対して吠えないので、攻撃性が低いところも飼いやすいと言われる理由の1つでしょう。

家族一緒に過ごすことが大好きな犬種でもあるため、家族として迎える場合には屋外ではなく室内飼育が推奨されています。家族一緒に同じ部屋で過ごすことに喜びを感じる犬ですので、スキンシップやコミュニケーションを多めにとってあげると喜びます。

遊ぶことが大好き

穏やかで大人しいと言われているバルビーですが、運動をすることも大好きです。元々水猟犬として活躍していた狩猟犬の一種ですので、走ったり何かを追いかけたりすることで運動不足解消にも繋がります。

また家族と一緒に過ごすことが大好きな家庭的な犬種ですので、家族と一緒に外で遊んだりすることも大好きです。非常に活発な犬のため、小さな子どものいるご家庭では良い遊び相手にもなってくれます。

ここまでにもご紹介したように、バルビーは水中を得意とする犬種です。そのため、水の中を泳ぐことも大好きです。バルビーを迎えた場合、週末など定期的に海や犬用プールに連れて行き、水の中を泳がせるような遊びも検討してあげると良いでしょう。

賢い

バルビーは素直な犬種であるため、しつけがしやすいという話がありましたが、素直という性格だけでしつけがしやすいと言われているわけではありません。非常に賢い犬種でもあるからこそ、トレーニングしやすいのです。

教えられたことを学習する能力ももちろん高いですが、言われたことを素早く理解する能力や観察力も非常に優れている犬種です。そのため、同じ事を教える際も早い段階でできるようになることが多いです。

したがって、小さな子どもがいるご家庭でもしつけしやすく飼いやすいですし、中型犬という大きさと飼い主に対する従順さから家庭犬として愛されています。

バルビーが発症しやすい病気

動物病院内部

病気

  • 股関節形成不全
  • てんかん

バルビーは遺伝的な病気を患うことが多いため、バルビーのブリーダーさんはバルビーの中でも健康状態の良い親犬や親犬になるバルビーの血統書を慎重に見極めた上で選別し繁殖させます。

このようにバルビーのブリーダーさんたちは慎重にブリーディングを行うことで、生まれたバルビーの子犬に遺伝的な病気を引き起こさせないよう、その可能性をなるべく最小に抑える努力をされています。

しかし、残念ながらそれでも遺伝的な病気を患うことはあります。バルビーの場合、4~6世代前の遺伝が受け継がれてしまうこともあり、股関節形成不全や癲癇(てんかん)、眼瞼内反症を発症するケースが多いです。

股関節形成不全

股関節形成不全とは、犬の成長段階の途中で股関節に異常が起こる病気です。大型犬や超大型犬が患いやすい病気といわれていますが、バルビーも遺伝的要因で発症しやすい病気とされています。

この病気の症状が現れるのは、多くの犬が生後4ヶ月~1歳になるまでの間とされています。この間に歩きにくそうに歩いたり、座る際に足をかばうように横座りをする場合には、股関節形成不全の可能性があります。

てんかん

人間でも患者数が多いとされているてんかんの症状は犬にも起こります。バルビーも発症しやすい病気といわれており、やはり多くは遺伝的要因だとされています。

先天的なてんかんを患う場合、多くは3歳頃までに発症します。症状は痙攣や突然意識を失ってしまう、口から泡を吹くといった症状が挙げられます。基本的には2~3分以内に症状が治まり、その後は何事もなかったかのように意識を取り戻します。

てんかんを完全に治療する方法は今のところ確立されていませんが、薬を投薬することで症状を抑えることは可能です。てんかんの可能性が考えられる場合は獣医さんに相談してみましょう。

眼瞼内反症

眼瞼内反症はまぶたが内側にめくれ上がってしまっている先天性の病気です。先天性の病気のため、やはり遺伝的な要因が大きいとされています。

まぶたが内側にめくり上がってしまうことで、角膜や結膜に炎症を引き起こす恐れがあります。まつげなどの毛が目の中に入ってしまうことで、痒みや痛みを生じることも多く、犬にとっては大変不快な症状です。

手術によって治療することが一般的ですが、症状が軽い場合には点眼やまつげを抜くといった治療法で治ることもあります。

バルビーの平均寿命

平均寿命

13歳~15歳

様々な遺伝的な病気を患いやすいバルビーは、ブリーディングをするにも難しい犬種のため、現在では世界的にも頭数の少ない犬種となってしまいました。しかしだからといって平均寿命が短いということはありません。

バルビーの平均寿命は13歳~15歳です。他の中型犬と比較しても平均的か少し長寿な犬種と言えるでしょう。また、世界で記録されている最長寿命は19年と非常に長い年数生きていることも報告されています。

遺伝的な病気を患いやすいバルビーですが、ブリーダーさんたちが慎重に繁殖してくれていることや、飼い主さんが適切な治療を受けさせることで、他の犬種と同様に寿命を全うすることができるのです。

バルビーの歴史

リボンを付けたバルビーのアップ

バルビーは水猟犬の中でも、最も古い犬種と言われています。1750年に発表された『Histoire Naturelle』という本によれば、バルビーは多くの水猟犬として活躍してきた犬の祖先とも言われています。

現在のプードルもバルビーから派生した犬種の一種として考えられており、18~19世紀の100年もの間、同じ犬種として扱われてきたという記録もあります。

しかしその後、ドッグショーの出現によりプードルは見た目の品種改良を行われるようになり、バルビーと違う犬種として扱われるようになりました。こうしてバルビーが現代と同じ形で知られるようになったのです。

現在、プードルグループに属する犬種の中で、昔ながらのプードルの特徴を持つ犬種はバルビーのみであるとも言われています。

長い歴史を過ごしてきたバルビーですが、その姿は昔と大きく異なることがないため、現代ではとても珍しい犬種として広く知られるようになりました。

まとめ

草の上を歩くバルビー

いかがでしたでしょうか。現在では希少な犬種となってしまったバルビーですが、非常に優れた能力を持つ犬種です。

日本で見ることは難しいですが、もしも見かけた場合はぜひ注目してみてくださいね!

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 てとめる

    このバルビーの写真を見たときに小型犬かと思いましたが中型犬なんですね。25キロなんて結構、ありますよね!!意外と筋肉質なのかな…?また犬は水遊びがあんまり得意じゃないのが普通だと思っていたのですが、この犬種は水遊びが得意なんですね!!夏もプールなど良さそうですし、お風呂にも入れやすそうだなと思いました。しつけに関しても飼いやすいようですね。実際に飼っている人がいたら本当にそうなのかコメントで教えてほしいです!!トリミングはいかないとならないとこの記事にはありますが、普通の犬でもトリミングや日々のブラッシングは必要だと思っているのでそこまで負担に思う方もいないんじゃないですかね…?あのくるくるの毛を一度、とかしてみたいです^_^
  • 投稿者

    男性 pop

    盲導犬育成施設で初めて出会いました。身体もがっしりしてバランスも良く、抜け毛もないアレルギーフリーな盲導犬として適性を探っている段階のようでした。

    アレルギーフリーな盲導犬といえばALがその発生のストーリーの中で謳い文句のように言ってますが、実際盲導犬として活躍しているALを見た事がありません。特に国内では稀少な愛玩犬種として奇形のような小型タイプがもてはやされており、企業が商業目的とした独占的な流通システムを築いているところも、何か気持ち悪さを感じます。特にヘアのタイプによって、失敗作の様に扱われる犬が一定数生まれてしまう事もALの普及に影を落としていると言わざるを得ません。

    バーベイは使役犬としての歴史やアレルギーフリーな特性、性格の良さなど、どれを取ってもALと遜色ないばかりか、骨格や筋肉のバランスなどはそれを上回る素質を感じます。

    まだ国内であまり見ることはありませんが、この様な素晴らしい犬がパートナーとして多くの方々に正しく広まる事を心から望みます。

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