ドーベルマンの寿命はどのくらい?長生きのコツや注意したい病気

ドーベルマンの寿命はどのくらい?長生きのコツや注意したい病気

ド―ベルマンの寿命で平均といわれているのは、おおよそ11歳くらい。同じ大きさの犬種から見ても長いとは言い難いです。しかしド―ベルマンの寿命は、運動や食事面などで健康面をサポートすることにより、延ばすこともできるようです。ド―ベルマンの寿命をできるだけ延ばすために、かかりやすい疾患について調べてみました。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ド―ベルマンの平均寿命

芝生でくつろぐドーベルマン

ド―ベルマンの寿命は10~13歳くらいが一般的といわれています。体格面であまり差がないような他の犬種から見ても、長寿とは言い切れません。

ド―ベルマンの寿命が長くない理由は、はっきりとはわかっていませんが、ド―ベルマンにもかかりやすい疾患が存在しているため、万が一のために疾患について知っておくことで、予防策などが講じられます。

それ以外にも、ストレスを与えない環境がド―ベルマンの寿命を延ばすサポートとして、大切となります。

そんなドーベルマンですが、果たして犬の10歳~13歳とは人に換算するといくつくらいになるのでしょうか。大型犬の年齢を人に換算すると以下のようになります。

犬の年齢 人に換算した年齢
1歳 12歳
2歳 19歳
3歳 26歳
4歳 33歳
5歳 40歳
6歳 47歳
7歳 54歳
8歳 61歳
9歳 68歳
10歳 75歳
11歳 82歳
12歳 89歳
13歳 96歳
14歳 103歳
大型犬は1歳を12歳とし、7歳ずつ増えていくと言われているので、人に換算すると概ねこのような年齢になると想定されています。

ド―ベルマンの特徴

ド―ベルマンの特徴として体格の大きさが挙げられます。オスは70cm弱から72cmで、体重は40kgから45kgほど、メスは60cm強から68cmで、体重が30kg前後から35kgほどといわれています。

この数値が平均値ですので、これよりも太ると腰や足といった部位に負担がかかることになりますから、腰や足の疾患を患いやすい状態となります。

ドーベルマンの寿命と長生きさせるコツ

チーズを見つめるドーベルマン

長生きさせるための食事

ド―ベルマンの寿命を日常的にサポートできる1つの方法が、「食事の管理」です。

ド―ベルマンの年齢に応じて食事の管理方法は変わります。誕生して半年くらいまでの子犬の食事は、1日の食事量を4回程度に分けてあげるのがいいかと思います。

成犬は1日の必要量を1回か2回に分けて食べさせても良いといわれていますが、できるだけ空腹の状態で過ごさせないようにするのが重要です。そういった点を考えると、食事の回数を2回にした方が賢明です。細かいことですが、ド―ベルマンの寿命のサポートには大切といえます。

ド―ベルマンに必要な運動

ド―ベルマンはアクティブな性格をしていますので、1回30分~1時間を目安に1日2回散歩をするのが理想的だといわれています。歩くスピードものんびりと散歩を楽しむというよりは、早歩きや軽いジョギングを織り交ぜてしっかりと運動したいところです。

毎日の散歩や運動は是非してあげましょう。ドッグランを活用しても、とても喜んでくれます。

運動量がある程度満たされていれば、ストレスの緩和にもつながります。

飼育環境は家の中がベター

暖かい地域ならともかく、ド―ベルマンは寒い環境での飼育は向いていませんので、暖房機器が整っている室内で飼うのが良いでしょう。

飼育環境ですが、できるだけ静かで安らげるような場所を提供します。ド―ベルマンは警戒心が強く、用心深い気質(きしつ)を持っているため、あまりよく知らない別の動物などがいる環境で過ごしているとストレスを与えることになり、その結果、襲いかかってくる可能性があります。ド―ベルマンの性格を理解した上で、生活環境を整える必要があります。

寒い時期には一工夫

ド―ベルマンは寒さが苦手な犬種ですので室内で飼育するのはもちろんですが、寒がるようでしたら服を着せてあげるのも1つの方法です。また食事面に関しても、工夫が必要です。

ドーベルマンが快適に過ごすためには、季節を問わず室温を20~25度程度に保つよう心がけるとよいでしょう。冬の寒さが辛いようなら、ホットカーペットを敷くのもおすすめです。

健康的に過ごせるように、おやつのあげすぎや人のものばかりあげたりするのは気を付けましょう。

ドーベルマンの寿命とライフサイクル

犬は生後9週間までが乳児期です。離乳後もドーベルマンのような大型犬は成長に時間がかかり、成犬になるのは生後15ヵ月ほど経ってからです。

子犬期でも特に著しい成長が見られるのは生後5ヵ月ごろまでで、一気に体重が増えます。よく食べよく眠る時期なので、栄養不足や睡眠不足にならないよう注意しましょう。子犬はやんちゃで自然と運動量も豊富になるので、1日に18時間ほど眠っていることも珍しくありません。

生後6ヵ月を過ぎると成長スピードも緩やかになり、体つきも徐々に丸みがなくなり筋肉質なドーベルマンらしく変化していきます。大型犬は体重が関節の負担になるため、肥満にならないようこの頃から体重管理が必要になるでしょう。

生後15ヵ月~6歳ごろまでが成犬期です。成長期が終われば、子犬のころより少ない食事で十分になります。

6歳ごろを目安にシニア期に入り、体力や筋肉量が衰え始めます。成犬期と比べて運動量が減ったり睡眠時間が長くなったりする傾向があります。

代謝や運動量が低下したことで体重が増加するようなら、食事の量や内容を調整して肥満予防をしましょう。また被毛が薄くなったり白い部分が出てきたりと、外見にも少しずつ変化が現れます。

ドーベルマンの寿命と注意したい病気

枕に横になるドーベルマン

胃捻転

ド―ベルマンの寿命に関わってくる病気の中に、「胃捻転」というものがあります。

これは胃に入っているものと空気によって胃の内部が張り詰めるほどにガスで満たされて、胃の一部が捻じれる病気です。この病気の厄介な点が、他の臓器までも巻き込んで捻じれてしまうこと。捻じれた箇所は血の巡りが滞るために、特定の部分の細胞が死んでしまうのです。

このような病気が、ド―ベルマンの寿命に影響を及ぼします。この病気の症状が出てしまったら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。発症後、数時間で命を落とすことも珍しくはないのです。

症状

  • おなかが張り詰めた状態になっている
  • 吐き気はあるもののおう吐はしない
  • 呼吸が荒い
  • 落ち着きがない

といった異変が出てきます。ド―ベルマンの寿命や命に関わることですので、決して見逃さないようにしましょう。

治療法

胃捻転の治療はまず胃にチューブを挿入したり針を刺したりして、胃にたまったガスを抜くところから始まります。ショック症状に陥っている場合は点滴も必要です。

犬の状態が落ち着いてきたら全身麻酔をしたうえで外科手術を行い、捻じれている胃を元の状態に戻します。胃捻転の再発を防止するために胃を固定し、壊死した部分があれば切除することになるでしょう。致死性の高い病気なので、緊急手術が必要になるケースがほとんどです。術後は入院して安静に過ごすことが求められます。

予防法

ドーベルマンのような胃捻転になりやすい犬種は、日頃から予防対策を徹底しましょう。食後すぐに運動したり、一度に大量の食べ物を摂取したりすると胃捻転になりやすいので注意が必要です。

食後に散歩などの運動をする場合は、最低でも1時間は休んでからにしてください。食事は少量ずつが望ましいので、1日2~3食に分けましょう。早食いを予防できる食器を使うのもおすすめです。

また最近では外科手術によって胃を固定することで、愛犬の胃捻転を予防する飼い主さんも増えてきているようです。腹腔鏡手術なら犬の負担も減らせるので、愛犬に胃固定手術を受けさせることを検討したい飼い主さんはぜひ獣医師に相談してみてください。

拡張型心筋症

ド―ベルマンの寿命の脅威となる病気の1つに、「拡張型心筋症」があります。この病気は心臓は4つの部屋にくぎられてますが、その部屋が拡大し心臓の壁が薄くなり、心臓が本来持つ血を全身に循環させるための「ポンプ」の働きが弱まる病気です。1度発症してしまうと治療しても治すのが極めて難しい病気です。

つまり、ド-ベルマンにとって寿命に関わる深刻な病気なのです。この病気は、主に大型犬が発症しやすい病気といわれています。

症状

  • ふらふらしている
  • 疲労を感じやすい
  • 体重が減る
  • せきをする
  • 気を失う
  • 安静にしているのに呼吸がはやい

といった症状が見られるようになります。心臓の働きが弱くなって肺に水が溜まるという症状が現れると、つらそうに呼吸をするようになります。横になりたくても呼吸が難しくなるために、ずっと座っているといった行動を取ります。

治療法

拡張型心筋症に効果的な外科治療は現時点ではないため、投薬により進行を遅らせるという治療を行います。病気を完治させられるわけではないので、血管拡張薬や強心剤を使って心臓の負担をできるだけ軽くして寿命を延ばすことが治療の目的です。

予防法

拡張型心筋症は原因がはっきりとわかっておらず、遺伝的な要因が大きいのではないかと言われています。遺伝性の病気を予防することは難しいので、とにかく早期発見して適切な治療を行うことが大切です。

しかし、まだ症状が進んでいないときは異変を感じないので、ほぼ気付きにくいといえます。症状が進んでようやく気付くことが大半です。その他の症状として、不整脈や呼吸ができない状態に突如変化するケースがあります。場合によっては突然発症することもあります。

いつもと違う、何か変だと感じたらすぐに獣医に診てもらいましょう。内科的治療を受けられます。できるだけ、ド―ベルマンの寿命を延ばすサポートをするためには、可能な限り早い段階で動物病院へ受診しましょう。

股関節形成不全

成長期のドーベルマンが注意したいのが「股関節形成不全」です。股関節が正常に発育せずに、股関節の炎症や痛みが発生してしまう病気です。生後4ヵ月〜1歳の大型犬が発症することが多く、悪化して痛みが酷くなることで歩き方に異常が出てきます。

症状

  • 足を引きずって歩く
  • 腰を左右に振るような歩き方になる
  • 座る体勢が横座りになる
  • 散歩中に座り込んでしまう
  • 運動や階段の昇り降りを嫌がる

というように、痛む足を庇って歩き方や運動への意欲に変化がでてきます。股関節形成不全が疑われる症状に気づいたら、つらい痛みを緩和させるために早めに動物病院に連れて行きましょう。

治療法

股関節形成不全の治療法には、内科療法と外科療法があります。内科療法は鎮痛剤により痛みを和らげつつ、関節の負担を減らすために体重制限を行います。内科療法で十分な効果が得られない場合は、関節の状態に合わせた手術をします。成長期が過ぎると自然と痛みが治まることも多いですが、関節に負担をかけないようにケアを続けることが大切です。

予防法

股関節形成不全は遺伝的な要因の他に栄養過多や肥満、過剰な運動が原因とされています。予防のために、ドーベルマンは成長期でもカロリーの摂りすぎに気をつけましょう。

激しい運動やジャンプなど、関節の負担になることも極力避けたいところです。食事も運動も適度を心がけ、股関節形成不全になるリスクを少しでも減らしましょう。

ウォブラー症候群

ドーベルマンが発症しやすい「ウォブラー症候群」とは、頸椎が正常に形成されないことから頸部の脊髄を圧迫してしまう病気です。「頚椎すべり症」「後部頚椎脊髄症」などとも呼ばれています。

症状

ドーベルマンは6歳ごろに発症するケースが多く

  • 首が痛いため動かしたがらなくなる
  • 頭を低い位置で保とうとする
  • 後ろ足がふらつく
  • 動きがぎこちないなどの歩行異常
  • 歩いたり立ったりすることが難しくなる
  • 四肢が麻痺する

などの症状が出ます。慢性的に進行する場合が多く、症状の進行を少しでも遅らせるために早期発見と早期治療が大切です。

治療法

ウォブラー症候群の治療法は、内科療法と外科療法があります。内科療法ではステロイド剤の投与により痛みを緩和しつつ、運動制限をして安静に過ごすことで症状の改善を目指します。症状が重く内科療法で効果が得られない場合は、脊髄の圧迫を軽くするための外科手術を行います。

予防法

ウォブラー症候群の発症は遺伝的な要因が大きいため、残念ながら予防は難しいです。しかし幼少期の過度な運動や成長期の栄養不足も原因になると言われているので、適度な運動と栄養管理を心がけることで発症リスクを減らせるでしょう。

首に負担がかからないように、首輪ではなくハーネスをつけるのも有効です。できる限りウォブラー症候群を予防できる生活をし、早期発見のために少しでも気になる症状があれば動物病院で診察を受けるようにしましょう。

ド―ベルマンの寿命に関するまとめ

ドーベルマンと女性

ド―ベルマンは平均寿命が他の犬種から見てもさほど長くなく、その上かかりやすい疾患が多いともいわれていますので、飼い主にとっては触れたくない現実といえます。

しかし、どのような病気があるのかあらかじめ知っておくことで、ふだんから愛犬の様子をチェックすることができますし、少しでも異変を感じたときは動物病院に受診できます。

中には治すことが難しい病気がありますが、少しでも長く元気に生きられるように、早い段階で治療を受けることも、寿命をサポートする方法の1つといえるでしょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 かえまり

    ドーベルマンは、私が犬訓練しの見習いの時に担当しましたが、結構飼うのにコツのいる犬種でした。
    食事は肥満になって足に負担がかからないように、気をつけていましたし、運動もかなりさせていました。また、ストレスに弱いので他の動物と飼うのはできるだけ避けていました‼ストレスをためないようにして様子を見ていました。そのわんちゃんは心臓が悪くなってしまって薬を飲ませながら適度な運動もさせました。冬場は暖かい家のなかでしたし、夏場も涼しくしていました。飼うことの難しいわんちゃんですが、警戒心が強いわりに、ひとなつっこくて可愛くて性格がわかりやすいのが、よかったです‼寿命が短いので悲しかったのですが食生活を気をつけていたので12年生きてくれて嬉しかったです‼
  • 投稿者

    30代 女性 ホワちゃん

    勝手なイメージで、ドーベルマンというと屈強な犬という感じがするのでこういった病気の心配があるとは知りませんでした。
    でも大型犬だと胃捻転の心配が大きいとは聞いたことがあるので、胸の深いドーベルマンにも当てはまるんですね。何の犬種でも体の特徴や病気リスクを知っておくことは大切ですね。
  • 投稿者

    20代 女性 ゆず

    やっぱり一番大切なのは、できるだけストレスを与えないようにすることだと思います。記事を読む限り、ドーベルマンは意外と繊細な性格をしているようです。なので、飼い主さんがどれだけ住みやすい環境を作ってあげられるかが重要ですね。ちなみに、私の知り合いにもドーベルマンを飼ってる人がいましたが朝と夕方それぞれ1時間ずつ計2時間を散歩に費やし、それに加えて週に何回かはドックランで走り回れるようにしていました。なので、飼い主さんは時間と体力の面で努力が必要だと言えますね。
    とはいえ、どんなに気をつけていてもなってしまうのが病気というものなので病院への定期検診を怠らないことが大切だと思います。
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