動物保護活動を個人で行っている女性が懸命に人々に伝えようとしている事とは?
はじめに
筆者は米国籍のライターという特性を活かして、これまで海外で話題となっている犬のお話をここでご紹介してきましたが、今回は初の試みとして、日本で動物の保護活動を、しかも個人でやられているある女性の事をご紹介させていただきます。
この方の事はTwitterで最近偶然知りました。筆者をフォローして下さっている犬好きの海外在住の方がリツイートされていた動画に、先日、ふと目がとまりました。
ツイートにはこう書かれていました。
シェア拡散希望!
— Rootstock (@Rootstock1) 2016年11月28日
頑張って作りました!
しってください どうぶつたちのこと ~ぼくらはみんないきている~Your choice will change our future ~あなたの選択で わたしたちの未来は変えられる~ https://t.co/vMH111Hzp2
そして、1つの動画がリンクされていました。
You Tubeに込められた思い
その動画はこんな言葉から始まっています。
その動画が掲載されているYou Tubeのページには更にこんな言葉が書かれていました。(一部省略)
やりきりました…最後まで読んでから動画を見てくださると幸いです。
未来に光があふれるように。
願いを込めて動画を作りました。
シェア拡散希望します!!
全ての写真は、わたしの活動の中で思い入れのあるものばかりです。
ひらがなが読める子供にも、大切なことが伝わるように作りました。
バックに流れる曲は、息子に作ってもらったオリジナル曲 「real life」
作詞作曲 Tomoya Oku (C SQUARED)です。
http://artist.aremond.net/csquared/
海外の方にもつたわるように、伝えたいことが歌詞に表されています。
たくさんの方に、見て、感じてほしい。
心から願います。
シェア、拡散、よろしくお願いします!!
可哀想だけでは、苦しいだけでは終わらせない。
私たちがそう決める、決心し、変化するべきだと思うのです。
小さな身体の大いなる命たちへ。
感謝の気持ちと、愛を込めて。
しってください どうぶつたちのこと
~ぼくらはみんないきている~
動画の中に出てくる犬たちは
この動画を観て、あなたは気が付かれましたか?
動画に出てくる犬たちは(雑種もいますが)その殆どがブリーダーによってお金儲けのために繁殖された小型犬たちです。
繁殖するためだけに酷使され続けた命、そしてお金で売られた命、お金で買われた命です。
ブリーダーやペットショップから「かわいい!」とまるで物のように”命”を購入されることで、とても残酷な運命を強いられてしまう命が作り出されているということを、いったいどれだけの人たちが知っているのでしょう?
”命を買う”という現在の日本では当たり前のようになっている行為が、間接的に残酷な結果を生み出してしまうということを、この機会に是非知ってほしいと思います。
筆者は、これまで合言葉のように繰り返し書いていることがあります。それは、[”命を買う”のではなく、”命を助ける”という考え方に切り替えられませんか?]という言葉です。
筆者は、それを繰り返し文字で伝えているだけなのですが、それを実際の行動として積極的に活動し続けている女性が今回のchinatsuさん(下記写真)でした。
「この動画に出てくる子達は、今まで私が保護した子、愛ある里親さんにつなげた子達。
かわいそうだからとか、見るのが辛いからと最後まで見れない方は見ない方がいい。
最後まで見ないと、かわいそう、見るのが辛いだけで終わってしまう。
最後まで見ないと、伝えたいことの全てが伝わらない。
それでは今までと何も変わらない。
今までと同じ、命に起こる問題から背を、目を背けているのと同じことだと思います。
動物の問題ではなく、これは人間の問題です。
ならばその人間が、見るのが辛いとか、かわいそうだけで終わらせなければよいのです。
知って、感じて、そして、自分に出来ることを、選択肢を考えて欲しいという思いの全てを込めてつくりました。」
とchinatsuさんはこの動画で伝えたい思いを綴っています。
動物保護活動を始めたきっかけは
この動画を作った女性にインタビューをさせていただきました。
女性の名は”chinatsu irie”さん。このローマ字表記の名前で「滋賀県東近江市で動物の保護活動を個人でしています。」とのことでした。滋賀県の愛護推進員を3.4年近くされているそうです。
chinatsu irieさん
「活動を始めたきっかけは、いろいろありますが、1番はわたしは子供が4人おりますが3人目の娘が発達障がいをもっており、小さな頃から人との付き合いや距離感がわからず、いつも捨て猫などを拾ってきてました。
ちょうど親子間もギクシャクしていて、わたし自身も悩んでいましたが、一緒に弱った動物を看病している時、良いエネルギーが動物とわたしと娘の三角をつなぎ、すごく自然にお互い優しい気持ちになれました。
そこから娘たちと、動物のことを調べ、何かできることはないかと、はじめは啓蒙活動をしてました。チラシを配ったり、(動物愛護活動での)デモに参加したり。
そのうち、やはりリアルに命と向き合いたいと思うようになり、保健所に足を運び、ボランティアさんたちと繋がり、繁殖場にいる子たちのことを知りました。
そのほかにも、多頭崩壊や、飼い主放棄、野良猫や野鳥、野生動物まで、いろんな子を保護してきました。
ずーっと保護し、ケアし、啓蒙し、里親さんを探している間に、想いを一つとする仲間、ほとんどが里親さんたちですが、協力者がたくさん増え、今に至ります。
グループの名前はイベントなどに使うために一応 ”ぼくらはみんないきている” とつけましたが、団体などではないです。 完全自由参加型、寄付も募っていませんし、会費もありません。
”ぼくらはみんないきている” わたしが伝えたいのはその一言です。
動物愛護は特別なことじゃなく、命を尊び、他者に優しく生きることだと思ってます。」
とchinatsuさん。
協力の輪
最初はchinatsuさんが個人で始めた動物保護活動ですが、今ではそんなchinatsuさんの考え方にたくさんの方たちが賛同してくれるようになり、物資援助や活動協力などみんなで支え合って”ぼくらはみんないきている”が出来上がったそうです。
「(譲渡会の)前準備から当日まで、協力くださった方々は、ほとんどが里親さん達。
一人一人が、自由意志で協力してくださり、”ぼくらはみんないきている”の活動、譲渡会は今や成り立っています。
当日も、それぞれが、やるべき事を自ら探し、チラシを配布したり、署名を集めたり、
保護っ子に関心を抱くご家族に、自らの保護犬の里親になった体験談なども交え、質問に答え、不安を取り除き、譲渡条件、良いことも悪いことも全て伝え、話がある程度まで進んでから私につなげてくださる。
当日協力出来ないからと、チャリティ用品を提供くださった方々、譲渡会の告知を頑張ってくださった方々、別の地で、チャリティバザーを開催し、支援くださった方々、当日、みんなにお菓子や飲み物を持って来てくださった方々、物資やお気持ちを持って来てくださった方々。
みんなの意識の高さがどんどんと結果をおおきくしていると実感しています。
正直、譲渡会で、もし1頭しか決まらなかっても、誰も決まらなくても、それはそれでオッケーなんです。きっとみんなもそう思ってる。ああ、意味なかったやんなんて、絶対誰も思わない。っしゃ!次はもっとがんばろ!って必ず言ってくれる仲間。
ただただ、純粋に動物達のおかれた現状を伝える、私たちにできることがありますよと伝える。 その結果が成果になっているんだと思います。
動物達を中心に、優しさが集まり、人に恵まれ、その優しい仲間の輪から波紋のようにさらに輪が広がっています。本当に嬉しいです。
ぼくらはみんないきている〜には、なんの決まりもルールも強制もないです。
みんなが思いやりと優しさに基づいて、誰が何をどれだけしたとか、全く関係なく、自分ができることをできる形で、そしてみんなが平等の立場で、そしてみんな自分の自由意思で協力し、成り立っています。
本当は動物保護活動なんかしなくて良い世界になるのが1番だけど、こんな素敵な人々にめぐり合わせてくれる動物たちに、スペシャルサンクスです。ありがとうございます!!」(一部省略)
これは譲渡会を行った翌日にchinatsuさんがフェイスブックに書いた言葉です。
chinatsuさんのフェイスブック▼
https://www.facebook.com/chinatsu.irie0827
最後に
ここでご紹介させていただいたYouTubeの動画は、とても素晴らしいものです。ですが、正直、まだそれほどの再生回数が記録されていないことが残念です。もっと多くの人達に観ていただきたいです。もっと知っていただき、もっともっと考えていただきたいです。
また、流れているchinatsuさんの息子さんの歌は英語なので、世界でも通用する動画だと感じました。
chinatsuさんがこの動画で、1人でも多くの人々に動物たちに対する考え方を変えてほしいと願っていることがヒシヒシと伝わってきます。命の大切さをもっと知ってほしいという強い気持ちが伝わってきます。
人間の身勝手で増やした命なのに、”場所がないから”とか”お金がかかるから”とか、人間たちの都合だけで、”殺処分”を当然のように行っているこの世の中は、本当におかしいです。
殺されるために生まれてきたわけではありません。まだ十分生きられる命をどうして無理やり殺してしまうのでしょうか?
そんな世の中にどうしてなってしまったのでしょうか?
私たちは、もっとこの問題をちゃんと考えなければならないと思いませんか?
▲保健所に収容された犬
『Your choice will change our future
〜あなたの選択で わたしたちの未来は変えられる〜』
▲その犬をchinatsuさんが引き取って愛を施した結果です