来客に吠えるのは縄張り意識の強い犬
犬の祖先であるオオカミは、群れを作り縄張り内で生活をしていました。
オオカミは縄張り内に敵が侵入すると、命の危機を感じて攻撃をする本能を持っていました。
その本能が現代の飼い犬たちにも多かれ少なかれ残されており、縄張りである我が家への来客を侵入者と判断し、縄張りが荒らされるのを恐れ、吠えて威嚇するのです。
犬の持つ縄張り意識
来客を侵入者と判断した犬は、最初の攻撃として、吠えて威嚇をします。
吠えることで、侵入者を追い払おうとするのです。
そうすることで相手が怯えると犬は勝ったと思い込み、相手が立ち去り姿が見えなくなると犬は上手く追い払ったと考えるのです。
郵便屋さんも電気の検針員も、吠えられつつも用事を済ませ、その後当然帰りますよね?
この流れこそが、まさに愛犬の思うつぼであり、勘違いの素なのです。
そのため、縄張り意識の強い犬ほど、よく吠えるのです。
こうした問題行動を放っておくと、日常生活で常に繰り返されてしまうので、しっかりとしつけをしなければなりません。
縄張り意識の強い犬の特徴
縄張り意識の強い犬は、基本的には家族や同居者以外の来客を、敵と判断することが多く見られます。
顔見知りのご近所さんや飼い主の親族は、敵と見なさない場合もありますが、たまにしか訪れない来客には、警戒心をあらわに吠えたてます。
縄張り意識の強い犬は、警戒心と同時に恐怖心も持っています。
恐怖心を持っているからこそ警戒心が強くなり、縄張りを守ろうと激しく吠えるのです。
また、独立心もしっかりとしていて、威嚇と同時に敵の侵入を飼い主へ知らせているのです。
恐怖心を持ちながらも、群れを守るための防衛本能…その心持ちはまさに勇者ですね!
しかし、こうした犬の意識は、見方を変えると「この群れのリーダーは自分だ」と思い込んでいる可能性があります。
そもそも、群れのリーダーが飼い主であると認識しているのであれば、縄張りを主張する必要も無いのです。
愛犬にとって飼い主がリーダーであることを認識させることが出来れば、縄張り意識も和らぎ、攻撃性も抑えられます。
強い縄張り意識から来る無駄吠え対策
- 色々な環境に慣れさせよう
縄張り意識の強い犬は、他の犬や他の人に慣れていないと言う場合が多いようです。
犬としての社会性が養われていないため、他の犬や人に対して恐怖心を抱いてしまうのです。
色んな犬や人と交流を持たせ、社交性を身に付けましょう。
そうすることにより、縄張りを荒さない犬がいることや、家族以外にも優しい人がいることを覚えていきます。
- 吠えたら無視をしよう
無駄吠えの一番の対策は、無視をする事です。
「ダメ!」と声をかけ、落ち着くのを待ちましょう。
ただし、その時愛犬の名前は呼ばないように気をつけましょう。
名前を呼ぶとますます興奮し、褒められたと勘違いする可能性があるからです。
そして、落ち着いたら褒めてあげましょう。その際、褒めるタイミングには十分注意して下さい。
吠えたすぐ後に褒めると、吠えたから褒められたと勘違いするので、吠えるのをやめたらひと呼吸かふた呼吸おいてから褒めるようにしましょう。
そうすることで、吠えても無駄で、やめたら褒められると覚えていきます。
公共の場などで無駄吠えを無視するのが難しい場合は、愛犬を他の場所へ連れ出したり、エサやおもちゃで気をそらしてあげましょう。
- 飼い主がリーダーになり縄張りを支配しよう
犬にとってのリーダーは、常に先頭に立って安全を確保する存在です。
それは、散歩の時犬に飼い主の前を歩かせないというしつけにも繋がります。
家や車などの縄張りを出入りする際には、必ず愛犬に「オスワリ」や「マテ」など指示をし、飼い主が先に出入りをしてから愛犬を誘導しましょう。
まとめ
縄張り意識の強い犬は、警戒心が強いがゆえに緊張状態が続き、物音がしたり人影を見つけるたびにストレスが溜まる可能性もあります。
また、愛犬の吠えグセは、ご近所さんへの迷惑などを考えると、飼い主自身のストレスにも繋がります。
まずは、愛犬を色々な環境に慣れさせ、警戒心を解いていきましょう。
吠えたら無視をして、吠えてもイイことが無いと覚えさせましょう。
我が家の生後8カ月の愛犬も、まだしつけの途中ですが、散歩へ出掛けても田舎のせいか、犬一匹人っ子一人合わない日もあります…。
しかし、月に3~4回泊りに来る甥っ子にはすっかり慣れ、全く吠えることはありません。
そればかりか、甥っ子の顔を見るなり猛ダッシュで駆け寄り、ヘソ天で甘えています。
恐怖心を取り除くためにも、慣れは大切だと感じています。
愛犬が、いつも安心しきって寝そべって居られる縄張りを、作ってあげたいものですね。
ユーザーのコメント
40代 女性 momo
30代 女性 茜
吠えるという事は縄張り意識の表れ、まさに私たち家族(人間)以外は敵だったのでしょう。
もう少しして新しい家族を迎えるときはしっかりした飼い主で在りたいと思っています。
40代 女性 SUSU
知り合いのワンコもピンポンの音とともに吠え続けるため、訪問者の声がよく聞こえずよく分からないままドアを開けたら訪問営業の方で、帰ってもらうまで苦労したと話していました。
犬は長年、人間とともに暮らしてきた動物で仲間意識を持ち社会性の高い生き物です。
確かに犬は縄張り意識の強い動物です。でもそれは、人間の感覚とそう変わらないのではないだろうか?と犬と暮らして10年目を迎えた最近になって思うようになりました。
ピンポンとチャイムが鳴れば誰だろう?と思い、自分では判断がつかない相手が玄関に入ってくれば当然、追い払おうとすると思うのです。
その行動は、自分が群れのリーダーであり、自分が認めていない人物が出入りしていることに怒っているということよりはむしろ、誰だか分からない相手に入ってほしくない、不安な気持ちから帰れ!と威嚇しているに過ぎないのではないかと思います。
飼い主は犬の上に立たなければいけない、犬が勘違いをしてリーダーとなってしまうと飼い主が犬をコントロール出来なくなってしまう、この考え方は我が家が愛犬を迎えた9年前からずっと存在している説であり、一般的なものです。
しつけ本にも書いてあり、自分を含め多くの飼い主さんが実践してきたことだと思います。
それにも関わらず、このような問題に悩んでいる飼い主さんはとても多いのはないでしょうか。
愛犬を迎えてまず目にするしつけ本や犬の育て方の本には、飼い主側の立場で接する方法を教えているものが多く、犬の気持ち、犬の立場にたって解説してくれている本は非常に少ないと思います。
チャイムに吠え続けるといった行動自体を止めさせるようにするのではなく、なぜこんなに吠えるのか、納得して吠えるのを止めてくれるにはどうしたらいいだろうかと考えてみてはいかがでしょうか。
群れのリーダー論から考えると、留守番中でもチャイムに吠え続けるかと思われますが、お留守番中のチャイムには反応しないというパターンはよくあります。
飼い主が在宅中にのみ吠えるのであれば、それは単に飼い主に知らせているということになると思います。
チャイムが鳴って、飼い主は吠えるのを止めさせるために吠えない!と叱ってしまいがちですが、分かったよ、ありがとう。もう止めてくれる?と話しかけてみてはいかがでしょうか?
我が家では、私が掃除機やドライヤーを付けていて音が聞こえていない時は私が気づくまで吠えて教えますが、分かった、ありがとうと伝えると、吠えやみます。これは電話が鳴っている時も同じです。
来客者に対しても、私が対応をしていれば吠えかかることはありません。
この行動だけをみると、私をリーダーとして認めているからだということになりがちですが、私は犬を従えよう、犬の上に立たなければという考えから行動はしていないのです。
心がけていることは、犬の言い分にちゃんと耳を傾ける、反応をするということだけです。
吠えるな!と厳しくしつけをすれば一見、成功するかもしれません。でもまた他の場面において同じしつけをすることになるリスクがあります。時間はかかるかもしれませんが、この人が言っているのであれば吠える必要がない相手だなと愛犬に判断してもらえる信頼関係を日頃から築けるように接することが、全てにおいて必要なことだと思います。
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