物を隠す行為は祖先から引き継がれた本能
ワンちゃんと生活している方は、オヤツやオモチャなどの大事な物を隠そうとする仕草をよく目にしませんか?
外にいるワンちゃんは土に穴を掘って埋めたり、室内犬はカーペットやベッド、洗濯物の中にも宝物を埋めようとしたります。
ワンコが物を隠す行為は、ある意味では問題行動になる場合があります。
家族やお客様の靴などを隠したりしてしまうと、やはり問題行動だと認識しなければなりません。
しかし、ワンコが物を隠すのは『祖先から引き継がれた本能』なのです。
ワンコが野生だった頃、食べ物は常に手に入るものでは無かったため、狩りで食料を確保した際に、食べきれなかった分を直射日光から避けて食料の保存性を高めていたのです。
犬専用の『冷蔵庫』とでも言うのでしょうか。
また、他の動物達に盗られるのを防ぐために、土の中に埋めて隠していたとも言われています。
私達も大切な物は簡易金庫などに入れたり、食料を冷蔵庫で保管したりしますので、そういう点では同じ行動ですね。
問題行動と判断したら止めさせなければならない
ワンコ(室内犬)と生活する上で、物を隠す行為が問題行動だと判断したら、止めさせなければなりません。
そのためには、『隠さなくても盗られない』と愛犬に思わせる必要があります。
それには何と言っても『信頼関係の構築』が重要になります。
なぜなら、愛犬が頻繁に物を隠す場合は、信頼関係不足が考えられるからです。
信頼関係を築く時に注意しなくてはいけないのが、キツく叱ること。
威厳ある態度を取ろうとして、必要以上に厳しくする方もいますが、キツく叱るとワンコにストレスを与える事になります。
ワンコによっては、それがトラウマとなり懐かなくなる可能性があります。
もちろん体罰なんて以ての外です。
そして体罰でワンコを追い詰めると、逆襲される場合があります。
ここで言う逆襲とは『噛みつく』という事です。
正に、『窮鼠猫を噛む』状態になってしまいます。
噛み付かれると、例え小型犬でもその気になれば人間にかなりのダメージを与る力を持っています。
ましてや中型犬や大型犬に噛まれたら、病院送りか、最悪の場合死に至る致命傷を負わされる事だってあり得ます。
そうならぬ様、ゆっくりと焦らずに信頼関係を一ずつ組み立てる様にして作り上げて行きながら止めさせましょう。
物隠しの理由と対策
飼い犬が物を隠すのをやめさせるには、まずは理由を突き止めて接してあげる事です。
そうすれば問題は簡単に解決される事があります。
ここではその理由と対策について説明していきたいと思います。
いつも主人を感じていたい
主人の靴やスリッパなどの特定の人の物を隠す場合、『主人と遊びたい』や『構って欲しい』『いつも主人のニオイを嗅いでいたい』など、『いつも主人を感じていたい』と言う意思表示である可能性があります。
そんな時は愛犬と遊んであげたり、また体にタップリ触れてコミュニケーションを図りながら、信頼関係を深めましょう。
他人の物はオモチャだと思っている
知らないニオイのする物はワンコにとってオモチャなのです。
例えばお客様の靴などはオモチャと認識してしまい、『後でゆっくり楽しもうと』考えて隠してしまうのです。
ですから、お客様の靴は必ず帰られるまで下駄箱に収納しましょう。
性格によるもの
物を隠すワンコは生まれつきの性格によるものもあります。
この場合は、愛犬の気持ちを別の物に興味を抱く様に仕向けましょう。
隠す際の穴掘りが楽しい
ワンコは物を隠す際に穴掘りをしますが、この時ワンコはとても楽しいそうです。
穴掘りは遊びの一つであるとも考えられていますので、恰好のストレス発散になるのですね。
そして中には、穴掘りをしたついでに物を隠す場合もありますので、もしこの穴掘り行動で床などが傷つくと考えられるのなら、毛布や絨毯,養生マットを敷くと良いでしょう。
まとめ
ワンコの物隠しで生活に支障をきたす場合は、止めさせなければなりませんが、ワンコの本能を抑える躾をしないといけませんので非常に難しいと思います。
人にはそれぞれ考えが有ると思います。
私は愛犬のその行動を叱るよりも、隠されても大丈夫な対策をしておけば良いと考えています。
我が家の場合、ワンコは物を隠すと聞いていましたので、物を隠せる様なトンネル式ベッドを予め用意していました。
愛犬は物を隠すより、そのトンネル式ベッドに入って遊んだり昼寝したりしていました。
厳しく躾けるのも方法だと思いますが、この様に対策をしておく事も一つの方法です。
どちらの方法を取るにしても必要なのはやはり愛情です。
愛情ある躾をすれば、主人と愛犬との信頼関係と絆は強固なものになりますし、そうなればワンコは物を隠さなくなると思います。
狼の場合は隠した食べ物を掘り出してまた食べると言われていますが、しかしワンコの殆どが隠す行為に満足してしまい、後はすっかり忘れてしまう様です。
それがまた愛嬌があって可愛さを感じませんか?
ワンコの本能に刻み込まれた穴掘りや物隠しをする姿は、何とも愛おしいものです。
愛おしい愛犬に対し、叱らずに済む方法を考えながら愛情込めて躾けてあげて下さい。
ユーザーのコメント
女性 匿名
むしろ保護センターと違って、エサもオモチャも奪われないと学習したのか、オモチャはおっ広げ、フードは残しっぱなしです。