「不用犬って何?」
地元の情報誌の「譲ります。」一覧にあった犬の里親募集を偶然見て気になり、募集主さんに連絡して後日会うことになりました。
元々、我が家には先住犬がいたので、「初めの2頭飼い!」とはしゃぎ、その日までワクワクしながら迎える準備をしてました。
そして、募集主さんとの会う約束の日。
募集主さんとその横にキャリーに入ったソルトくんがいました。
ソルトくんについて募集主さんの話を聞いていくうちに、
「子犬を産ませ、その子犬を売る。犬の繁殖業。」
そんなブリーダーがいるんだと、その時初めて知りました。
続けて募集主さんは、
「この子の名前は、ソルトです。売れ残りの子で繁殖にも向かない。うちでは不用だから保健所に連れて行く予定でした。」と…。
その当時の私は、繁殖業の実態や売れ残りの子がどんな道を辿るのか知らなかったので、大変ショックを受けました。
ソルトは私達家族に出会う前は、「必要のない犬、不用犬」としてブリーダーの所で過ごしていたのでした。
「もう、不用犬なんて言わせない!」ソルトくんと私達の挑戦
我が家の一員になって2週間。色々な問題点が見えてきました。
先住犬とは、仲良く出来るものの、トイレ、吠え、人見知り、人を怖がってしまってお漏らし、少しの音でも常に怯え吠えてしまう…。
『どこでも、おしっことウンチ』
これは、家族みんな戸惑いました。
しつけ本には、「叱ってはいけない。」と書いてあり、頭では分かっていもついつい叱ってしまう。
もう本当にどうしていいかわからず、しばらくは途方にくれていました。
そんなある時、偶然立ち寄ったお店の店員さんにソルトのことを話をしたら、
「飼い主さんが色んな事に焦り過ぎなんです。それでは、伝わるものも伝わらない。」と、はっきり言われ、普通なら落ち込むところが私の負けず嫌いな気持ちが沸々と湧いてきて、本気になって躾や犬の感情についての勉強を始めました。(それは今でも続けています!)
その時の店員さんは今でもお世話になっています。
「ダメな事はダメ!」と、ハッキリ言ってくれるので。(笑)
勉強や店員さんのアドバイスのおかげで、色々と悩んでいたことも段々と改善され、犬達との生活が以前よりも楽しくなりました。
また意外なことに、あまり犬に興味がなかった父も率先して犬が出ている番組やネット等で調べて「こうした方がいいじゃないか?」と、意見を言ってくれるようになりました。
「不用犬」と、言われ家族の一員になり、まだ、完璧ではないですが家族以外の人に抱っこされても、お漏らしをしなくなり吠えも治まりました。
トイレは外派ですが・・・(出来ればトイレトレーに出来ればいいのですが)
人間も犬も「安心」して生活ができ、何より向き合うことの大切さを家族みんなで学びました。
しつけは犬に教えることばかりじゃなく、飼い主も学ぶことが多いのだと本当に思います。
犬達の幸せを考えるようになった今
先住犬が15歳で亡くなった時には、しばらくは落ち込んでいました。
ソルトに出会う前までは、本当に何も分からずに犬に接していたから、先住犬には本当に申し訳ない気持ちと、それでも「あの子は幸せだったかな?」って・・。
落ち込んではいましたが、ソルトとの生活は当たり前のように続きます。
毎日ソルトの顔を見ているうちに、私の中に『後悔をかかえているより、今、目の前にいるソルトに「幸せ」と「愛情」を与えたい』という気持ちが湧いてきました。
そんな中、ひょんなことからリンちゃんを迎えることに。
我が家では、初めの女の子。
男の子とどう違うのか想像がつかなくて、しばらくはソワソワしてました。
ある程度は犬の事を勉強をしていても、やっぱり生き物だから正解があるわけでもなく、毎日が大変でした。
だけど、一番大変だったのはソルトだと思います。
初めて見る子犬に、アタフタしつつも、時には叱り、時には一緒に寝たり。
男の子なのに、「母性があるの?」って思いました。(笑)
ソルトなりに精一杯の愛情を注いでいるだと感じました。
愛犬達がお互いに家族としてフォローしてくれるようになり、私にも犬の飼育に対する考えに余裕が生まれ・・・あれよ、あれよと、今じゃ7頭に!
以前、よそ様の家の中型犬がうちのM・シュナのサラを追いかけ回していて、サラが鳴いた時に、普段はおとなしいソルトが臆することなくその中型犬に吠えてかかり、脚を噛んで追い払いました。
私も一瞬のことだったので、ビックリしました。
中型犬の飼い主さんもその場で謝罪をしてくれて、話し合いだけで済みました。
仲間を守ることの大切さなど教えてたわけではありません。
それが犬の本能の中にある仲間意識だと知りました。
過去に辛い経験をしてきたソルト、でも過去は過去。
時には心を鬼にして躾をしたこともありましたが、これからの犬生は6頭の弟や妹達と共に幸せに暮らしてもらえたらって思っています。
ユーザーのコメント
50代以上 男性 そらちゃんの新米パパ
本当に感動する行動と本能なのですかね。
涙が止まりませんでした。
私も生後2ヶ月のティーカッププードルの女の子を迎え入れてました。
今の所は手が掛かりません。
ですが、此れからも真剣にこの子と向き合って行こうと思ってます。
忠犬ハチ公と言われる位犬は飼い主に愛情を返すと思ってます。
勇気付けられるお話しでした。
励みになります。
女性 匿名
もしもあるとするならば、犬に対して残酷な扱いをしている全ての人間の方が要らない❗そう、強く思います。人としてオカシイもん。全うな人じゃない。
女性 匿名
40代 男性 あすか
誰が教えたわけではないけど生まれた時から本能でわかってます
それに比べて人間て平気で弱いものに対して残酷なことができますね
お金と場所があればありとあらゆる子を引き取りたいです
ソルトくん本当に良かったと思います
その反面別のソルトくんみたいな子はほけんじよに行ってしまったのかなと思うと悔しさがこみ上げてきます
早くペットは物ではなく生き物として扱われるようになって欲しいです
女性 匿名
犬を飼ったことがなく、不安な私でしたが、だいぶ慣れてきて犬の本や、ブログを見たりするようになるなかで色々な状況の犬たちがいることも知りました。
前の飼い主さんの家ではどんな生活をしてきたのかなあと思いながら、主人と子供たちと一緒に、犬が我が家に来て良かったと思ってもらえるように大事にしようと思います。
40代 女性 6歳のわんちゃんの母
女性 みきこ
2カ月ごろに山に捨てられてさまよっていたようです。
人を全く信用していないらしく、近づくだけでおしっことうんちをお漏らししてしまい、驚くとお尻から臭い汁を噴射、本当にどうしてあげたらいいのか悩んでいます。
半年経った今でも家の中を逃げ回り、簡単に触れることすらできません。
しかし今日この記事を読み私も気長に頑張ってみようと思えるようになりました。
捨てられた命をきっと幸せにしてあげようと思える様になりました。
ありがとうございます。