犬の味覚!舌のメカニズムについて

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犬の味覚!舌のメカニズムについて

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愛犬がガツガツとご飯を食べる姿を見ると、「なんで急いで食べるのだろう?」とか「もっと味わって食べればいいのに…」とか思ったことってありませんか?食べ物を丸呑みする犬は、ちゃんと味わって食べているのでしょうか?そもそも犬に味覚はあるのでしょうか?犬が舌で感じる味覚について解説します。

記事の監修

  • 獣医師
  • 加藤桂子
  • (伊達の街動物病院 獣医師)

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の舌が感じる味覚

食事中の犬

何でも丸呑みにしている愛犬の食事風景を見て、驚いた経験はありませんか?
人間が何度も咀嚼をし、消化しやすい大きさになってから呑み込むのと違って、犬は殆ど咀嚼することはありません。「もっと味わって食べればいいのに」と思った経験のある飼い主さまも大勢いらっしゃると思います。でもこれは仕方のないことなのです。

なぜなら、元々犬は食べ物をすり潰すことはしません。食べ物を引き千切り、噛み砕くことはしても、すり潰すことはしません。自然界で生きていくのに、食べ物を味わっていたら、忽ち他の動物たちに横取りされたり、自分が餌になってしまいます。

それに犬の歯は食べ物を引き千切ったり、噛み砕くことに適した形をしているのです。それならば味覚はどうでしょう。人間と同じ雑食動物である犬ですが、一体どれほど味覚を感じているのでしょうか?

犬の味覚と人間の味覚の違いとは?

犬は雑食動物

猫は肉食動物の中でも完全肉食動物に含まれます。従って、肉を食べないと生きていけない動物なのです。一方、犬ですが、こちらは雑食動物です。正確に言うと、肉食動物の特徴を持っている雑食動物と言うことになります。

先祖のオオカミは元来、肉食動物でしたが、犬は人間と暮らすようになり、家畜化が進むに連れ、その食性を変えていったと言われています。

犬の味覚のメカニズム

アイスをなめとる犬

人間が感じることの出来る味覚は甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つです。
私たち人間ほどは発達していませんが、犬にもちゃんと味覚はあります。味覚を感じる細胞のことを「味蕾細胞」と言います。犬にも同様にその味蕾細胞が備わっています。

一方、犬の感じることの出来る味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味です。人間の味覚と違うところは、犬は旨味を感じないと言われているところでしょうか。
しかも犬の味覚は人間の味覚に比べると、12倍も弱いとされています。因みに苦味で毒かどうかを判断し、酸味で食べ物の腐り具合を感じていると言われています。
人間の味覚より弱い犬の味覚ですが、お薬の苦味を危険なものだと判断して吐き出してしまうことがあります。味覚より犬の持つ本能から「苦味は危険」と認識してしまっているからです。犬にとって苦い薬は毒と紙一重なのでしょうね。ちなみに、犬が苦味を感じる部分は人間と同じく舌の奥の方だと言われています。そのため、苦いものを口にしてから吐き出すまでに少しの間があるようです。
犬が甘味を感じる味蕾細胞は舌の先、塩味・酸味は脇の部分、苦味は舌の奥で感じます。人間の味蕾細胞がおよそ1万個なのに対して、犬のそれは2,000個弱しかありません(猫はもっと少なくておよそ500個程)。

味蕾細胞の数が少ないと言うことは、単純に人間に比べると犬の味覚は劣るとことを意味します。しかし味を感じていないわけではないのです。

犬の嗜好

犬が一番発達しているのは甘味だと言われています。果糖や乳糖に強く反応します。特に大好物なのはアイスクリームやクッキーなどのお菓子類。果物、焼き芋、パンなどもにも目がありません。
老犬になっても、最後までしっかりと感じる味覚は甘味だと言われています。年を取るごとに段々と食が細くなっている、なんていうことも少なくはないはず。少しずつ他の味覚が鈍くなってしまい、食事に味を感じにくくなってきているためです。
老犬になって食が進まないようなときは、いつもの食事にほんの少しの甘味を加えてあげることで喜んで食べてくれるでしょう。また、味覚と同様に嗅覚も衰えていきます。においが強めなふりかけやフードを与えることでも効果が得られます。
腐敗物を嗅ぎ分けるため酸味にも敏感です。その反面、狩猟生活をしていた犬は塩味には鈍感で、受容体が欠けている傾向にあるようです。苦味になると殆ど感じ取れないと言われています。なにせ人間が苦いと感じるゴーヤを平気な顔をして食べてしまうくらいですから。

味よりも犬に取って大事なのは匂いなのですが、一旦食べ始めると、全てが口の中の味蕾細胞と食感受容体に負かされてしまって、匂いは二の次になってしまいます。

次に大事なのは食感(温度、歯・舌触り等)、味、見た目の順であり、おいしいかどうかより、食べられるかどうかの方が大事なのです。

犬が感じる4つの味覚一覧

甘味

味蕾が多く、犬にとって最も敏感に感知できる味覚です。これが、アイスクリームや焼き芋などの甘い食べものが好きなわんちゃんが多い理由です。肉類に含まれるアミノ酸も甘味として感じ取ることができます。

酸味

甘味ほどではありませんが、比較的強く感じる味覚で食べものの腐敗の程度を判定しています。そのため、わんちゃんは一般的にはレモンは苦手のようです。

塩味

味覚を感じる面積が狭く、ほとんど感じていません。これは、犬が獲物となるお肉から塩分を十分に取れていたため塩分が不足することがなかったことに由来すると言われています。

苦味

塩味と同じようにほとんど感じません。自然界で「苦い」と感じるものは有毒性がある事が多いため、少しでも苦味を感じた時は吐き出すことが多いようです。

まとめ

「毎日同じものでは可哀相だから」と愛犬が嬉しそうに食べ物を食べているのと見ると、つい「あれもこれも」と与えてしまいがちです。

しかしどんなに犬が喜んでも、肥満になってしまっては、元も子もありません。肥満は万病の元。それは私たち人間も同じことです。お互いの健康を保ち、長く一緒にいるために、犬の食事の管理をしっかりとつとめることが、私たち飼い主の役割なのです。

ユーザーのコメント

  • 50代以上 女性 ろちゃん

    うちでは犬と猫に同時に食事を与えているので、なんとなく味覚の感じ方が犬と猫では違うみたいだとは思っていました。
    完全肉食動物のはずの猫は、お腹がすいていると白いご飯でもおいしそうに食べます。犬よりも味覚が発達していなかったからなんですね。
    犬が人間のように旨味を味覚として感じていないというのは少し意外な気がしました。
    お肉多めの時のほうが食べっぷりがいいのは肉の旨味を感じているせいかと思っていました。
    人間の感覚とはやはり違うという事を認識して、記事にあるようにしっかりと健康管理をしてあげるのが大切だと感じました。
  • 50代以上 女性 K9-ABC

    一緒に生活していると、愛犬への食べ物はついつい多めになり、カロリーが多くなってしまいがちです。人間にも言えることですが、体調コントロールには運動、睡眠、そして正しいダイエット、on a dietの減量ではなく、watch your dietの食事管理という意味の「diet」が必要だと考えます。愛犬の味覚に思考を巡らしながら、健康に良い、愛犬が食べる楽しみのある食事やおやつを選んであげたいと思います。
  • 20代 女性 小夏

    旨味を感じない!!!!!衝撃ですね。
    わんちゃんは、甘味を一番感じるのですね〜私も甘いもの好きです!
    美味しいですもんね〜(笑)
    犬は臭いが強いものを好むと何かで聞きましたが、ちゃんと甘味や塩味もわかっているのですね!
  • 40代 女性 ナツ

    うちの愛犬をはじめ、周りの犬友にはパン好きの子が多いのですが、「なぜこんなにパンが好きなのだろうね?」とよく話題になっていて、疑問に感じていました。犬は甘味に対してとても敏感だからなのですね。さつま芋やかぼちゃ、りんごなどは甘味が強いので好む犬が多いのがそのためと理解はできますが、パンの糖質まで感じることができるとは!

    パンは作る過程で発酵のためにお砂糖が多少は入りますし、小麦粉にも糖質が含まれています。ワンコもその糖質を舌で感じて、好んで食べていたのですね~。なるほど。

    先代の犬はとても少食で毎日の食事には本当に苦労しましたが、やはり甘味の強いものは好んで食べていました。美味しそうに食べてくれると、ついあげすぎてしまいそうになりますが、食べすぎと肥満には要注意ですね!



  • 40代 男性 eda

    愛犬は食が細くガリガリでした。ゴハンを置いても駆け寄っても来ませんでした。犬を皿の前に連れてきて、ゴハンの匂いをクンクンさせるとプイっとして寝床に帰っていくのです。しかしある時に、フードにヨーグルトをスプーン1杯だけ乗せたら食べるようになりました。初めはヨーグルトが好きなんだなと思っていたのですが、1度食べ始めれば食べるのです。その謎がこの記事で解けました。食べ始めるまでは嗅覚が支配していて、食べ始めてしまえば味覚優先ってわけなのですね。食べるきっかけを”いい匂い”で作ってやればよかったというわけのようです。今でも食に対して貪欲ではありませんので、この記事にならって食べ始めるきっかけ作りを心がけてみようと思います。
  • 30代 女性 38moto

    犬の舌は味覚を感じるだけではなく、健康のバロメータとしても重要な器官ですね。老犬になると味覚が鈍ってしまい、食べ物に対する好みがはっきりしてきます。嗅覚も同じように衰えていくため、食事に対して匂いや味を感じなくなり段々と食欲も落ちてしまいます。人間も薄味はあまり美味しいと感じませんよね。

    苦味や酸味を感じる部分は、食べられるものかどうか新鮮かどうかを判断する部分なので、とても精密で敏感に働きます。ですが年老いて衰えてしまうと、ここの味覚で判断できず食べられるものかどうかがわからなくなってしまいます。食欲減退の原因のひとつでもあります。
    シニア期に食欲減退がみられた場合は、バランスよく高カロリーなものを選び、トッピングに甘味のあるものをふりかけてあげることで食いつきが変わると思います。
    犬の舌は甘味を察知する機能が他の部分よりも発達しているため効果は高いと思います。
  • 30代 女性 おはな

    一旦食事が始まるとにおいが二の次になるという犬の本能、かわいいです。
    うちのわんこは好き嫌いがほとんどなく、食べることが大好きです。ドッグフードもどの種類も完食してくれるので飼い主としては助かっています。ですが、以前少し高めのドッグフード(品質重視、初めて)とよくあるお手ごろドッグフード(いつも食べてたもの)を一粒づつ左右の手に隠してどっちと遊び感覚で選ばせたことがあります。3~4回同じことをしたのですが、結果はどの回も迷わず高めのドッグフードでした。においから違うのか、好みの味だと直感が働いたのか。愛犬の好みを知るには面白い遊びだなと思いました。その他、プランターで作っている葉物の野菜をたまにあげるのですがこれにも好みはあるようです。8割がた、むしゃむしゃと食べるのですが苦味のある葉物は何度か咀嚼した後にペッと吐き出します。その後食べたそうににおいをにおってはいますが、決して食べることはありません。愛犬の好みを知っていくのは飼い主としてとても楽しいです。
  • 女性 コロ

    ここ数週間で、高齢になった愛犬の食欲が段々と落ちてきた気がします。いつものフードにふりかけをしてもあまり進まないので困ったなぁと思い、こちらの記事を参考に少し甘味を加えてみたところ今までのような食欲に戻りました!
    フードも少し温めてみたところ、においが立つようでいつものフードでも喜んで食べてくれました。高齢犬には甘味と温度が重要ですね!
  • 女性 タルト

    ウチの犬は食いつきが悪いんです。クンクンにおいをかいで、ぷいっと寝床へ帰ってしまいます。
    やはり匂いが重要なんですね。
    一度食べ始めれば順調に食べ進んでくれるのですが、気に入らないともうお皿に近づきもしません。
    毎回試行錯誤で、愛犬が気に入るトッピングをしています。
  • 女性 ゴン吉

    ご飯をあんまり食べない時は、サツマイモなど甘味の強い野菜をトッピングすると良く食べてくれます。甘味が一番わかるみたいですね。ゴーヤも普通に食べられるので、苦みを感じないというのは不思議です。
  • 女性 ななこ

    うちの犬も甘いものが大好きです。お芋もサツマイモは大好きですが、甘くないじゃがいもは食べません。薬を飲ませる時は、薬をポロッと口から出しちゃう知能犯なので、あまーいカステラを潰して団子にしたものに入れたらペロリと食べてくれました。もちろんカステラは、薬を飲ませることを優先して、この時だけです。
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