最も多い『犬の死因』3選 病気や事故を予防するために飼い主がすべきこととは

最も多い『犬の死因』3選 病気や事故を予防するために飼い主がすべきこととは

今回は「犬の三大死因」と言われている病気と、犬を飼う上で気をつけたい事故についてご紹介します。愛犬を亡くすというのは考えたくないくらい辛いことですが、少しでも長く一緒にいるためにも、読んでみてくださいね。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

最も多い「犬の死因」とは

診察中の犬

犬の三大死因は「がん」「心臓病」「腎不全」といわれています。

今回は、この3つの犬の病気について解説し、あわせてこれらのような病気や事故を予防するために飼い主がすべきことについてご紹介します。

1.がん(悪性腫瘍)

犬の死因のトップは、「がん(悪性腫瘍)」といわれています。

腫瘍とは、正常な細胞の遺伝子が傷つき、正常な働きをしない細胞が異常増殖してかたまりになったものです。

その中でも、異常な細胞が周囲の正常な組織に染み出るように広がったり(浸潤)、身体の別の部位に転移したりするもののことを悪性腫瘍といいます。

犬に特に多いのは皮膚や乳腺のがんで、それ以外にも消化器や肝臓などの臓器、骨や筋肉、脳などの神経系、血液リンパなど様々な部位で見られます。

なぜ、犬はがんになってしまうのでしょうか。実は、これといった原因はまだわかっていません。そのため、犬のがんは早期発見、早期治療が大切です。

  • しこりがある
  • 食欲元気がない
  • 嘔吐下痢
  • 呼吸がおかしい
  • 特定の部位を痛がる
  • 多飲多尿
  • ふらついている

愛犬にこれらの症状がみられる場合は、すみやかに動物病院を受診しましょう。また、定期的な健康診断も早期発見に役立ちますので欠かさないようにしましょう。

乳腺や卵巣の腫瘍は避妊手術、精巣や肛門周囲腺の腫瘍は去勢手術で予防できることもあります。早期であればより効果が高まるので、適齢期でまだの場合は検討してみることをおすすめします。

2.心臓病

身体中の隅々まで血液を行き渡らせる役割を果たす心臓。その心臓が心奇形などの先天的な障害や心臓にある弁が完全には閉じなくなることが原因で、正常に機能しなくなる病気のことを「心臓病」といいます。

病気の原因によっては投薬や外科手術などの治療法がありますが、これといった予防法はありません。先天的な問題や犬種によってなりやすい心臓病もあるので、まずは早いうちからの健康診断がおすすめです。

病気が進行すると咳が出たり、息が荒くなったり、運動を嫌がったりするので、様子がおかしいようなら早めに獣医さんに相談しましょう。

また、心臓に寄生虫が寄生して機能障害を引き起こすフィラリアには予防薬があります。蚊が媒介する病気で地域によって予防期間が異なるので、動物病院の判断の元でしっかりとケアしてあげましょう。

3.腎臓病

腎臓は血液をろ過し、身体の老廃物を外に出す役割を担っています。「腎臓病」は、この腎臓が正常に働かなくなり、本来体外に出るはずの老廃物が溜まっていってしまう病気なのです。老廃物は有害で、溜まり続けると犬の身体に深刻なダメージを与えます。

腎臓病には、「急性腎臓病」と「慢性腎臓病」があります。

急性腎臓病は数時間~数日で急激に腎機能が低下する病気で、適切な治療をおこなえば腎機能が回復することもあります。

慢性腎臓病は数ヶ月~数年など長い時間をかけてゆっくりと腎機能が低下していく病気で、初期段階にはほとんどが無症状です。慢性腎臓病の場合、一度発症すると完治することはなく、また悪くなった腎臓も元に戻りません。

腎臓病の予防には、塩分を取りすぎずにバランスの取れた食生活を心がける必要があります。また、新鮮な水を飲めるような環境づくりも大切です。

日頃から犬の飲水量やおしっこの量と色をチェックし、おかしいと感じたらすぐに動物病院を受診してください。

事故にも注意が必要

お腹を診察中の犬

犬も病気だけでなく、事故で亡くなるケースもあります。犬を飼う上で注意したい事故についても確認しておきましょう。

交通事故

散歩中に犬の首輪やハーネスが何かの拍子にはずれて道に飛び出してしまったり、犬が脱走してしまったりして、道路に飛び出して交通事故に遭うケースが後を絶ちません。

  • 犬の体に合った首輪やハーネスを使う
  • リードを長く持ちすぎない
  • 脱走対策をする

犬が事故に遭ってしまうリスクを下げるために、これらのポイントについて日頃から気をつけるようにしましょう。

また、犬とのドライブ中に、急ブレーキや後続車からの追突などの事故で愛犬がケガをしたり、最悪の場合死に至る可能性もあります。犬を車に乗せる場合、クレート(ペットキャリー)やペットシートベルトを活用して、できる限りの対策をしましょう。

誤飲・誤食事故

ご家庭内での誤飲・誤食も注意が必要です。犬の消化器官を中から傷つけてしまったり、腸閉塞や窒息をおこしたりする可能性があります。

また、先ほどご紹介した急性腎臓病は、犬がユリ科の植物を口にしたことが原因の場合もあります。人間は平気でも、犬にとっては中毒になるような食べ物や植物があるので、ご自宅にないか一度チェックしてみてください。

ボタンやヘアゴムなどの犬が誤飲しかねないようなものや、犬が中毒を引き起こすようなものは、愛犬が口にしてしまう前にすぐに片付けましょう。もし誤飲・誤食してしまった場合は、自分で無理に対処せず、すみやかに動物病院を受診してください。

まとめ

診察中の犬

今回は犬の死因と、病気や事故を予防するために気飼い主がすべきことについてご紹介しました。

病気にしろ、事故にしろ、絶対に自己判断せずに、おかしいと思ったら動物病院を受診することが大切です。

愛犬と健康的で安心安全な日々を一日でも長く過ごせるよう、飼い主としてできるだけの対策をやっていきましょう。

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