ファラオハウンドの特徴・性格｜子犬の価格や飼い方について

ファラオハウンドの特徴

大きさ

体重・・・18～27キログラム
体高・・・53～63センチメートル

ファラオハウンドは体重18～27キログラム、体高53～63センチメートルで大型犬に属します。オスよりもメスの方が少し小柄です。
　　

被毛

ファラオハウンドの毛色は「タン」（赤みがかったブラウン）が主流です。黒い体のエジプトの墓守神「アヌビス」に似ていることから、黒のファラオファウンドがいると思われがちですが、黒色は存在していません。個体によってタンの濃淡が違い、中には白の斑があるものもいます。

被毛は短めのシングルコートで、光に反射すると美しく輝いて見えるほど光沢があります。
　

体の特徴

体は筋肉質で引き締まり、無駄な贅肉がない均整の取れたスタイルをしています。しっぽはサーベル形をした垂れ尾です。耳は大きな立ち耳で、ろうそくに似ていることから「ろうそく耳」とも呼ばれています。

顔の輪郭は細めで凛とした印象です。楕円形の瞳は、子犬期は透明感のあるブルーですが、成犬になるにつれ琥珀色に変化するのが大きな特徴です。ファラオハウンドは興奮すると鼻や耳が赤くなる「ブラッシング」という珍しい特性も持っています。

ファラオハウンドの歴史

ファラオハウンドの歴史は紀元前1000年頃までさかのぼり、祖先はマルタ島に持ち込まれたエジプトの超古代犬「チズム」と言われています。マルタ共和国は島国なので、他国から隔離された状態で長く純血が守られていました。

当時のマルタ島では、ウサギ猟犬という意味の「ケルタ・デル・フェネック」と言う名前で呼ばれていましたが、高貴なイメージの姿にそぐわないということで改名の提案がされました。そこで、エジプトの壁画「アヌビス」に似ているということや、祖先犬がエジプト原産であるということから「ファラオ（ツタンカーメンの意味）」と名づけられたのです。

改名されたことで、ファラオウハウンドの知名度は一気に上がり、同時に原産国のマルタの名も世界的に認知されることになりました。このことから、ファラオウハウンドにはマルタ共和国の国犬の称号が与えられ、現在に至ります。

ファラオハウンドの子犬の値段

子犬の販売価格は25万円前後と言われています。ファラオハウンドは個体数が大変少ないため、常に市場に出ているわけではないようです。このため、値段の相場もどの程度変化するかわからないのが実情となっています。

ファラオハウンドの性格

• 友好的
• 温和
• 優しい
• 初対面の人や犬に対しては警戒心を持つ
• 自立心旺盛
• 感情表現が豊か
• 愛嬌がある

ファラオハウンドは狩猟犬だったため、自己判断能力に優れ自立心の強さが目立つ犬種です。初対面の人や見慣れない犬に対しては警戒心が強くでてしまいます。ウサギを追っていた歴史から見ても分かるように狩猟本能が強く、小型犬や小動物には攻撃的な態度をとることもあります。

しかし、一度警戒心が取れると非常に友好的になり、優しい面を見せてくれます。人懐こく、子どもの良き遊び相手にもなってくれるでしょう。

感情表現が豊かなファラオハウンドは、喜怒哀楽がはっきりと顔に表れます。一見強面に見えますが、歯を見せてニカッと笑う表情や、叱られて耳がシュンと垂れ下がる姿は、とても愛嬌があります。

ファラオハウンドをブリーダーから迎えるには

JKC（一般社団法人ジャパンケンネルクラブ）の最新の登録犬種資料には、ファラオハウンドの登録は見当たりませんでした。このため、国内でのファラオウハウンドのブリーディングは現在行われていないと考えられます。

日本国内では見つけられない場合は、海外のブリーダーとのコンタクトが必要となります。JKCが主催するドッグショーなどを積極的に見に行き、他のハウンド系犬種を扱っているブリーダーさんからも情報収集していくと良いでしょう。

ファラオハウンドの里親になるには

ファラオハウンドの里親募集はほぼないと言えます。しかし出会える可能性がないわけではなありません。里親募集の情報はインターネットだけでなく、地元公共団体や民間のボランティアなどでも行っていますので、積極的に調べてみてください。

ファラオハウンドの飼い方

環境

ファラオハウンドは原産国が温暖な気候なので、暑さには強く寒さに弱いのが特徴です。そのため温度調節ができる室内飼いが適しています。皮下脂肪も少ないので、冬場は温度調節をしっかりと行い、服を着せるなどの対策をしてあげましょう。被毛が薄く短いので、床ずれしないような寝床の工夫も必要です。

小型の動物を見ると本能的に狩猟体勢に入ってしまう恐れがあるので、小型の犬や動物との多頭飼いには注意しましょう。

運動

ファラオハウンドは運動量が多い犬種です。足場の悪い場所でウサギを追い続けていたとされているので、俊敏であり、動くことが大好きな性質があります。運動不足がストレスになることもあるため、毎日朝夕2回、1時間程度の散歩を必ず行いましょう。

しつけ

飲み込みが早いファラオハウンドはトレーニングへの理解度も高いようです。しかし自立心が強く、時に頑固な一面も見せることがあります。飼い主さんは関係性を築きながら、根気よく教えていきましょう。

餌

ファラオハウンドは、運動量の割に小食な犬種です。少ない量でたっぷりの栄養が摂取できるようなフードが重要になります。走り回ること好きなファラオハウンドは関節への負担が大きくなってしまうため、高カロリーでバランスのとれたフードが良いでしょう。

お手入れ

抜け毛も少なく、水に濡れても犬独特の臭いを発しないファラオハウンドは、お手入れが非常に簡単です。週に1回程度のブラッシングで艶のある被毛を維持できます。その他、爪切りや耳掃除などは定期的にお手入れしてあげましょう。

ファラオハウンドの寿命

ファラオハウンドの平均寿命は11歳から14歳で、一般的な大型犬より少し長めと言えるでしょう。これは原種性が強いことと、もともとの生命力の強さが起因しています。ファラオハウンドに適したフードを与えて環境を整えてあげることで、より元気に長生きしてくれるかもしれません。

ファラオハウンドがかかりやすい病気

ファラオハウンドは、健康的で遺伝的疾患の少ない犬種です。ですが、いくつか注意すべき点があります。

骨折・関節炎

ファラオハウンドは足のトラブルに注意が必要です。基本的に丈夫な犬種ではありますが、足を捻る、骨折する、また関節に負荷がかかるということが稀に起こります。

ウサギを追いかけていたことからわかるように、脚力や跳躍力があります。小回りも利き、時に急ブレーキをかけ、大型犬とは思えないような細やかな動きをするため、足への負担が大きくなるようです。

しもやけ

寒さが苦手で皮膚が弱いファラオハウンドは、しもやけになることがあります。特に耳の部分に発症することがあるため、散歩の帰りなど、冷たい空気に長時間あたった後は温めてあげることが必要です。

ファラオハウンドと同じハウンドグループ犬種

• アフガンハウンド
• サルーキ
• グレーハウンド
• イタリアングレーハウンド
• ボルゾイ
• ウィペット
• イビザンハウンド
• バセットハウンド
• バセンジー
• ポデンコカナリオ

ファラオハウンドは「ハウンド」という獣猟犬のグループに属します。ハウンドは更に細かく「嗅覚ハウンド」と「視覚ハウンド」にグループ分けされ、ファラオハウンドは嗅覚ハウンドのグループに含まれるようです。尚、テリア種も狩猟犬ですが、ハウンドグループには含まれません。

まとめ

ファラオハウンドは希少な犬種で出会う機会は少ないかもしれませんが、インスタやインターネットなどでは世界各国で愛されている姿がたくさんアップされています。

陽気な性格や表情の豊かさ、スタイリッシュな体格や遺伝的な疾患も少なく健康的なところなどファラオハウンドの魅力は尽きません。家族として迎えられた際は、お出かけや運動を一緒にして、楽しい毎日を過ごしてください。

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