クッシングとは副腎皮質機能亢進症を発見した研究者の名前で、 医師がよく病名としていう「クッシング」とは、クッシング症候群、正式名を副腎皮質機能亢進症といいます。
腎臓の横に小さくあるのが副腎ですが、副腎がそもそも担っている役割はというと、ざっくりいうならホルモンの分泌器官であり、免疫、炎症、代謝など幅広く関わっています。
そしてこの病気は、脳下垂体に腫瘍ができたり、副腎そのものに腫瘍ができることにより、過剰に副腎性ホルモンが作られてしまうことから発症します。
免疫力の低下に関係するように、高齢で小型犬に多く発症が見られ、中でもトイプードル、ダックスフンド、ポメラニアン、ボストンテリアなどテリア種、ボクサーなどがなりやすいと言われています。
よく犬の種類でなりやすい病気というのがありますが、これらは遺伝が関係する可能性があります。
では具体的にはどのような症状がおこるのかみていきましょう。
このような症状がでていたら要注意
主な症状は以下の項目などがあげられます。
- 水をがぶがぶ大量に飲む
- よく食べる、しかし痩せている
- 顔や手足を残して胴回りの毛が左右対称に脱毛する
- お腹が膨らんでいる
- お散歩に行きたがらなくなったり、筋肉が落ちてくる
- 皮膚が黒ずむ、薄くなる
検査は血液と尿のコルチゾールの値を測る検査をし、エコーでも副腎の大きさを見るなどして判断しするのですが、たとえ症状にあてはまるものがあっても、数値やエコーで見て違うと判断される場合も多く、この辺も医師により決定する基準があいまいです。
はっきりとした腫瘍が見えていたり、副腎の大きさが肥大しているなど分かり易い症状がなければ、それほど判断が難しいということです。
うちの場合、検査結果からクッシングではなかったのですが、医師判断がつかなかったので、脱毛改善できるかもと1か月薬を飲まされたり、色々試されたおかげで具合を悪くしたという経験が・・・。
高齢になったら、元気であれば脱毛など気にしてはいけないと思いました。
しかし、クッシング症候群は突然死することもありますし、その治療薬は慎重に投与しなければなりません。判断がつかない場合は2次診療の動物病院を受診したほうがよいでしょう。
▲手、足、顔は毛がありますが、胴回り、しっぽの毛が抜けています。
治療は難しく合併症にも注意が必要
治療法は手術、放射線治療、薬物投与、となるのですが、どれも難しく高い効果をのぞむことが難しいのが現状です。
そして糖尿病や脱水、栄養の摂取ががきちんとできないことから、その場合は管理がとても難しいといわれている病気です。
私も色々な医師、病院で何度も説明を聞きましたが、断定することも、治療することもとても難しい病気だと感じました。
しかし、この病気は遺伝か、投薬が原因のため、予防が出来ないのも特徴です。ですから、病気が疑われる状況があれば、早めに病院で検査をすることしかありません。
▲あら不思議、洋服を着ると脱毛が分からないでしょ?
まとめ
クッシング症候群という病気があり、どのようなものなのかを知っておくことは勿論ですが、高齢になると免疫力が低下することから、とにかく色々なところの調子が悪くるのは事実です。
そして病気になれば、少なからず何か合併症がおこります。
悲観的になるよりも、病気とうまくつきあっていくこと、どうすれば少しでも長く、わんちゃんが楽しい生活を維持できるのかを、手探りながらもチャレンジし続けることだと思います。その選択肢を多く持つためにも、出来るだけ早く検査をし、状況を把握することが大切です。
そして治療は薬だけではありません。
食事や環境の見直しなど、医師だけに頼らずとも自分が出来ることがたくさんありますから、ひとつずつ取り組んでみることです。
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40代 女性 Muffin