犬は夜行性じゃないって本当なの?
結論から言えば、犬は夜行性ではなく昼行性です。
でも実際、夜になると我が家の愛犬達は、私が電気を消してベッドに入ると当たり前のように布団に入ってくるだけでなく、おテテでちょいちょいして腕枕まで要求して、こちらが寝付くより先にいびきをかき始めて寝るんですよ。
これでも犬は夜行性?
私と同じように首を傾げる飼い主さんは多いはず。本当に犬は夜行性なんでしょうか?
人間の生活に合わせて夜も眠る
ご先祖である狼から現在の犬へと進化したその歴史に、疑問を解くカギがありました。
狼といえば満月に向かって遠吠えする姿の通り、確かに狼は夜行性。多くの野生動物もまた夜行性で、狼はそうした小動物などを捕食するため、夕暮れ時から活発に動き出し、狩りを行ってきました。
けれど、人間が定住化すると、そこから出されるゴミをあさるようになり、徐々に人の生活に近づいていきます。そうして狼から分化したイエイヌたちは、居場所を与えられ残飯をもらうなどして、しだいに狩りをする必要がなくなっていきます。同時に、昼間は農耕や狩猟で活動し夜には眠るという人間の生活サイクルになじんでいった結果、夜も眠るようになったと言われています。
かつては外敵から人間を守ってきた犬達も、今では逆に人間に守られて生きており、食べ物と温かい寝床を与えられ、警戒すべき敵もなく安心して夜も眠れるようになったというわけです。ちなみに犬同様に夜行性と言われてきた猫でも、完全に室内飼育されている場合はやはり夜もよく眠ることが知られています。
犬が夜行性と思われている理由は?
犬の睡眠時間は一日の半分以上
それでも、いまだに「犬は夜行性」という説を信じたくなってしまうのは何故でしょう。それは私たちが目にする犬の睡眠サイクルに関係しています。
人間の睡眠時間はだいたい6〜8時間前後ですが、それに対して犬は成犬で12〜15時間、子犬や老犬では18時間以上と、1日のほぼ半分は眠っていることになります。これほど長い時間を眠りに費やすのは狩りのエネルギーを温存するためで、野生時代の名残と言われています。
また、人間が忙しくて日中あまり構ってやることができなければ、その間やることのない犬は、たいていウトウト眠っています。こうした姿をよく目にするため、「犬は日中眠る夜行性の動物」と思ってしまうのも無理はありません。
犬の夜行性の睡眠について
犬の睡眠のリズム
昼間よく眠っている犬ではありますが、昼夜に関係なくちょっと音を立てただけですぐ目を覚まし、動き出したりするもの。これは、犬特有の睡眠リズムに関係します。
人では入眠から3時間は深い眠り(ノンレム睡眠)で、その後は平均90分単位で浅い眠り(レム睡眠)と深い眠りを繰り返します。一方、犬は一日の眠りのうち8割が浅い眠りで、深い眠りは2割程度とされており、小さな物音ですぐ目を覚ましてしまうのはそのせいです。
そもそも睡眠は体を休めるだけでなく脳自体も休めてストレスを解消したり、体温も睡眠の深まりに合わせて上がったり下がったりするため、生理機能を正常に保つためにも大変重要。愛犬の眠りを妨げないことは健康維持のうえでも必要なことなのです。
愛犬の眠りを守るために知っておきたいこと
浅い眠りと深い眠りの見分け方
わずかな熟睡の時間をしっかり確保してあげるには、まず目の前で眠っている愛犬の眠りの深さを知ること。二つの眠りの特徴を挙げてみましたので、参考にしてみてください。
レム睡眠
体は眠っていて脳は覚醒に近い状態。夢を見るのはこの時。寝言を言ったり、手足や眼球がピクピク動いたりする。ちょっとの物音でもハッと目を覚ます。
ノンレム睡眠
血圧、体温、呼吸も低下し、体も脳も休んでいる熟睡の状態。仰向けになったり手足を伸ばしたりと無防備な姿になることも。大きく深い呼吸をしている。
犬が静かに落ち着ける環境を作ろう
犬はよく床にアゴをつけて眠っていますが、これは骨伝導で音の振動が伝わりやすいからだそう。危険をいち早く察知し、逃走か闘争かの行動に移るためには必須の姿勢と言えます。
我が家の場合、そそっかしい私が小さなペンを取り落としただけでも、足元で眠っていた愛犬は飛び起きて逃げ出します。その時、つかまえて心臓に手を当ててみるとかなりドキドキしているため、健康には非常によろしくないと思われます。
愛犬をむやみに脅かさないためにも、眠っている時には大きな音を立てず、そっとしておいてあげることが大切です。そしてできればサークルやケージなど休む場所をきちんと設けてあげること。それらは部屋のすみなどできるだけ静かな場所にセッティングし、安心して休めるようにしてあげましょう。
犬と夜行性に関するまとめ
犬は狼を祖先とするので夜行性と言われてきましたが、人と共に暮らすようになった今は、もはやそうとは言えません。夜更かしの飼い主では犬も夜更かしになり、早起きの飼い主では犬も早起きになります。
それほどに人間の生活リズムに彼らは同調しています。日中、たっぷり運動させ頭を使わせて活性化させることも大切ですが、眠る時にはしっかり眠らせてあげることも、これまた同じくらいに大切。
特に、たくさんの音や刺激にあふれる人間の暮らしの中で、昼夜を問わず十分な眠りを確保して、生活リズムを保ってあげることは健康面からいっても重要です。
ムニャムニャ寝言を言う様子やヘソ天で爆睡する姿がいかに可愛くても、大声で笑ったりちょっかいを出したりすることは控え、そっと見守ってあげましょう。
ユーザーのコメント
20代 女性 すず
夜は私と同じベッドに当然のごとく入ってきて、広々と自由に横たわって寝ているし、私がトイレなどに起きても気づかないほど熟睡しています(笑)
わんちゃんそれぞれで違うようですね(笑)
40代 女性 RIRIKA
レム睡眠がほとんどなので、その分、長く眠る必要があるんですね。我が家のワンチャンも、顎を下に付けて目を閉じてることがよくあり、記事によると、それは床を振動が伝っていち早く行動できるからと説明されていました。なるほど~、でした。
30代 女性 ひじき
我が家の愛犬も夜人間が寝ていれば側に来て眠り、朝起きていれば起きている状態です。こちらが起きていても、デスクワークなど静かな作業をしている時は犬も大して動き回る事無く休んでいます。こちらが遊ぶ態勢に入ると大喜び。待ってましたと言わんばかりに遊び、こちらが遊びをやめるとウトウト。
人間の生活に合わすことが出来るとは言え、犬の睡眠の質やサイクルに無理の無いように接していけたら良いなと思っています。
30代 女性 38moto
今は飼い主の環境に合わせて、睡眠時間も活動時間も変化していると思います。よく眠っているということは安心できる環境があるからです。犬は眠っている間にたくさんの記憶を整理しているとも言われています。その日楽しかったことを、眠りながら思い出して夢を見るのかもしれませんね。
犬はじっと顔を見られるのが苦手です。睡眠リズムを邪魔しないように、その寝顔を眺められるのもなかなか貴重ではないでしょうか。
40代 女性 ナツ
犬たちは少しの物音で目がさめますよね。愛犬の健康のためにも、あまり飼い主が夜更かしをして愛犬の眠りを妨げるようなことはせずに、規則正しい生活リズムと、熟睡できる環境を整えてあげたいです。
犬にとっては飼い主さんと一緒にいられることが幸せなのだとは思いますが、うちでは愛犬の様子をみつつ、適度にお留守番の時間をつくるようにしています。愛犬が少しお疲れぎみの様子のときには、あえて外出をして、2時間程度のお留守番をさせています。愛犬にとっても飼い主を気にせずに熟睡できる時間のようです。
女性 プルコギ
女性 はなぽん
我が家はわんこを迎えて3年目です。パピーの頃、睡眠は妨げないであげてくださいという教えのもと、寝ている時間は物音ひとつにも気をつけて起きているときは人間の生活を教えるしつけを中心に遊んだりしていました。しつけから自分で行う(育てる)のは初めてで、うちのわんこが本来夜行性かもという疑問ももつことなく過ごしてきました。食事は本来肉食、までは考えていたのですが睡眠の時間帯は盲点でした。改めてうちのこを思い返してみて、完全に人間に飼われる側のわんこです 笑。
話は少しそれてしまいますが、わんこが2歳を過ぎた頃くらいからでしょうか。本当にお昼も夜もよく眠るようになりました。(レム睡眠、ノンレム睡眠両方あると思います。)お外に出れば元気でご飯もよく食べるのですが、それまでとの違いに病気を疑ったくらいです。が、注射の際に獣医さんに相談してみると至って普通とのこと。眠りが浅い時間があることもあるかと思いますが、お誕生日を迎えるたびに本当によく眠っていたり休むようになりました。病気の兆候がないようであれば、これが犬にとって普通のことなんだなと少し寂しくもありますが睡眠を妨げないよう見守る日々です。
50代以上 女性 ぽにょ
女性 きなこ
私たちがベッドに入ったら愛犬もヘソ天でリラックスして寝ています。日中私が仕事をしている間は、寝ていたり一人遊びをしていたり。寝ていても私が外出の支度をしだすとすっ飛んでくるので、本格的には寝ていないで監視しているみたいです。
女性 シャンプー
女性 MIHO
になってみると、全然違いますね(笑)。昼も夜もいつでもスースー気持ち良さそうに
寝ています。こんなに寝れるなんて、羨ましいです。「人間の生活サイクルに合わせ、
夜も眠るようになった」らしいですが、人間と犬は昔から深い付き合いをしていたの
でしょうね。