犬がはちみつを食べても大丈夫?
季節ごとの花の蜜から採れるはちみつは、健康食品としても利用されていますが、犬にはちみつを与えても大丈夫なのでしょうか?
健康な成犬ははちみつを食べてもいいが、子犬はNG!
健康な成犬にはちみつを与えても問題ありませんが、子犬には与えないでください。
はちみつに含まれるボツリヌス菌は、消化器官が未発達な子犬に中毒症状を引き起こす可能性があり、人間も1歳未満の赤ちゃんに、はちみつを与えてはいけないとされています。
犬に与えてもいい時期は個体差がありますが、消化器官が発達した1歳以上の成犬になってから与えるのが目安と言われています。
ちなみに、ボツリヌス菌は熱にも強いので、加熱処理されていても子犬に与えないようにしましょう。
老犬や消化器官の弱っている犬に食べさせるのは危険!
はちみつに含まれるボツリヌス菌は、抵抗力の弱った老犬や胃腸の弱い犬には危険なので、はちみつは与えないようにしましょう。
犬が食べて良いはちみつ入りの食品は限られる
はちみつを含む食品はたくさんありますが、配合されている各成分が与えても安全かどうかを見極めることが大切です。より安全に犬にはちみつを与えるために、はちみつを含む食品を与える際は犬用おやつを選ぶようにしましょう。
犬用のはちみつ含有食品はカロリーに気を付ける
はちみつ入りの犬用おやつでも、アレルギーを引き起こす可能性のある成分が含まれていないことを確認することが飼い主にとって重要です。また、犬にはちみつを与えすぎるとカロリーオーバーになり、肥満になる可能性があるので注意が必要です。
はちみつレモン、はちみつ梅干しは犬が嫌がる酸味
味付け程度として含まれるはちみつは、少量であれば犬に与えても問題ないと言われていますが、レモンや梅干しの酸味は犬にとって好ましいものではありません。
また、レモンの皮には犬が中毒を起こす可能性のある成分が含まれており、クエン酸は胃腸への刺激が強いので、レモンの皮を犬に与えるのはおすすめできません。
レモンなどに含まれるビタミンCは、犬の体内で生成できる成分なので、積極的に与える必要はありません。
犬にはちみつを与えることで期待できる効果
犬にとって、はちみつはどんな効果があるのでしょうか?
糖分による疲労回復効果
はちみつに含まれる果糖、ブドウ糖などの糖分は、素早くエネルギーの補給ができます。はちみつに含まれる糖分は、砂糖よりも吸収率が良いので、運動後の疲労回復などに効果があります。
また、低血糖を起こしやすい犬にも良い効果があると言われていますが、与える前に必ず獣医師に相談しましょう。
グルコン酸で殺菌効果
はちみつに含まれているグルコン酸には、殺菌効果があります。また、はちみつが持つ酵素にも、殺菌や防腐作用があるので、風邪予防などに効果があるとされています。
ミネラル成分で毛艶、便秘解消効果
はちみつに含まれるミネラル成分には、保湿による毛艶を良くする効果があると言われ、犬用シャンプーにもはちみつを配合している商品が販売されています。
また、便を柔らかくするミネラル成分も含まれているため、便秘がちな犬に、補助的にはちみつを与えることで便秘解消に繋がる場合がありますが、与えすぎると下痢を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。
犬が食べても良いはちみつの量
犬が食べても良いはちみつの量は目安として記載していますので、普段の運動量や食事の量などから、ご自身の愛犬に合った量を考えて食べさせてあげてください。
犬にはちみつを与えても良い目安は、体重1kgあたり1gと言われています。例えば、体重2.5kgの小型犬の場合、摂取量は2.5gで、小さじ3分の1程度が適量となります。(小さじ1杯=約7g)
投薬の際や食欲のない犬の食事の味付けにはちみつを使いたい場合は、水で薄めたはちみつ水に粉末の薬を混ぜたり、はちみつ水でフードに甘みをつけてみるのもよいでしょう。
犬にはちみつを与える時の注意点
人間には大丈夫なことでも、体の小さな犬には危険なことがありますので、注意点をしっかり認識することが大切です。また、はちみつに似たメープルシロップや、マヌカハニーについても、合わせてご紹介します。
腎不全など体調に問題がある犬には与えない
腎臓を患っている犬にはちみつを与えると、ボツリヌス菌中毒を起こす恐れがあります。また、体調が悪い犬、老犬なども中毒を引き起こす可能性があるので与えないようにしましょう。
糖分を摂りすぎることによるリスク
はちみつに含まれる糖分を取りすぎると、膵炎などを引き起こす可能性があります。また、膵炎を患ったことのある犬に与えることで、膵炎の再発の恐れがあるので与えないようにしましょう。
また、糖分を取りすぎることで肥満の原因にもなりますので、与えすぎには十分気を付けましょう。
咳止めや歯周病対策ではちみつを使う時は慎重に
気管支炎や器官虚脱による咳に対して、保湿効果を期待してはちみつを与える場合がありますが、与えても良い量はごく僅かなので、思っているほど効果を期待することは少ないかもしれません。歯周病対策も同様です。
花粉アレルギーが出る可能性がある
はちみつは、ミツバチが花の蜜を集めたものを採取しているため、花粉が含まれている可能性があります。花粉アレルギーを持っている犬は、アレルギーが出る可能性があるので注意が必要です。
皮膚や目のかゆみ、目や口の周りの皮膚が荒れるなどの症状が出た場合は、与えるのをやめて、動物病院を受診することをおすすめします。
メープルシロップとはちみつの違い
メープルシロップは、花の蜜ではなく樹液から採取されたシロップです。中毒症状を起こすボツリヌス菌は含まれていませんが、糖分が多量に含まれているので、与える量には注意が必要です。
マヌカハニーの効果
マヌカハニーは、マヌカという植物から採取されたはちみつです。普通のはちみつに比べ粘度が高く、味も濃いのが特徴です。また、マヌカハニーの殺菌成分は、熱に強いのが特徴で、歯周病ケアなどにも使用されています。
犬に与えても問題ありませんが、カロリーが高いので、与えすぎには注意が必要です。健康管理をするうえでの補助的な役割として考えておきましょう。
犬にはちみつの加工品を与えても大丈夫?
人間用に加工のされたはちみつを犬に与えても大丈夫なのでしょうか。食べても大丈夫なものもありますが、原材料に犬に与えてはいけないものが含まれている可能性があります。
犬にはちみつの加工品を与える場合は原材料を確認したうえで与えるようにしましょう。
はちみつヨーグルト
はちみつ入りのヨーグルトは基本的に犬が食べても問題ありません。犬に与える場合は加糖のものではなくプレーンのものを選ぶようにしてください。また、量にも注意が必要で、あまりあげすぎないように注意しましょう。
はちみつパン
犬にはちみつ入りのパンを与えるのは基本的には問題ありませんが、人間用に作られたはちみつパンは犬にとって有害な成分が含まれている可能性があるため、与える場合には注意が必要です。はちみつレモン
はちみつレモンを犬に与えてはいけません。レモンの皮に含まれるソラレンという成分によって嘔吐や皮膚炎といった症状が出る可能性があります。はちみつレモンは犬に与えないようにしましょう。
まとめ
人間にとっては、健康によく、甘くて美味しいはちみつですが、犬に与える場合は注意が必要です。
- 健康な成犬には与えても問題ないが、1歳未満の子犬や老犬にはNG
- 1日に与えても良い量を守れば健康効果が期待できる
- 毛艶や運動直後の疲労回復効果が期待できる
- 与えすぎは肥満の原因に
- 花粉アレルギーがある場合はNG
- メープルシロップやマヌカハニーは与えても問題ないが、量には注意が必要
- はちみつの加工品は原材料をよく確認する
愛犬に与える場合は、犬用に作られた物を、おやつや補助食品として与えましょう。安全にはちみつを与えることで、愛犬の健康管理に繋がるといいですね。