犬にプルーンを与えてはいけない!その理由を検証

12594view

犬にプルーンを与えてはいけない!その理由を検証

欧米ではミラクルフルーツとも呼ばれ、健康に良いことで有名なプルーン。日本でも、プルーンを食生活に取り入れている方が増えています。では、犬にプルーンを与えてもよいのでしょうか?プルーンを知らない方にも分かりやすく、プルーンをよく知っている方にも改めて知ってほしい、プルーンの知識と犬との関係についてまとめました。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

犬はプルーンを食べてはいけない

57528839 上目遣いの犬の顔

犬にプルーンを与えてもいいのかどうかを調べると、「犬にプルーンを与えてはいけない」とされています。与えない方がいいという曖昧なものではなく、「与えてはいけない!」なのです。それなのに、その根拠や問題となる成分について、一切語られていないのが、プルーンなのです。

ちょっと不思議ではありませんか?欧米では「ミラクルフルーツ」とも呼ばれ、人間の健康や美容に良いと長年愛用されているプルーンが、なぜ犬に「与えてはいけない」とされているのか?今回はその理由を検証していきたいと思います。

犬にプルーンを与えてはいけない理由を検証

174896046 生と乾燥のプルーン

食べ過ぎや持病にさえ気をつければ、人間の食事にプルーンを取り入れるのは良いことであると言われています。そんなにプルーンが良いものなら、愛犬にも与えたいと思うのが、飼い主さんの親心。しかし、プルーンは「犬に与えてはいけない」食品として扱われているのは、先で述べた通りです。その理由をちょっとネットで検索すると、面白いぐらい同じ情報が羅列されていることがわかります。その代表的なものを以下に挙げます。

呼吸困難やショック症状などの症例がある(因果関係は不明)

見た目が似ているレーズンについては、症例があることがアメリカの学会で報告されています。ダルメシアンが腎不全を起こした症例が有名なようです。プルーンについては、具体的な症例はありません。プルーンとレーズンを調べると、共にバラ類に属するという点、何より見た目が似ている点もあり、「犬に与えてはいけない」と、誰かが信憑性もなく書いたものが広まってしまっている可能性は否定できないように思います。

プルーンの植物学上の分類は、次の通りです。
バラ類→バラ目→バラ科→サクラ属→スモモ亜属(スモモ、ウメ、アンズ、プラム)

ブドウ(レーズン)の分類は、バラ類→ブドウ目→ブドウ科です。

同じバラ類ですが、分類上は違っているのがわかります。

乾燥プルーンに毒性が凝縮されるため、犬に与えるのは危険

人間にとっても、プルーンの葉や種、茎に毒性がありますが、本来食用する部分ではありません。気になるのは、乾燥プルーンは毒性が凝縮されるという点ですが、乾燥プルーンに含まれる、犬には毒になる成分が何かもよくわかっていないと言われると、う~ん…と唸ってしまいますね。

しかし、プルーンに限らず、果物や野菜類には、ある程度の自然毒が含まれているものです。特に、バラ科の植物は、種や未成熟の果肉に青酸配糖体を多く含んでいるとされます。青梅を生で食べると中毒を起こすのは、よく知られていますね。

完熟のプルーンを乾燥させて、種を取り除いて食べる時点で、人間が中毒を起こすことはまずありえません。ですが、小さな身体である犬にとって、種由来のわずかながらの毒が凝縮されて残っている点、元のプルーンが完熟でなかった場合等の不安は挙げられると思います。

犬にとってプルーンに含まれているカリウムが豊富過ぎる

プルーンはカリウムの含有量が非常に高い果物で、ドライプルーンはカリウムが2倍になるとも言われています。犬にとって過剰なカリウムの摂取は、嘔吐、下痢、元気がなくなる、昏睡といった「カリウム血症」を引き起こすケースがあり、症状が進むと命に関わります。プルーンに限らず、カリウムの含有量の高い食品については、腎臓が弱い犬や高齢の犬は、特に注意が必要です。

犬にとってプルーンの食物繊維が豊富過ぎる

食物繊維が豊富なことで知られるプルーンですが、実はソルビトールと呼ばれる糖質が問題。人間の便秘対策には有効な場合がありますが、犬にはソルビトールが強過ぎる傾向があり、ひどい下痢を起こす可能性があります。

犬にとってプルーンはカロリーが高い

100g換算で235kcal、糖質もそれなりに含んでおり、プルーンは見た目以上にカロリーが高い食品です。与えるならば量を考えましょう。

犬がプルーンを誤食してしまったときの対処法

104873445 診察台の上の犬

愛犬がどんなプルーン(ドライプルーンか、プルーンが入ったスナックか等)を、いつ、どのぐらい食べてしまったのかを、出来る限り正確に把握しましょう。その上で、かかりつけの獣医師に状況を報告し、判断を仰ぐのがベターです。ごく少量ならば問題にならないケースがほとんどではないかと推察しますが、それぞれの個体との相性の問題があります。

玉ねぎやチョコレート、アルコールといった危険度の高い食品の場合でも、ほんの少し食べただけでも中毒症状(痙攣や嘔吐等)を起こすケースもあれば、ケロっとしている例もあるようです。

とにかく、犬がプルーンを食べてしまったら、数日間は油断せずに健康管理を行ないましょう。また、大量に食べてしまった場合、特に種を飲み込んでしまった場合は、命の危険に関わります。救急病院も視野に入れた、迅速な対応が必要になることを知っておいて下さい。

まとめ

43457361 芝生に横たわるビーグル

このように、犬にプルーンを与えることについて調べると、多少グレーに感じる要素があることは否定しませんが、犬への危険度レベルは定かではない一方で、安全を保証できるだけの研究結果もないことも同時にわかります。つまり、犬にプルーンは「ほぼNG」と言っていいと思います。

どうしてもプルーンでなければ!という必然性がない以上、不安が残る食品を実験的に与える必要はないと考えれば、NGと言い切ってしまいたいところです。しかし、プルーンを使ったサプリや、犬用のオヤツが市販されている事実があります。「ほぼ」の意味は、飼い主さんの判断に委ねられると解釈して頂けたらと思います。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

ユーザーのコメント

  • 20代 女性 べる

    犬に与えてはいけない物のひとつにプルーンがあるのは有名ですよね。
    ただ、何の成分がダメなのかなどの理由を特に気にした事はなく与えてはいけない食材のひとつという事しか知りませんでした。ぶどうやレーズンも犬にとって与えてはいけない物のひとつなので、プルーンとレーズンは見た感じも何となく似ているしなぁ、くらいにしか考えた事がなかったです。
    たまに、この食材はダメ、良いなど情報だけが一人歩き?している時がありますよね。今はネット社会ですから、間違った情報もたくさんありますので飼い主さんが気をつけてあげる必要がありますね。なぜこの食材がダメでどんな成分がいけないのか、何となくでも知っておくのは良い事だと思います。
    万が一誤飲してしまった際も、この食材はこういう症状が出る恐れがあるからと、全く何も知らないよりは落ち着いて行動できる気がします。
    犬にとって良くないとされる食材を使ったフードやおやつなど販売されていますが、販売されているくらいなのだから安心という訳ではありません。
    徹底して検査や安全に作られているんだなという物もありますが、中にはほんと?適当じゃない?なんて信用できないメーカーもあります。
    わんちゃんの個体差によるので問題ない子や全くダメな子がいるようですが・・・個人的にはそういった、成分を含むフードやおやつなどは特に与える理由がないので選びませんが、与えたい場合はどういう理由でその成分を使っているかなど納得いくまで製造先に確認する、など自分で判断する必要があると思います。
  • 20代 女性 サン

    プルーンは犬にとってネギ類と同じくあげたら命に関わります。プルーンは呼吸困難やショック症状になったりと、危険な状態になるのは知りませんでした。私も気をつけたいと思います。一番最初はダルメシアンが、症状をだしたのが始まりでした。乾燥プルーンは、毒性があると言われていますが、犬にとっては野菜も毒が入っているというのは驚きました。

    また、プルーンはカリウムが豊富で人間には嬉しいのですが、犬には過剰なカリウムは、嘔吐や下痢などの元気がなくなる症状が出るので、気をつけようと思いました。昏睡症状の「カリウム血症」になって命に危険があるので、大変だなと思いました。

    食物繊維が強すぎるのも犬はダメで、ひどい下痢症状を起こしてしますので注意が必要になります。犬にとってもカロリーが高いので注意しようと思いました。
  • 女性 ゴン吉

    犬にはレーズンも駄目でしたね。似ているからあえて食べさせることはありませんでしたが、やはりプルーンも与えてはいけない果物になるんですね。
    どうして駄目なのか、理由までは詳しく知らなかったので、記事の内容を読んで納得しました。カリウムを多く摂りすぎるのは確かによくないです。高齢のわんちゃんの場合、内臓にも負担をかけやすく、心臓病を持っているならなおさら注意しなくてはいけないミネラルです。
    うっかりテーブルの上に置き去りにしてしまうこともあるので、危険な食べ物はちゃんと愛犬の届かないところに保管するようにしなくてはいけませんね。
    プルーンに限らず果物の種には毒性が含まれていることが多いです。危険な面があるものはあえて食べさせる必要はないと思います。
この記事をシェアする
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。