犬のトイレの正しいしつけ方
犬がおしっこに失敗(粗相)したときには決して怒ってはいけません。では、どのようにおしっこのしつけをするのが正しいのでしょうか?犬のトイレのしつけにはいくつかポイントがあります。そのポイントを押さえて、犬のトイレのしつけにトライしてみましょう。
まずは犬の健康チェック
一見、トイレのしつけとはなんの関係もないように思えることかもしれませんが、「犬が健康かどうか」は大いにしつけに関係してきます。例えば、犬が泌尿系の病気になっていたとすれば、トイレの場所に間に合わずに粗相してしまうことがあります。
また、脱臼や骨折、関節炎などになってしまっている場合もトイレまで間に合わずに粗相してしまう場合があるので、そのようなことがないか健康チェックをしてあげましょう。もし、自分では分かりづらいのであれば、一度獣医師による健康診断を受けることをお勧めします。
犬にとって適切な場所にトイレを置く
トイレの場所というのも大事なものです。犬にとって不自由な場所にないか、今一度犬目線になって考えてみましょう。以下のような場所は犬のトイレの場所に適してません。
犬のトイレに向いていない場所
- エアコンの風が直接当たる場所もしくはわずかに当たる場所
- 犬が苦手な音が近くで鳴っているまたは定期的に聞こえてしまう
- 人の出入り口付近
- 引越しなどにより以前のトイレの場所と変わった
これらのことがあると犬は敏感になりトイレの場所を嫌がってしまいます。トイレが嫌な場所になってしまうとそこで用を足そうとは思わなくなってしまいますよね。犬も人と一緒でトイレに快適さを求めるものです。
犬目線になってもう一度検討し、ここならうちの子も嫌ではないという場所にトイレを設置しましょう。
クレートとトイレの行き来で覚えさせる
- まずは犬にクレートに慣れてもらう
- クレート内で大人しくできたらおやつを与える
- 上記を繰り返しつつ徐々に時間を長くしていく
- 15分程度クレートに入れたらトイレに移動する
- トイレの周りにサークルを設置し犬が排泄するまで待つ
- 犬が上手に排泄したらすぐに褒めておやつを与える
- おしっこ、褒める、を繰り返すと犬はトイレの場所を覚える
トイレというのを犬に理解してもらうには、まずはクレートに入る訓練をさせることから始めると良いです。
クレートにいることを慣らしていき、おりこうでいられたらおやつをあげるということを繰り返し、徐々に時間を長くしていきます。そして15分程クレートに入っている時間を作ったら、次は犬をトイレの場所に移動させます。
犬をトイレに連れて行ったらしばらくトイレから出られないようにサークルでトイレの周りを囲ってみましょう。しばらく様子を見ているうちに、犬がその場所で排泄します。
そうしたらすぐにそこから出してあげて、褒めてあげます。ごほうびにおやつをあげても良いでしょう。これを繰り返していくうちにトイレの場所を覚えます。
初めのうちはなかなか排泄してくれないかもしれませんが、その場合は少し遊んであげてそのあとまたクレートに入れ、しばらく時間をおいてからもう一度トイレに連れて行きます。
そうしていくうちに、上手にトイレで排泄できるようになるのです。
体のサイズに合ったトイレグッズを利用する
サークル
犬は排泄する前にトイレシートの上をくるくる回って、排泄する位置を決める子も多いので、体の2~3倍ある大きさのサークルを選ぶのがおすすめ。十分な広さがあれば排泄物を踏まないように体をよけることもできます。
トイレシート
子犬は排泄回数が多く、排泄物をそのままにしておくと踏んでしまうことがあるので、小さめのトイレシートを何枚か重ねて置き、汚れたシートだけを交換する方法がおすすめ。トイレをサークルで囲うことで、尿が外に漏れる心配も少ないです。
トイレトレー
トイレトレーは、トイレシートがズレないようにするだけでなく、段差ができることで犬にとってもトイレの場所がわかりやすくなります。 また、トイレトレーが尿をキャッチしてくれるので、シートから漏れた尿で床が汚れるのを防ぐことができます。
ただし、アンモニア臭で犬が不快に感じないよう、こまめな掃除をすることも忘れずに。 大きさは、超小型犬はレギュラーサイズ、小型犬でも胴が長い犬種はワイドサイズ、中型犬以上はスーパーワイドサイズがおすすめ。
犬がトイレを失敗した時の飼い主のNG行動
犬がおしっこに失敗したとき、あなたはどのような対応をしていますか?以下のことをしていたらあなたは犬に対してNG行動をしていることになります。
犬に大声を出してしまう
犬が粗相してしまうとつい「あ~何してるの!?」や「あー!!こんなとこに」とつい口に出して、しかも大声で言ってしまいますよね。人としては自然な反応なのですが、これは犬には通用しません。
犬からすると人が自分に対して大声を出していると「自分にかまってくれているんだ」「きっと褒めてくれているんだ」と勘違いをしてしまいます。その後、またかまってほしくてわざとおしっこをするようになってしまうことがあります。そうなるとますます犬はトイレを覚えなくなってしまうのです。
飼い主さんには、愛犬がおしっこに失敗しても声を上げたくなるのをぐっと堪える我慢が必要なのです。
おしっこを失敗した時に叱ってしまう
犬が粗相をしてしまうとつい怒りたくなるものです。飼い主からすると床を汚されたりカーペットを汚されると嫌なものですし、犬にはしっかりトイレを用意してるのになぜ?と失望してしまうのですよね。
でも、だからと言って粗相してしまった犬を叱る事は逆効果になります。これは例え現行犯で注意したとしても同じことです。
例えば、自分の目の前で犬が粗相したとします。そこを現行犯で「こら!!」とあなたは愛犬に強く怒ったとします。そうすると犬はどう思うのかというと、「あれ?怒られちゃった。」「もしかして、おしっこした事がいけないことなのかな」と思ってしまいます。
犬は飼い主さんに褒められたことは「いいこと」と覚え、怒られたことは「いけないこと」と認識します。なので今やった行動=尿を(便)をしたことがいけないことと思ってしまうのですね。
そうなると、今後どうなってしまうかというと、尿意や便意をもよおしても、我慢するようになってしまうのです。そして我慢しきれなくなり床などに漏らしてしまい、また同じことを繰り返すようになってしまいます。
それだけではなく、愛犬との信頼関係に亀裂が生じてしまう可能性もあります。せっかくお迎えした大事な愛犬に嫌な思いをさせずに、トイレのしつけをしてあげたいですよね。でしたら、粗相をしてしまっても怒らずに黙ってその場所を掃除しておきましょう。
粗相してしばらくしてから叱ってしまう
こちらもよくあるのですが、現行犯で粗相を目撃できず、粗相してしばらくしてから飼い主さんが床が汚れていることに気づくパターンです。この場合も叱っても意味がありません。
犬からすると、「飼い主さんはなぜ怒っているの?」と思ってしまうのです。それは粗相した場所の近くにいたとしても同じように犬は思ってしまいます。
では、なぜ犬がそのように思ってしまうのかというと、犬というものは記憶を数分前と今を結びつけることができないのです。これを短期記憶力と言います。
犬の記憶は2、3秒前のことまででしたら現在の出来事と結びつけることができるのですが、それ以上になってくるとだんだん現在との記憶が結びつかなくなってしまうのです。ですから、数分前なんて犬にしたら一昨日の小さな出来事を怒られているようなものなのです。
叱らずに黙って粗相した場所をさっと掃除してしまいましょう。
排泄物に犬の鼻を押し付ける行為はNG
一昔前に、犬にトイレを覚えさせるにはおしっこやウンチなどの排泄物に犬の鼻を押し付け、その臭いを嗅がせ、トイレとはどういう場所なのか覚えさせる、ということが言われていました。
また、粗相した場所へ犬を連れて行き、そこにある排泄物に鼻を押し付けて、粗相することはいけないことと覚えさせるしつけ方もありました。
この2つのしつけ方法を聞いてあなたはどう思いましたか?
「あ~なるほど!」「どちらも正しいトイレのしつけ方だ」と思った方は不正解です。
前述でも申し上げた通り、犬は数分以上前のことを現在の記憶に結びつけることが困難な動物です。それなのに数分以上も前にした排泄物のある場所に連れて行き、臭いを嗅がせたところで犬にとっては理解不能なのです。
また、犬は排泄物を嗅ぐ習性があり、わざわざ飼い主の手でその行為を行わせてもしつけにはならないのです。ましてや、無理やり排泄物に鼻を押し付けることは信頼関係がなくなってしまいます。
この2つのやり方は間違っているしつけ方ですから絶対にやらないでください。
まとめ
犬のトイレのしつけは大変で、最初は思うようにいかないかもしれません。しかし、これから十数年共に暮らすパートナーなのですから、犬が不自由にならないよう、また人間のルールを覚えてもらうという意味合いでもしっかりとしつけてあげたいものです。
また、すぐに犬が覚えれないからといって焦ってはいけません。犬がものを覚えるのにも個体差があります。成犬から迎え入れた子なら尚更時間がかかるかもしれません。でも、根気よく、気長にしつけてあげればいつの日か犬は必ずおしっこができるようになります。
最後まで諦めず、また犬目線になって犬のトイレのしつけに挑んでいただきたいです。
ユーザーのコメント
女性 匿名
現在、5才半になりますが時々失敗します。トイレトレーニングは気長にやらないと…ですね。
女性 匿名
40代 女性 oomiya
家じゅうマーキングをするようになってしまい、1日じゅう愛犬のおしっこを拭いて過ごしていたような記憶があります。ただ、寝起きはきちんとトイレで用を足すので、やはりマーキングとトイレは違うのでしょうか。
しばらくはトイレトレーニングを頑張っていたのですが、マーキングを止めさせることができなく、飼い主が根負けしてしまい今ではマナーベルトを家でも巻いています。むしろマナーベルトを巻いていないと、犬が巻いてくれといってくるくらいマナーベルト犬になってしまいました。
女性 美紀
30代 女性 まろんママ
40代 女性 哲ちゃん
特に躾た訳では無いのですが、上手く出来た時を見た時は毎回褒める様にしています。
違う場所で粗相をしちゃったら、マットならすぐ洗濯(気が重たいですが…)してオシッコ臭の無いようにします。
拭き取るだけの時は除菌消臭スプレーをしてから拭き、更に柔軟剤の香りを付けた雑巾で再度拭き、徹底してオシッコ臭を残さない様に気を付けています。
いたずら防止のあの苦いスプレーをかけておくのも、効果ありましたよー♪
50代以上 女性 匿名
『あぁーー』と声を出し急いで走り‥‥柴犬、遊んでくれると思ったのでしょ。喜んでたし(泣)
挙句にウンチの時も!!( T_T)
1歳になった今でも失敗しますし夫もたまに声を出す時もあり柴犬と夫の両方を躾ないといけなくなりました。(笑)
40代 女性 SUSU
現在はトイレ問題の悩みはない愛犬ですが、我が家での成功例と失敗例を考えると、トイレトレーニングはまずトイレの場所を覚えてもらおうとするよりは、トイレはトイレシートでするんだと認識してもらう方を優先した方がその後もラクなのかなと思います。
場所で覚えてもらうと、トイレの場所を移したり引っ越しをしたり旅行に行った時などにトイレを失敗しやすくなってしまいます。愛犬を見てみていても、トイレ問題を解決するためには、出来るだけ失敗体験をさせないことが大事なのかなと思います。
犬は人間よりも遥かに優れた嗅覚を持っているため、消臭スプレーなどで粗相を掃除したつもりでも、犬にとっては臭いが残っていることもあり得ます。繰り返し同じ場所で失敗してしまう時にはこのことが原因かなと思います。
粗相をしてしまった時に、トイレシートでそのおしっこを吸い取ってから掃除をして、吸い取ったシートをその上に置いておきます。その場所が本来のトイレの場所ではなかったとしても、しばらくは続けてみます。犬は自分のおしっこの匂いを認識していますので、またその上におしっこをするようになるまで続けます。シートを取り替える際は汚れたシートの一部を置いておくなりすると認識がしやすいと思います。そのうちシートがキレイな状態でも問題なくトイレをしてくれるようになります。
シートの認識が出来てしまえば、そのシートをどこに移動してもそこでトイレをしてくれるようになると思います。
また、愛犬は胴長短足のダックスなので、トイレシートを覚えてもらった後も、前脚だけトイレシートに入って肝心の部分は外れていたり、長方形のシートを斜め上から乗ってしまい結局はずしてしまうといった問題もありました。
そこで我が家では、100均のワイヤーネットを購入してトイレの入り口からシートの端までを囲い、トイレスペースを分かりやすくしました。入り口はここでシートの端はここまでだよと覚えてもらうことで失敗しないようになりました。
現在の愛犬のトイレはこのようになっていますが、旅行先などワイヤーネットで囲っていない状況でも家と同じようなシートの配置をすれば粗相したり外したりすることはなくなりました。
この方法を見つけるまでは失敗されたり外されたり、さっき掃除したのに!とイライラしてしまうこともありましたが、トイレシートでして欲しいというのは人間の勝手な都合であって、付き合ってもらっているんだと考えを変えてみると少し心が穏やかになれるかなと思います。
すぐトイレを覚えるワンコもいれば、少し苦手な子もいると思います。他の子が出来ているのに何で?と焦りがちですが、その他の子には出来なくて愛犬には出来ていることもきっとあると思います。あまり他と比べないことがお互いにとって平和に過ごせるのかなと思っています。
10代 男性 匿名
時代の変化にあったしつけ方法をちゃんと見極めないといけないな...