犬はどれ位の時間おしっこを我慢できる?
犬がトイレを我慢できる時間は最長で12時間程度だとされています。ただし、我慢できる時間はそれぞれの犬の年齢や膀胱の大きさ、日頃のトイレ習慣などにもよって異なるので必ずしもすべての犬が12時間おしっこを我慢できるわけではありません。
犬の1日の平均排泄尿量
健康な犬の1日の平均排泄尿量は体重1kgあたりだいたい24~41mlとされています。運動量やその日の飲んだ水の量などによっても異なりますが、日頃から飲み水の量や運動量を確認して愛犬が平均的にどれ位の水を飲み、どれ位の頻度でトイレに行きたがるかを観察しておくことは健康管理においてとても大切なことです。
犬は最長12時間おしっこを我慢できるとしましたが、これは犬がひとりで留守番をしていてあまり動いたり水を飲んだりせずほとんどの時間を寝て過ごしているときなどに当てはまるかと思います。活発に運動していたり、それに伴って水を飲んでいたりする場合は我慢できる時間ももっと短くなるので注意しましょう。
犬が長時間おしっこを我慢できるのはなぜ?
犬は最長12時間程度おしっこを我慢できるとしましたが、人間の場合はそこまで長い時間我慢できないという人が多いと思います。ではなぜ犬はそれほど長い時間おしっこを我慢できるのか?
身を守るため
それは犬の祖先である動物たちが持つ身体機能の影響もあるのではないかと考えられると思います。野生の中で生きている動物は自分の命を守るために、必死になって身を隠して生きていかなければなりません。
外敵が近くにいると感じたとき、身じろぎせず息を殺して外敵が去るのを待っています。そんなときにおしっこをしたくなったとしても当然のことながら我慢することでしょう。
外敵に襲われる可能性の高い野生動物ほど、おしっこを我慢できる?
排泄物のにおいというのは動物にとって非常に有益な情報源です。おしっこをすることで自分の存在を知らしめることになり、逃げる際にも自分の情報を置いていくこととなり非常に危険なこととなります。そのようなことから外敵に襲われる可能性の高い野生動物ほど、おしっこを我慢する身体機能が高いのではないかと考えられています。
おしっこを我慢しすぎると膀胱炎になる可能性も
おしっこを長時間我慢できると留守番時間も長くできますし、こまめに外に連れ出す必要がなく飼い主にとっては助かるかもしれません。しかし、何とか我慢できるからといって長時間の我慢を強いていれば体に支障をきたす可能性があるので注意しましょう。
泌尿器系の病気に注意
おしっこを我慢しすぎることで高まるリスクは膀胱炎や尿路結石など泌尿器系の病気です。膀胱炎はおしっこを我慢しすぎただけでかかってしまうものではありませんが、一つの要因にはなってしまいます。何らかのきっかけでウイルスや雑菌が侵入したとき、長時間膀胱内にその尿をため込むことで膀胱炎に進行してしまうのです。
また、尿路結石は尿中に出ているカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがくっついて結晶化し結石となったものが尿の通り道に詰まることで発症します。
どちらの病気も排泄時に痛みや出血を伴ったり、頻繁におしっこをしたがるのに出ず不快感が残ったりしてしまうもの。人間でも起こる病気なので分かる人もいるかもしれませんが、どちらもとてもつらい病気です。特に膀胱炎は一度かかると何度も再発する可能性が高いとされています。
<まとめ>おしっこを我慢させすぎるのは禁物
犬におしっこを我慢させることはそれほどむずかしいことではありませんが、長時間我慢することが続くと膀胱炎や尿路結石などの病気を引き起こしてしまう可能性があるので注意しましょう。
どちらもかかるとケアが大変で、犬にもとてもつらい思いをさせてしまいます。また、無理をさせすぎて我慢しきれず漏らしてしまったりして犬の自尊心を傷つける可能性もあります。特に子犬や老犬はおしっこを我慢することがむずかしい傾向にあるので、年齢に合わせたケアも必要です。
当然のことながら犬のおしっこはその日の体調や活動内容によって量もタイミングも異なるものです。できるだけ我慢を強いることのないように、犬の様子や行動を観察し適切なタイミングでトイレに連れて行くなど環境をしっかりと整えてあげるようにしましょう。