犬のおしっこの回数は1日に何回?頻度や量を知って健康チェック

犬のおしっこの回数は1日に何回?頻度や量を知って健康チェック

みなさんは飼い犬のおしっこの回数や量を気にした事はありますか?この記事ではおしっこのどういった異常でどんな病気が考えられるか、それに気づいた時どうすればいいのかをお伝えします。

犬の平均的なおしっこの回数

犬の平均的なおしっこの回数

犬の健康管理をする上で、飼い犬の普段のおしっこの平均回数や量を把握しておく事はとても重要な事です。

同じ犬種、体重、年齢、性別だとしても、おしっこの回数には個体差があり、飼育環境によっても差が出てきます。病気だと思って心配していたら、ただのマーキングだった、なんて事もあるかもしれません。

正常とされるおしっこの回数は犬のライフステージによっても変わってきます。

子犬のおしっこの回数

  • 子犬のおしっこの回数は、1日に6~10回

子犬はまだ体も小さく、おしっこを溜めておく膀胱も未成熟の為、少しの量で複数回に分けておしっこをします。

大型犬、小型犬の体格による差も多少ありますが、生後半年未満の犬であれば「子犬の月齢+1」という式を目安に考える事ができます。

この式は子犬がおしっこを我慢出来る時間を求めるもので、3カ月の子犬であれば「3+1=4」となり、4時間程おしっこを我慢できるので、1日あたりで計算すると、24時間÷4時間=6回という数字が導き出され、1日に少なくとも6回はおしっこをする、という計算になります。

生後半年を過ぎてくると膀胱の機能も徐々に成熟し始め、おしっこを以前よりは多く溜められる事や、散歩に出て、外でのみおしっこをする犬も出てくることから、生後半年未満の子犬達よりは平均回数が減ってくる事になります。

成犬のおしっこの回数

  • 成犬のおしっこの回数は、1日に3~4回

こちらも個体差がありますが、おしっこを溜める膀胱の機能もすっかり成熟し、犬自身が好む体内でのリズムがはっきりとしてきます。

少しの量でいろんな場所にしたい犬もいれば、一度に大量のおしっこをしてスッキリしたい犬もいます。避妊・去勢手術の有無、またそれを行った時期によっても回数に差は出てきます。

老犬のおしっこの回数

  • 老犬のおしっこの回数は、1日に5~6回

10歳頃(大型犬だと8歳頃)を超えてくると、泌尿器系(腎臓や膀胱)の機能の低下が目立つようになり、おしっこが十分に溜められなくなるので、成犬と比べるとおしっこの回数は増えてきます。

1度のトイレで出し切れず、お漏らしをしてしまう場合もあります。

犬のおしっこの回数が多い時に考えられる病気

犬のおしっこの回数が多い時に考えられる病気

飼い犬のおしっこの回数や量が増えた時、今までのおしっこの平均回数と比べて長期間を経て段々と増えて来たのか、あるいは数日の間で突如増えたのか、ということは原因を調べる上でとても重要になります。

また、おしっこの色や量、ニオイ、加えて飼い犬が飲んでいる水の量なども参考になります。

犬では、下記のように定義されています。

  • 1日あたりのおしっこの量が体重1kgあたり50ml以上になると「多尿」
  • 1日あたりの水を飲む量が体重1kgあたり100ml以上になると「多飲」

尿石症

他の病気と比べると比較的若い犬で起こりやすい病気です。若い犬は腎臓の機能がまだしっかりと機能しているため、血液の中から体にまだ必要な水分、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミン、電解質などを再吸収し、残ったものを老廃物として濃いおしっこを作ります。

本来なら体に悪い毒素を高確率に排泄できるのでとても良いことなのですが、その濃いおしっこを長い時間膀胱の中に留めてしまうと尿結石が出来易くなります。

その結石が膀胱の中に存在する事によって膀胱の中を傷つけて血尿が出たり、おしっこをする際に痛みが伴ったりします。残尿感からおしっこの回数が増える事もあります。

メスの場合オスよりも尿道が太いので、小さな尿石がおしっこと共にコロッと落ちたり、「石」になる前の「結晶」の段階では、オス・メス共に排泄されたおしっこをよく見ると、キラキラと光って見える事もあります。

普段より濃いおしっこをしている事が多いので、おしっこの色や臭いで気づくこともあります。

病院での尿検査によって診断できるので、疑わしい所見があればおしっこを持って受診してください。抗生剤の投与や尿路結石症に特化した療法食、飲水量を増やすこと、などで改善する場合や、出来てしまった尿石の種類によっては外科手術が必要になります。

腎不全

腎不全には経過によって、急性腎不全と慢性腎不全があります。急性腎不全は名前の通り急激に具合が悪くなるので、すぐに病院へ受診する事になると思います。ですのでここでは慢性腎不全について説明します。

慢性腎不全とは、数カ月~数年かけて腎臓の働きがゆっくりと機能しなくなっていく状態です。はっきりとした原因がわからないことが多く、高齢な犬ほど罹患率が高くなります。

腎臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、腎臓の中でも、尿を濾過し、再吸収するのに必要なネフロンという組織は、本来の5割~8割程が機能しなくなって初めて症状がみられるようになります。

そうなると薄いおしっこが大量に作られ、これによって水を飲む量も増え、結果おしっこの回数も増えることになります。その他の症状としては、元気消失、食欲不振、体温低下、貧血などが挙げられ、病状が進行するとおしっこ自体が作れなくなるので量も減り、全身状態も悪くなります。

おしっこや血液で早期からの診断が可能ですが、完治することは無く、病状の悪化を遅らせる目的の投薬や療法食、点滴などによる治療が主になります。

子宮蓄膿症

避妊手術をしておらず、妊娠経験がない、もしくは妊娠してから長期間経過したメスの犬では、6歳以上になるとみられる事があります。

発情終了後1~12週間の間で発症することが多く、子宮の中で細菌感染が起こり、菌が増殖すると、子宮蓄膿症を引き起こします。

症状は水を多く飲む、おしっこの量や回数が増える、食欲低下、脱水、お腹の張り、体温上昇、陰部の腫れなどがあり、陰部から膿が少しずつ出てくる開放性子宮蓄膿症の場合もありますが、膿が外部に出てこない場合もあります。

血液検査やレントゲン検査、超音波検査によって診断されます。薬だけによる治療は難しく、外科手術によって卵巣・子宮の摘出を行うことが一般的です。

しかし子宮蓄膿症では全身状態が悪化していることが多く、緊急手術を行っても手遅れになってしまう事も珍しくありません。繁殖を検討していないのであれば、若いうちに避妊手術を行うのが望ましいでしょう。

また、病気ではありませんが、避妊手術を行っていないメスの犬では発情中の兆候としておしっこの回数が増えるという現象が現れることがあります。

糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足することにとって起こる代謝異常です。筋肉や組織で糖分を上手く利用出来なくなり、エネルギー不足となって、常に空腹状態となります。

しかしいくら食べても体は糖分を利用出来なくなっているので、体の中のタンパク質や脂質からエネルギーを作り出します。その結果体重が減っていきます。

食欲増進や体重減少以外の症状では、水を多く飲み、おしっこの回数が増える事などがあり、合併症として白内障や糖尿病性腎不全などが起こることもあります。犬ではインスリン依存型(Ⅰ型)が多く、発症するとインスリンの投与が欠かせなくなります。

おしっこや血液の検査によって診断が可能で、安定するインスリンの量がわかるまでは、1日に複数回の血液検査が必要になります。

治療はインスリン製剤による血糖値のコントロールと食事管理で行われます。食事は炭水化物が少なく、良質なたんぱく質と繊維が多い療法食が推奨されます。

尿崩症(にょうほうしょう)

おしっこの水分量は脳の下垂体という器官から分泌されるバソプレシンというホルモンが関わって調整されます。
尿崩症とはこのバソプレシンによる調整のメカニズムが正常に機能しなくなることによって起こります。

その原因は脳腫瘍や、頭を強く打つなどの外傷性のもの、または腎臓の機能異常など様々です。症状は水を飲む量と共に、水の様に薄いおしっこの量や回数が異常に増えます。その他に体重の減少が起こることもあります。

尿崩症に対する予防法は無く、万が一なってしまったら、その原因に対して適当とされる治療が行われます。基本的には投薬による継続的な治療が一般的です。

犬のおしっこの回数が少ない時に考えられる病気

犬のおしっこの回数が少ない時に考えられる病気

先ほどとは反対に、おしっこの回数や、量が減るという場合にも病気が隠れていることがあります。

健康な犬の場合、

  • 1日あたりのおしっこの量は体重1kgあたり28ml~47ml

と言われていて、これが

  • 体重1kgあたり7ml以下になると「乏尿」
  • 体重1kgあたり2ml以下になると「無尿」

と言われ、病気に罹っている可能性が高くなります。

腎不全

おしっこが多い時に考えられる病気の方でもご紹介しましたが、腎不全の末期には尿が作れなくなり、おしっこの回数や量が減ります。尿によって排泄されるはずの尿素やアンモニアといった毒素が体のなかに溜まり、尿毒症を引き起こします。

尿道結石

こちらも先ほどご紹介した尿石症ですが、尿石が尿道に詰まってしまった際に、おしっこが出なくなってしまう、という状態です。おしっこを出したくても、物理的に塞がれてしまっているので詰まった石をカテーテルなどで膀胱の中まで押し戻すか、外科手術によって取り除きます。

前立腺肥大症

オス犬は生後約1年で性成熟しますが、前立腺はその後も発達を続けます。前立腺肥大症は種類が分かれ、良性のものや、悪性癌などがあり、症状は排泄(便やおしっこ)障害、痛み、食欲低下、元気消失、後ろ足をかばって歩く、などがあります。

前立腺の肥大は尿道の方向に拡大することは少なく、おしっこが出にくくなるのはまれですが、血尿や失禁という症状が現れることがあります。

良性、悪性により治療方法が異なりますが、去勢手術が適応になるものやホルモン製剤による治療が行われます。

椎間板ヘルニア

ダックスフンド、コーギー、ペキニーズ、シーズーなど、胴体が長く脚が短い犬種に遺伝的に多く発生する病気です。

脊椎という背骨の間にある椎間板というクッションのような役割をしている器官が、何らかの理由で変形してしまい、神経を圧迫することで痛みや痺れといった神経症状を引き起こし、症状の重さによっては下半身に麻痺が出て、おしっこやうんちが自力で出せなくなることもあります。

診断はレントゲン検査や、CT・MRI検査をする必要があります。

治療法も重症度によって異なり、安静にしてステロイドや鎮痛剤などの投薬で済むこともあれば、外科手術をし、入院管理下でリハビリなどをしなければいけない場合もあります。

脱水

脱水というと幅広い括りになりますが、夏に多い熱中症によるものだったり、消化器疾患の下痢や嘔吐によるもの、ホルモン異常によるものなど多岐に渡ります。

下痢や嘔吐をしている時は飲ませる水の量も制限しなくてはいけない場合もありますが、通常、犬が1日に必要とする水の量は、エネルギーの必要量(カロリー)と同じと言われています。

目安としては1kgあたり40~60mlが1日に必要とされています。夏場は比較的水を積極的に飲ませますが、空気が乾燥している冬場でも脱水症状は起こり得ますので、参考にしてみてください。

犬のおしっこが適切な回数でない場合の対処法

犬のおしっこが適切な回数でない場合の対処法

ここまでおしっこの回数が多い場合、少ない場合と、考えられる病気をいくつかご紹介しましたが、これらはまだほんの一部です。これを飼い主さん自ら判断する、というのはとても難しい事ではないかと思います。

おしっこが普段と違うことに気が付いたとき

まずは原因に心当たりがあるか考えてみてください。

例えば今まではドライフードしか与えていなかったのを、水分の多いウェットフードに変えていたとすると、おしっこの量が増えるかもしれませんし、来客があり犬が落ち着かなかったとすると、満足にトイレに行けず我慢をしていたかもしれません。

トリミングやペットホテルで預けている間にたくさんおしっこをして、帰ってからしばらくはスッキリしていただけ、なんていう事も考えられます。思い当たることがあるようなら少し様子を見ていいかと思います。

しかし、特別心当たりが無い、という時は、おしっこの他に普段と違った体調の異常(食欲や元気など)が無いかを観察してください。

おしっこが1日以上全く出ていない、となると急速に事態は悪化しますので、すぐに動物病院を受診してください。

普段から気を付けていて欲しい事

常にきれいな水を飲めるようにしておく

資格飼い犬が飲みたいときに好きに飲めるようにしておきましょう。

飲んでいる水の量を把握しておく

お皿に入った水をどのくらい飲んでいるかを把握するのは少し難しいかもしれませんが、500mlのペットボトルで何本分、といった具合にざっくりとした量でいいので、チェックしてみてください。

トイレを汚したままにしておかない

気にしない犬もいますが、綺麗好きな犬はそのトイレでおしっこをするのを我慢してしまうかもしれません。おしっこの我慢は膀胱炎や尿石症などに繋がります。

散歩は極力決まった時間にする

夏場の暑い時期などは難しいですが、ある程度の時間を決めておくと犬もトイレのサイクルが出来てストレスが少なくなります。

家族や複数人でお世話をしている場合は、排泄状況を共有しておく

数人でお世話をしているとおしっこが普段と少し違っても気が付かない可能性があります。可能であれば毎日ノートなどにおしっこの量や色、ニオイなど気が付いた事はなかったか記録しておきましょう。

「ながら」散歩は絶対NG

これはマナーでもありますが、いい子だからといってスマートフォン片手に散歩をしている人をまれに見かけます。事故の原因になるかもしれませんし、貴重なおしっこやうんちの異常を見逃してしまう可能性があります。散歩中はしっかりと飼い犬の事に集中してあげてください。

動物病院を受診する際は

おしっこは体の異常を如実に語ってくれるとても重要な材料です。緊急ではない場合、おしっこを持って行ける様ならぜひ持って行っていただけるといいと思います。

残念ながら液体の状態でないと詳しい検査は出来ませんが、例えばペットシーツに吸い込まれているおしっこでも、色合いの判断がついたりしますので、診断の参考なります。

液体のまま持っていける場合は、よく洗ってあるきれいな乾いた容器に入れ(くれぐれもジャムのついた瓶などはやめてください)、取れてからあまり時間が経たない内に持って行くことが大事です。丁度いい容器が無い場合、動物病院に相談すればおしっこ検査用のキットなどを頂けると思います。

もしどうしてもおしっこを取るのが難しい場合でも、動物病院で採取してもらう事も出来ますので受診を諦めたりせず、相談してみましょう。

まとめ

トイレシートと犬

飼い犬のおしっこの様子が普段と違うと気づいた時は、隠れている病気の早期発見に繋がるチャンスです。

今まで何頭か飼ったことがあり、比較対象の犬がいる方の場合は飼い犬のおしっこの回数が多い、少ないなどが判りやすいと思いますが、犬を飼うのが初めての場合や、以前飼育していた犬と体格などが大きく違うと、たとえ気になることがあったとしてもそれが異常なのか正常の範囲内なのか判断が付きにくいと思います。

この記事を参考に、気づいた事を気のせいかな、で済ませる事はせず、原因をしっかりと考え、対策や動物病院の受診を検討して頂けると幸いです。

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