2020年のペットブームの懸念が現実に
2020年に始まった世界規模のパンデミックは多くの都市を封鎖するロックダウンをもたらしたのはご存知の通りです。家にこもることを余儀なくされた人々が、ペットショップや保護団体などから犬や猫を迎えることが一種のブームになる現象も世界各地で起こりました。
イギリスではロックダウン中に迎えられた犬をパンデミックパピーと呼び、動物行動学者や動物保護団体が安易にペットを飼い始めることに懸念を示していました。
そして、在宅勤務から通常の勤務に戻る人が増えつつある2021年、その懸念が現実になりつつあります。
保護団体のヘルプラインに殺到する悩める飼い主たち
ペット保険の会社Petplanが2000人以上のペットの飼い主を対象にしたアンケート調査によると、ロックダウン中にペットを飼い始めた人のうち、18〜34歳の飼い主では46%が、35〜54歳の飼い主では32%が、ペットを迎えたことを後悔していると答えました。
ドッグズトラストやキャッツプロテクションというイギリス屈指の大規模保護団体をはじめとして、様々な保護団体が開催するトレーニングクラス、無料のワークショップ、ペットの行動の問題に関する個別相談の希望者が大幅に増加したそうです。
犬の場合、不安行動や攻撃性が問題になっていることが多くなっています。これはロックダウン中に迎えられたことに起因している可能性が高いとされています。
子犬向けのトレーニングクラスはロックダウン中は閉鎖されており、他の犬と触れ合う機会がなかったり、飼い主を訪問する人はおらず外出もできないので、飼い主以外の人間を知らないで成長してしまった犬がたくさんいます。
そのような犬が外に出て初めて他の犬を見たり、自宅を訪ねて来た人に会うと攻撃的な行動をしてしまう例が多いようです。
また、四六時中ずっと一緒にいた飼い主が仕事に出かけるようになると、1日の大半を単独で過ごさなくてはならない犬が、不安から過度の吠えや破壊行動を示す例もあります。そしてこれらの行動は、犬が保護団体に連れて来られる理由の上位に来るものです。
日本でも同じ現象が起こっている
イギリスで報道されたニュースをご紹介しましたが、日本でも同じような現象が起こっていることも報道されています。
ペットの需要が高くなったために子犬や子猫の価格が高騰したり、保護団体に里親希望者が増えたりしていることが報道されています。
しかし、日本でもやはり「こんなはずじゃなかった」と早々にペットを手放したいという人も増えており、安易に飼い始めて飼育放棄が問題になっています。
イギリス最大の犬保護団体であるドッグズトラストには「ペットはクリスマスの時期だけでなく生涯を共に過ごすものです」という有名なスローガンがあります。
この団体は昨年このスローガンのクリスマスをロックダウンという言葉に替えて、呼びかけを行っていました。まさにその通りですね。
まとめ
イギリスでロックダウン中に迎えたペットの行動に悩んだり、飼い始めたことを後悔している飼い主が増えていることについてご紹介しました。
犬や猫は人間の心の隙間を満たすために存在するのではなく、家族に迎えたからには動物の生涯に渡って世話をする覚悟が必要だという当たり前のことを、世界中で改めて周知徹底する必要があるようです。
《参考URL》
https://www.theguardian.com/science/2021/jul/11/yappy-dogs-moody-cats-why-lockdown-owners-are-full-of-pet-regret
https://petfood.or.jp/data/chart2020/11.pdf
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021022000189&g=soc
ユーザーのコメント
20代 男性 匿名
また、在宅勤務から出勤勤務になるでことで分離不安症を発症する犬も多くいます。犬を不幸にしたくないならコロナ終息後のことを考えて飼うべきです。
20代 男性 匿名
犬は寂しさの隙間を埋める埋めものじゃない、犬は人に尽くし貢献する存在であるべき。犬の幸せを考えるならコロナ云々で飼わないはず。俺だったら飼わない、10年、2年先を見越して定めます。金は足りるか、時間は割けるか、何より責任をもてるか。何一つ出来ないで安易に迎える奴は犬を飼う資格はない。命1つ預けてんだから責任があるし管理する必要も出で来る。命の所有者はその所有物の管理と責任を任されてる最高責任者兼管理者です。