犬の人工血液を中央大学が開発!5年後の実用化を目指す

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犬の人工血液を中央大学が開発!5年後の実用化を目指す

これで深刻な犬の血液不足を解消できるかもしれない。「犬の人工血液」という革新的な発明で、たくさんの命が救われる!?中央大学の研究グループによる発表とは。

深刻な犬の血液不足

元気のない子犬

もし、あなたの愛犬が大きな手術を行い、血液を必要としたら。
ひどい貧血にかかり、輸血をすることでしか助からないとしたら。

一体その血液は、どこにあるのでしょうか。

「どこにも保存されていない。」これが、現状です。

私たち人間が輸血を必要とした際には、血液センターから血液が運ばれます。この血液は、献血によって集められた血液です。
犬には、このようなセンターがないのです。

法律によって血液の売買は禁止されていますし、動物病院にストックされているわけでもありません。
そのため、輸血できないという理由で命を諦めなければならない犬猫の数は、なんと年間数千にものぼるのです。

輸血が必要になったとき、どうすべきか

  • 一部の動物病院で飼われている供血犬を頼ること
  • 飼い主自らがわんちゃん仲間に献血を頼むこと
  • ドナー犬として登録されている犬に頼ること

輸血が必要になったときは、獣医師自ら、飼い主自らが血液を確保しなければなりません。
一刻の猶予もない状況で、どのように動くべきか考えなければいけないのです。

ここで注目したいのは、最後に挙げた「ドナー犬」です。このドナー犬にはいくつかの条件があり、その条件も深刻な犬の血液不足を助長しています。その条件は、

  • 年齢:1~7才
  • 体重:20kg以上(秋田犬は赤血球細胞内のカリウム濃度が高いため、ドナーには向かない)
  • 性格:温厚(麻酔をかけずに採血するため)
  • 過去に輸血を受けた経験がない
  • 過去に妊娠・出産の経験がない

などです。

献血を募集する動物病院などによって年齢や体重にばらつきがあるものの、基本的に小型犬はドナー犬にはなれないようです。

最近は小型犬を飼う家庭が増加しているにも関わらず、小型犬がドナー犬になれないというのは辛い現実です。

ペット医療に優れるアメリカには

ペット医療の最先端であるアメリカには、ペット用の血液バンクが設立されています。

実は、日本にも一部の獣医師会や有志グループにより医療ネットワークが作られているのですが、残念ながらアメリカのような正式なペット用血液バンクは存在しません。

中央大学が犬用の人工血液を開発!

実験道具

この現状を打破すべく、中央大学が先陣を切りました。
10月19日、犬用の人工血液の開発に成功したと発表したのです!

輸血を必要とする犬の新たな希望になりそうな「犬用の人工血液」。
開発したのは、中央大学理工学部の小松晃之教授の研究グループです。
この成果は、第22回日本血液代替物学会年次大会で発表される予定です。

これまで小松教授らは、ヒト用人工血液の機能について研究されてきました。
それを犬にも投与できないかと考えたのです。しかし、ヒト用クラスターをイヌ用人工酸素運搬体として応用し投与すると、抗体が産生され重篤な副作用を起こす危険性がありました。
そこで、ヒト血清アルブミンをイヌ血清アルブミンに置き換えなければならなかったのです。

その難題を、まずウシの赤血球から取り出したヘモグロビンをイヌ血清アルブミンで包んだ複合体を作り、それを血液中に含まれる赤血球の代わりとして使用することで解決したのです。

イヌ血清アルブミンはイヌの血液から精製しなければならないため、製造に十分な量を確保することができず、これまでなかなか研究が進められなかったのですが、今回遺伝子工学的に組み換えイヌ血清アルブミンを産生することで研究を前に進めることができたのです。

研究チームは、すでにヒト由来の血清アルブミンでヘモグロビンを覆った複合体を作成済みであり、動物実験も済んでいるとのこと。
その結果、血液上昇など副作用はないと確認しています。

今後の動きは、製薬企業と共同し犬用人工血液の治療の有効性・安全性を検証していくことで実用化を目指すということです。実用化のめどは「5年後」。

長期保存でき、血液型やウイルス感染のリスクがなく、必要とするときに使用できる血液があれば、たくさんの命が救われることとなるでしょう。

まとめ

元気に走る犬

5年後を想像します。

近いとも遠いとも思える、5年後の未来。
犬の人工血液が完成し、消え入りそうな命に再び火が灯るのを思い描きます。

「人工血液」と聞き、まず思ったことは副作用はないのかということ。
そして、なんだか怖いなという漠然とした不安。
動物実験によって副作用がないことは検証済みだとは言うものの、実際に愛犬に人工血液を輸血するとなったら、不安を感じる方は少なくないのではと思います。

しかし、ドナーを見つけるのは容易くありません。
わんちゃん友だちに頼むというのも、お互いリスクがあることなので、現実は厳しいのではないか思います。

辛い思いを経験された飼い主や獣医師の願いが、
ようやく「人工血液」という形になったのです。

医療は驚くほどに進歩していきます。5年経てば、きっとこの漠然とした不安がなくなるような素晴らしいものが完成するはず。
私はそう信じています。

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